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63話 最も誠実な対応。


 63話 最も誠実な対応。


「ほんと……引くわぁ」


 先ほどまで二人が閉じ込められていた異空間は、

 他の人間には見えない仕様になっていたが、

 茶柱が施した『特殊なカスタム』によって、

 センにだけは中が確認できる状態になっていた。


 城西が精神的にも肉体的にもボコられている様を目の当たりにして、

 心の底から、彼に同情しているセンは、


「もう、ほんと……お前、やべぇな、ほんと……引くわぁ……」


 普通に、ガチンコで引いた表情をしているセンに、

 茶柱は、シレっとした顔で、


「ツミカさん的には一番『誠実な対応』だったとおもうけどにゃぁ」


「いや……まあ、そういう捉え方も出来なくはないんだが……」


「もし、ツミカさんが、センセーの事を知らなかったなら、たぶん、城西のことを、テキトーにあしらっていたと思うにゃ。でも、今のツミカさんは、センセーを知っている。そんなツミカさんの前で、城西は『ヒーロー』を名乗ってしまったにゃ。昨日までのツミカさんなら『鼻で笑っておしまい』だったろうけれど、今のツミカさんにとって、その言葉はとても重たい」


「……」


「それに……城西が『ツミカさんの伴侶になるために頑張っていた』という話は、前々から、小耳にはさんでいたからにゃぁ。そんな相手が、ヒーローを名乗ったとなれば……ツミカさん的には『正式に向き合わざるをえない絶対的な必要性』があったのにゃ。ここに関しては、センセーに四の五の言わせないにゃ」


「……」


「城西にも言ったけれど『ツミカさんを見捨てて逃げたこと』や『へし折れてしまった弱さ』に対して『無様』と罵る気は微塵もないにゃ。まあ、一ミリも『ダサい』と思っていないワケではないけれど」


 そこに関しては理性ではなく感情の領域なので、

 完全に制御することは不可能。


「抗えない絶望に打ちのめされて折れてしまう――それは、人間として正常な行動。けど、ツミカさんは『それでも逃げなかった男』を知っているから、城西を選ぶことはできないにゃ。選ぶことは出来ないではなく、選ぶ理由がないといった方が正確かにゃ」


「選ぶ理由ならあるだろ。きわめて希少なことに、城西はお前に惚れている。城西の趣味嗜好は、きわめて珍しい。城西を逃せば、お前は、この先『お前を愛してくれる男』と、一生、出会えないかもしれない。それほど希少な男を、『神話生物相手にビビったから』という理由だけで切り捨てるのは、あまりにも浅慮が過ぎると言わざるをえない。もう少し、男に対して、寛容性を持つべきだと、俺なんかは思うところだな」


「その点は大丈夫にゃ。『素晴らしい勇気の持ち主』という限定条件をクリアした上で『ツミカさんに惚れ切っている男』が一人いるからにゃぁ」


「……それほどのハンパなく希少な男がいるとは思えないが……ちなみに、それは、どこの誰だ?」




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