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【完結】悪役令嬢と手を組みます! by引きこもり皇子  作者: ma-no
おまけ クーデター後のお話

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134 大陸制覇、本格始動


 フィリップが大陸制覇を開始してから数日。戦闘のブランクを取り戻すために暗黒騎士団をイジメていたら、ボローズ王国とハルム王国の使節団がダンマーク辺境伯領にやって来た。

 この2ヶ国はフィリップ1人に2万の兵士を蹴散らされ、国王の護衛もブッ飛ばされて、ムリヤリ一騎討ちをさせられたかわいそうな国王がいる国。


 だからフィリップが呼び出したら、すでに負けたからと国王直々に命乞いにやって来たのだ。


「まぁまぁ。そんな暗い顔するなよ~。ひとまず飲め飲め。話はそれからだ」

「「はあ……」」


 命乞いにやって来たのに、大歓待で出迎えられた2人は逆に怖い。フィリップが肩を組んでニヤニヤ笑っているからなおさらだ。

 その日は本当に宴だけだったので「1日生き延びた」と感謝する2人。でも、翌日の会談では、フィリップだけがいる狭い部屋に押し込まれたので生きた心地がしなかったんだとか。


「んじゃ、またね~?」

「「はっ! お待ちしております!!」」


 でもでも、2日後には笑顔で帰国。そのことが気になってラーシュたちが詰め寄っていたけど、フィリップはひとつも取り合わない。


「んじゃ、僕たちも大陸制覇の準備しますか。全員、武器防具を装備させて集めて」

「はっ!」


 話は逸らされたが、大陸制覇が本格的に始まるのだからラーシュも精悍な顔で各種指示。1時間後に、辺境伯邸の庭に暗黒騎士団が整列した。

 その暗黒騎士団の装備は、お揃いの黒い鎧と黒いマント。武器や盾は各々、一番使いやすい物を用意していたから鉄色がほとんどだ。


 それでも見た目はフィリップの黒い軍服とコートに近い色合いなので、この点は装備を合わせてくれたエステルに感謝してる。

 カッコイイんだって。フィリップは精神年齢は大人でも厨二病だもん。


「それじゃあ、武器は没収しま~す」

「「「「「はあ~~~??」」」」」


 フィリップがこんな発表すると、暗黒騎士団は口答え。フィリップから毎日無茶振りされて、夜には娼館に連れて行ってもらったから、なんでも言えそうな雰囲気になってるんだって。


「はあ~? じゃないよ。お前らの実力なら2万の兵でも素手で倒せるって。だから、ハンデ。誰1人殺さず国を落とすよ!」

「「「「「はあ……」」」」」

「じゃ、武器は僕が預かるね。盾は……いっか」

「「「「「はあ~~~??」」」」」


 またしても暗黒騎士団は変な声が揃う。フィリップの命令が無茶振りだからじゃなく、武器がどんどん消えて行くからだ。もちろんアイテムボックスにしまってるよ。


「その盾は~……デカイから没収で」

「陛下から勧められた大盾ですから、手放したくないんですけど……」

「僕が勧めた? お前みたいなモブに??」

「そう! モブ君です! リネーアの夫のコニーです!!」

「わっ!? いたんだ!?」

「この数日、ずっと同じやり取りしてますよ~~~」


 コニーとは、帝都学院の2年先輩でリネーアの夫。長い付き合いなのに、あまりにもモブっぽいから覚えてもらえないかわいそうな人物だ。

 ちなみに娼館に誘った時は、「妻がいるから」と必ず断っていたよ。リネーアの名前が出たからフィリップも無理に誘わなかったけど、翌日にはまた誘っていた。


 なのでさすがにこの仕打ちはフィリップも反省だ。


「まぁ大盾は携帯許可するよ。あ、そうだ。モブ君に会ったら言おうと思ってたことがあったんだった」

「何回も会ってますけど……」

「ほら? 兄貴の荷物持ちしてた時、最下層で膝カックンされたでしょ? アレ、ボック~」

「ええぇぇ!?」


 コニーの苦情を無視してカミングアウトしたら、大絶叫。その顔を見たフィリップは「凄い顔。やっと覚えられそう」と思いながら作業に戻るのであった。

 まぁあとでボエルも交えて、その当時の思い出話に盛り上がっていたけどね。だいたいボエルの愚痴だったけど……



 その2日後、大陸制覇、本格始動。フィリップたちは馬車を連ねて北上する。まずは国境線の一番北にある国を落とし、南下してひとつずつ侵略する流れだ。

 そしてやって来ました第一被害者の国、エシルス王国。フィリップは「交渉しに来た」と嘘をついて侵入しようとしたけど、宣戦布告しているのだから通してくれない。


 なので、強行突破。馬車を操縦する人だけ残して、暗黒騎士団は軍隊を殴り倒す。そして王都に向けて一直線に進んでいたら、大量の兵が待ち構えている平野に出た。


「ざっと2万ってところかな?」

「ですね。どうします?」


 フィリップはちょっと考えてから口を開く。


「たぶんアレって、僕たちが攻めて来たら動かそうとしていた本体だよね?」

「おそらく。ウチは100人しかいないので、出遅れたんでしょうね」

「じゃ、相手してやって。僕は先に王都を落として来るよ」

「はい??」

「絶対に殺しちゃダメだからね~~~?」

「「「「「陛下~~~!!」」」」」


 ありえない皇帝1人の出陣。フィリップが軍隊に1人でダバダバ~っと突っ込んで行くので、暗黒騎士団は同時に右手を伸ばしてるよ。


「はぁ~……陛下なら死にはしないだろう。私たちも行くぞ~~~!!」

「「「「「おお~~~!!」」」」」


 フィリップがピョンッと飛んで敵軍の中に消えてしまっては仕方がない。ラーシュの指示で、暗黒騎士団も突撃するのであった。



 それから3日後の王都……


「陛下、何してるんですか……」

「あ、遅かったね~。ラーシュも抱いてく?」

「なんで娼館で遊んでるんですか!!」


 暗黒騎士団は白旗を上げる敵兵を無視して王都に入り、フィリップを捜したら娼館にいたので、ラーシュは激怒したのであったとさ。


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