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【完結】悪役令嬢と手を組みます! by引きこもり皇子  作者: ma-no
おまけ クーデター後のお話

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132/142

131 誕生


 フィリップが皇帝になってから早10ヶ月。この日のフィリップはエステルの(そば)から離れなかった。


「パパでちゅよ~?」


 そう。ついにフィリップの子供が……


「まだ産まれてませんわよ。毎日毎日、お腹に喋り掛けて……仕事はどうしているのですの?」


 いや、まだ産まれてない。エステルの大きくなったお腹に喋り掛けてばっかりだ。あと、さらに大きくなった胸にも……


「だって~。気が気じゃないんだも~ん」

「陛下がそんなに子供好きだったとは思いもしませんでしたわ。孤児も邪険にしてましたし」

「アイツらは、ほら? 他人だし。遊んで遊んでってうるさかったから。我が子は目に入れても痛くないんだろうな~。男の子と女の子、どっちだろうな~? 女の子だったらえっちゃんに似てかわいいんだろうな~」


 フィリップのニヤケ顔が止まらないので、エステルもため息が出てしまう。


「はぁ~。ですから、必ず()の子を産むと言ってますですわよね?」

「どっちでもいいじゃ~ん。女帝もかっこよさそうだよ?」

「ですから、帝国の文化を私の代で終わらせたくないと言ってるのがわからないのですの?」

「そんなに怒らないでよ~。お腹の子に響くじゃ~ん」

「怒っていませんわ。こんな顔で悪かった…デス、ワネ……」

「ん~??」


 エステルの目付きが悪いのは生まれ持ってのこと。そのことにイラッとしたエステルだったが急に声が小さくなったので、フィリップは首を傾げた。


「どったの?」

「うっ……」

「っまれる~~~!!」

「先に言わないでださいまし!!」


 大事なセリフを取られたエステルは激怒。それでもフィリップは大慌てだ。


「聖女ちゃん! 聖女ちゃん呼んで来ないと!!」

「陛下! 病気じゃないんですから!!」

「薬屋! 薬屋はどこだ!?」

「だから病気じゃないと言ってるでしょ!!」

「えっちゃんが死ぬ~~~!!」

「「出て行け~~~!!」」


 というワケで、エステルの世話をしていたカイサとオーセがフィリップの両脇を抱えて強制排除するのであったとさ。



 エステルが産気付く前から、産婆と女性神官が配置に就いていたので何も心配はない。皇后様の出産で次期皇帝が生まれるかもしれないのだから、準備万端に決まっている。

 それなのに暴れたフィリップは、部屋の外でカイサとオーセの説教。土下座で「中に入れてくだせぇ。おでぇかん様~」とやってるから立場が真逆だ。


 その結果、フィリップの入室は許可。皇帝の言葉と言うより、「皇帝に土下座させてる」とヒソヒソ言う周りの声にカイサたちは負けたのだ。

 フィリップはそれを見越してやっていたので、顔を上げたあとは悪い顔してたけど……


「ヒッヒッフー。ヒッヒッフー。はい! えっちゃんマネして」

「はぁはぁ……なんですのそれ……ぐうぅぅ」

「ラマーズ法って言って、痛みが引く呼吸法だよ。はい、ヒッヒッフー、ヒッヒッフー」

「ヒッヒッフーーー! はぁはぁ」

「頑張って! ヒッヒッフー!」

「ぐうぅぅ……はぁはぁ」

「ヒッヒッフー! ヒッヒッフー! だよ? あ、痛いなら麻痺ポーションあるけど使う? 薬屋お墨付きだよ??」

「うるさ~い! はぁはぁ」


 中に入ったら入ったで、フィリップは邪魔。エステルに怒られたので、何も言わずただただ手を握り続ける。口はパクパク「頑張れ」って言っていたけどね。

 エステルはラマーズ法の呼吸が楽だったのか、途中からマネするようになり、10時間……


「オギャー! オギャー!」


 ついに赤ちゃんのお目見えだ。


「や、やりましてよ……」

「えっちゃ~ん。ありがと~う。よくがんばった~~~。うわああぁぁ~~~ん!!」

「泣き過ぎですわ。でも、ずっと手を握ってくれて、心強かったですわ」

「うわああぁぁ~~~ん。男の子だ~~~」

「オギャー! オギャー!」

「赤ちゃんもうるさいと言ってますわよ?」


 エステルに感謝して大泣きしていたフィリップは、赤ちゃんを抱いたところでギャン泣き。赤ちゃんもギャン泣きしてるので、フィリップは再び追い出されるのであったとさ。



 それからのフィリップは、赤ちゃんがいる寝室に入り浸り。オモチャや服だけでなく、どこで買って来たのかわからない怪しい物が部屋の中にどんどん増えて行く始末。


「これ、何に使う物なのですの?」

「それは~……まだ早かったね。成人したら渡すよ」

「何に使う物なんですの!?」


 大人が使うようなオモチャも混ざっていたので、フィリップは黙ってしまう。エステルはこう見えて純情だから、何かはわからないしね。


 赤ちゃんのごはんの時間になってもフィリップは出て行かない。


「美味しいのですの?」

「バブー」

「言葉を使ってくれません?」


 だって、フィリップだもん。何を飲んでいたかというと、ご想像にお任せします。

 そんなことばかりしているので、フィリップはとうとう追い出された。泣きながら何度も謝るから入室は許可されたが、1時間に15分の制限時間が(もう)けられたんだとか……


 こうなっては仕方がない。フィリップはオーセとカイサに抱きついて、バブバブ言ってる。ハマったみたいだね。


「バブー」

「プーくん、本当に赤ちゃんみた~い」

「うん……これ、ペトロネラ様と一緒の時に聞こえて来た声だよね……」

「あっ! あった!? ということは……」

「バッブーーー!」

「「あ~れ~~~」」


 結局フィリップの頭の中はそれでオッパ……いっぱい。第一皇子も生まれたこともあり、オーセとカイサは晴れて側室に昇進。本格的な子作りも解禁になったとさ。


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