表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/60

夏祭りからの盆踊り2

 射的をやっていたのはプラズマだった。横には時神現代神アヤがおり、なにやら狙うものを決めている。

 「エリィエイヌのケーキセットよ、プラズマ」

 洋菓子が好きなアヤはプラズマに特賞を狙えと言っていた。

 エリィエイヌとはこの辺で有名なケーキ屋さんであり、神社の駐車場でかき氷を売っていたお店である。特賞はすごく小さな的が狙いにくい上側の端に置かれていた。

 「ケーキセットね、はいはい」

 プラズマは銃を軽く持つとしっかり狙いもせずに小さな的を撃ち抜いた。

 「え、やば……」

 ウカは横で見て驚いた。

 ベルの音がして「おめでとうございます!」と声が上がり、周りもすごく盛り上がっていた。

 「じゃあ、次は……」

 「カエルルルビーのぬいぐるみ!」

 プラズマの横にはイナと同じくらいの小さな少年がいた。

 黒髪で元気そうな少年だ。

 「あれか……」

 プラズマはカエルルルビーというらしいカエルのキャラクターぬいぐるみを見据える。これもまた、撃ちにくそうだ。

 並んでいる子供達が心配そうに見守る。

 「頭のちょい下で落ちるか」

 未来神の特徴である未来見により、落ちる未来を予測したようだ。

 プラズマは軽くまた構えると、簡単に撃ち落とした。

 「ほれ、こばると、とれたぞ」

 「プラズマさん、ありがとう!」

 歓声が上がり、とても盛り上がった。

 「え、すごくない? 銃の扱い、慣れすぎてない?」

 ウカはアヤと手を繋ぐ黒髪の少年と横を歩き去るプラズマを見つつ、呆然と立ち尽くした。


 「ウカちゃーん、次、わなげでも観戦する?」

 いつの間にかミタマが横にきており、苦笑いを向けていた。

 「いや、見るならヨーヨーの方がいいかな……涼しいし」

 「もうちょっと見たら盆踊り始まるかな?」

 ミタマがわなげの方を横目で見ると、イナが一生懸命に子供を応援していた。人にはみえないのだが。

 なんだかんだ時間が過ぎ、なんとなく涼しく感じるようになると、太陽は沈んでいった。

 夜になるとやぐらのちょうちんに明かりが灯り、地域の子供達が和太鼓をはじめた。

 「始まる! ぼん、だんすっ!」

 稲荷達は元気いっぱいに盆踊りの輪に入り込み踊り出した。

 「ヨイヨイヨーイ!」

 「涼しくなってきたから全力だー!」

 楽しそうな稲荷達を眺めつつ、ミノさんは一緒に輪に入っていた時神達も眺める。

 「あっちも元気だな……」

 他の時神であるリカという少女やサムライで過去神の栄次、銀髪の少女ルナ、ルナの姉サヨなど時神総出で来ていた。

 この祭りに何か意味があるのか、それとも……

 「暇なだけか」

 ミノさんはため息をつきつつ、輪に入って一緒に踊り始めた。

 「ああ、楽し」

 稲荷は汗だくで最後まで踊り続けていた。


 ウカの日記

 紅雷王が連れていた黒髪の男の子はこばるとと言うらしい。

 このあいだ、菖蒲湯をした男の子の一人だ。誰だかわからなかったけど、時神のようだった。

 ちなみに紅雷王は射的が得意。

 あっという間に欲しいものを取っていった。夏祭り楽しかったなあ! あ、もしかすると、ミノさんが太陽神系列の稲荷だから紅雷王が来たのかな?

 いや、暇なだけか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ