DAY 4 ショータ身バレする
翌朝アネットは王都へと旅立とうとしていた。
因みに銅貨トラップの利益はDP22。宿の廊下と違って、道の場合レベルの低い人が掛かる率が高くて、+1がやたらと多かった。
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DP:50 (debt:-10,000) RD:19,630
金貨 1, 銀貨 9, 小銀貨 6, 銅貨 3
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「俺と爺ちゃんの部屋以外は自由にしていいから。あとは店を開けるも閉めるも好きにしな」
いや、いくらなんでも、ちょっとフリーダム過ぎるんじゃないの。俺たちが店の物を根こそぎ持って逃げたらどーすんだよ。
そう言ったら、従業員登録をしたくせに何言ってんだと真顔で返された。
よくよく話を聞いたところ、従業員登録すると、勝手に店の物を盗んだりカネを持ち出したりは契約上、出来なくなるらしい。
何しろ魔法がある世界だ。神さまだっているらしい。
契約は、神様に誓う約束だ。破ったりしたら文字通りの天罰が下るそうだ。おお、ぶるぶるぶる。試さなくて良かったぜ。
「それで、店の物を勝手に売ったりできるんですか?」
「それは許可してあるからいいんだよ」
って、よくよく聞いてみたら、制約が厳しいのは、アネットとその祖父の部屋のみで、後はわりとフリーダムだった。それ契約の意味がないんじゃ……
「王都まで馬を飛ばせば4日くらいだ。とにかく後のことはよろしくな!」
そういって、アネットは漢らしく王都へと旅立っていった。
馬にまたがって。
「馬車じゃないのかよ! しかもあの砂糖の行李は何処へいったんだよ?!」
謎の多いアネットであった。
因みに馬車で普通に行けば、王都まで10日弱だそうだ。
「カモさん。お姉ちゃん、行っちゃったね」
「俺たちは、自由にしてていいってさ」
シャロンはコテンと頭をかしげて難しそうな顔をしていた。
「どした?」
「んとね。自由って何?」
え? それはまた随分と哲学的な質問だな。
なんの支配も受けないで、自分の意志に従ってること?
いや、それだと、みんな自分の意志でどこかに行ったり、何かをしてるよと言われそうだよな。
自由の積極的側面を突き詰めちゃうと、誰かを殺してもいいって事になりかねないし、消極的側面を突き詰めちゃうと、この世界の社会的な観念と大きく乖離しそうな気がする。
支配もそれに従うことも当たり前すぎて、自由のニュアンスがちゃんと伝わらない。教育って難しいねぇ……
「んー……」
シャロンは俺が言うことを期待してきらきらした目を向けてくる。ぐぬぬ……
「お腹が減ったら、いつでもサンドイッチを作って食べられるってことだな!」
「自由凄い! じゃ、自由しよ。自由」
「ん? ああ、どうせ販売するものを作らなきゃだしな。いっちょやりますか」
「やりますかー!」
こいつはすっかり元気だな。ポーションが効いたのか?
パンは6枚残っている。解析することを考えれば、6種類のサンドイッチが精一杯だ。
俺は買ってきた食材とあわせて6種類のサンドイッチを作ることにした。
いろいろな物を茹でたり揚げたり、結構な時間が掛かったが、そのあいだ、マイユとシャロンは何が楽しいのか、ずっとその様子を眺めて、時々つまみ食いをしたりしていた。
そうして2時間後。
俺は、紙っぽい物で箱風の入れものを折って作ると、そこに6種類のサンドイッチを詰め込んだ。
因みにこの世界には植物紙っぽい紙が存在していた。ただし原料は植物パルプとかではなく、魔物の分泌物らしい。
紙の大きさの入れものに水を張ってその魔物を入れておくと、表面に紙が出来るのだそうだ。一瞬げげっと思ったが、絹帛みたいなものだと思えばいいのだろう。
和紙と上質紙の中間みたいな感触で、羊皮紙っぽいものよりも遥かに廉価のため、商人がメモに使ったり簡単な書類に使ったりしているらしい。
そして意外と使われているのが――
「食品の包装紙だとはね」
屋台なんかでも、細かい食べものは、これを適当に折って盛られていた。
なお、倉庫の整理時にいくつかの本を見たが、すべて手書きっぽかったので印刷技術はなさそうだった。
その紙を買ってきてORIGAMIテクで、可愛らしい箱を作ったのだ。
パンの耳は別に使いたいから三角形だとボリュームが足りなく見える。だから耳なし2等分カットで長方形に仕上げた。詰めやすいし。
具は、次の6種類だ。
・ロースハム・胡瓜っぽいの・トマトっぽいの・レタスっぽいの。
・卵
・ジャガイモっぽいイモのポテサラ卵入り
・ツナマヨ
・なんか市場で売ってた肉のうち、焼いて一番美味かったヤツ。
・苺っぽい素材で作った甘いジャム+バター
これにおかずとして、鶏の唐揚げっぽいものを2個と、デザートにパンの耳を揚げて、グラニュー糖ふったヤツ1枚分を用意しようと思う。
植物油はかなり高価だったが、初回だけだと目を瞑って購入した。
僅か5g残っていたグラニュー糖に、苺っぽいのを2個使って作った凄く少ない甘いジャムを、ごく少量で解析した後、それを全部つかって甘いサンドイッチも追加した。
パンの耳を揚げてグラニュー糖をまぶしたデザートを何本か添えようと思ったが、もうオリジナルのグラニュー糖が無かったから、揚げたての耳揚げを解析して、これは別途売るときに砂糖をまぶすことにした。
「よし、完成だ」
「「うわー」」
マイユとシャロンがよだれを垂らしそうな顔でのぞき込んでいるが、まてまて、一度は解析しないと。
「ほら、持って行ってやるから、ダイニングの椅子に座って待ってろ」
「「うん」」
俺はマヨハムサンドを破棄して、完成したセットを解析した。
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ミルカン飴 80個/DP
水(2L) 6本/DP
牛乳(1L) 3本/DP
缶ビール(500ml) 3本/DP
パン(8切) 24枚/DP
卵 24個/DP
薄切りロースハム 24枚/DP
黒胡椒粒 50g/DP
マヨネーズ 1kg/DP
バター 500g/DP
塩 5kg/DP
グラニュー糖 3Kg/DP
苺もどきジャム 500g/DP
耳揚げ 40本/DP(砂糖なし)
ツナ 300g/DP
粉胡椒 50g/DP
鶏もどきカラアゲ 20個/DP
サンドセット 2個/DP
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うーん、流石に1セット500円くらいの価値にはなるか。いくらにするべきかな……
リストも結構埋まったな。途中で再加工がめんどくさいものはとりあえず解析しちゃったからな。あとふたつしか記録できない。いずれは整理しないとな。
俺はグラニュー糖と牛乳とサンドセットを3つクリエイトすると、浅いバット状の容器に耳揚げをクリエイトして、その上にグラニュー糖を振りかけて混ぜた。
「よーし、試食するぞ」
サンドイッチはもちろん、ちびっ子二人に大人気だったのは、鶏もどきカラアゲとパンの耳だった。
やはり狼の獣人は肉と歯ごたえが好みに影響するようだ。
もっと唐揚げが食べたそうだったので、1DPで20個追加したらきれいになくなった。その小さい体の何処に入るというのか、実に不思議だ。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「ねぇねぇ、ショータ。これなんかどう?」
マイユが、行李のように木で編まれた箱を持って、部屋で屋台の形について考えていた俺のところにやってきた。
彼女たちには、サンドイッチの入れものを、倉庫で探して貰っていたのだ。
食品に付いていた包装フィルムを量産して包むというのも考えたのだが、そういうものを広めて良いのか微妙だし。
冒険者連中なら食べた後、絶対たき火に放り込んだりするだろう。問題になるような量じゃないとは思うけど、ダイオキシンの発生はできるなら避けたい。
あと、包装フィルム毎囓って、マズイとか言われそうだし。
彼女が見つけてきた小さな行李は、丁度良さそうな大きさだった。
「お、いいね。紙箱にサンドイッチを詰めて、この箱に入れれば立派なお弁当だ」
「おべんと?」
「ああ、携帯食、かな」
ふーんといって、マイユはまた倉庫の探検へと戻っていった。
俺は意外と渋いデザインのその行李を手に取ると、とりあえず2DPを使って解析&クリエイトしてみることにした。
基本的に大量生産はDP次第なところがあるので、クリエイトにいくら掛かるのかを確かめることは重要なのだ。
「は?」
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保存の行李(小) 2500DP
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こらまて。なんだこの価格は? 金貨20枚分以上?
『保存の行李は、魔道具』
なんですと?
俺は思わず箱を注視して、説明を表示させた。
○-- 保存の行李
中に入れたもの鮮度がしばらく維持される。
……おい。って、機能的には少しの時間遅延機能だけが付いたアイテムボックスみたいなものじゃないか? なんでこんなものが倉庫に雑にころがされてるんだよ。マイヤー商会どうなってんだ。
基本は5掛けとか行ってたから、売り値は金貨50枚?!
そんなの使えるわけ無いだろ。
しかし、まずい。
倉庫整理と銘打って、古そうな物や売れなさそうな物は、片っ端から箱詰めして片付けちゃったぞ……実はあの中にスゴイ高価なものがあったりするんじゃ……
「まあ、やっちまったものは仕方ないか。捨てたわけじゃないしな。HAHAHAHA」
『さすマス。いいかげん』
な? 「良い加減」だよな。HAHAHAHA。
仕方がないから当面は紙のケースのみにしよう。
それにグラニュー糖をまぶした耳揚げを4本付けて、小銀貨1枚だ!
銅貨2-3枚が基本の屋台で小銀貨って強気すぎる気もするが……DP原価だと、銅貨5枚だし、マイヤー商会っぽい掛け率だからこれでいいか。
しかしこの世界、貨幣経済が曲がりなりにも成立しているのに、計算が出来る人が多くない。
だから、120ラディールという取引ではなく、小銀貨1枚と銅貨2枚、という取引が主流になっているわけだ。数を数えることはできるということだ。
そのせいで、各貨幣が1-3枚という値付けが非常に多い。ぱっと見た目で数えられるからだ。
7枚だと数えるのも面倒だし、流石にそのくらいになると上の硬貨で支払う人も増える。
つまりはお釣りの計算が面倒なのだ。
「まあ、最初は小銀貨1枚でいいか」
売れなかったら、その時考えよう。
「マスター」
「ん? なんだ? コアから話しかけてくるなんて珍しいな」
「屋台での販売、あの二人を売り子に使う?」
「まあ、最初はともかく、いずれはそうすることになるかもな」
「その場合、ふたりが眷属でないとDPが得られない」
「なに?」
コアの話によると、銅貨の罠のように、ダンジョンが作り出したものを、侵入者が勝手に拾う場合はダンジョン内のアクションとみなされる。
だが、侵入者Aが、ダンジョンが作り出したものを取得した後、別の侵入者Bにダンジョン内で販売しても、Bがダンジョン内でアクションをしたとはみなされないというのだ。
あー、宝箱の中身を、ダンジョン内で他人に売り飛ばすのと同じ行為なわけか……
「召喚モンスターに売り子をさせてもいい。けど、人間に擬態できるタイプは高価」
まあ、そうだろうな……バンパイアとかだもんな。いかにも高DPっぽい。
「てか、召喚モンスターって、そんなこともできるのか」
「それはモンスターによる」
ま、そりゃそうか。
ダンジョンマスターが召喚モンスターに出来ることは、基本、転移と念話らしい。
転移は、コアやマスターが、眷属や召喚モンスターをダンジョン内の任意の位置に配置する機能だ。対象が自分の意志で好きなところに転移できるわけではない。
ダンジョン外から、ダンジョン内へ転移させることも出来るが、これにはDPがかかるらしい。主に緊急避難用だろう。
ダンジョン内から外への転移はできないが、飛び地ダンジョンと呼ばれる場所を作ることで、ダンジョン内転移が使えるとのこと。
飛び地ダンジョンはフロア扱いなので、作成にはそれなりにDPがかかるらしいが、今は関係ないな。
念話は、「話」と名前が付いているが、眷属や召喚モンスターとの繋がりそのものを表しているから、リンクと言うべきだろうか。
対象の視覚や聴覚を共有することと、会話をすることがその主たる機能だ。本来は、ダンジョン内外の偵察用だが、確かに便利そうだ。
「ただしダンジョンが存在しているときに限る」
「……ですよね」
眷属の場合はマスターに帰属しているため、ダンジョンが無くても大体の居場所とかはわかるらしいが、明確な視覚や聴覚を得られ、会話が出来るのは、ダンジョンコアあってこそのようだ。
また、視覚や聴覚の利用は常にDP不要だが、念話でDPが不要なのは、どちらもダンジョン内にいるときだけだ。どちらかがダンジョン外にいる場合はDPを消費する。
「どのくらい?」
「1分/DP」
昔のNTT方式で、1分1秒でも2DPとなるらしい。DPに小数点以下とかは、ないみたいだ。
それってつまり、端数切り捨てってサービスでもなんでもないってことじゃん!
「結局、眷属って、召喚モンスターと何が違うんだ?」
「一番大きな違いは、眷属はマスターに帰属するが、召喚モンスターはダンジョンに帰属する」
ダンジョンに帰属した召喚モンスターは、ダンジョンが失われるとフリーになる。つまり制御から外れると言うことか。
また、帰属したままダンジョンから出ると、DPを消費して維持しない限り徐々に弱っていくが、眷属にはそのルールが適用されない。
「ダンジョン発のスタンピードがいずれは自然消滅するのはそのせいか」
「そう」
「それと、眷属は、各種ステータスや抵抗力が、ダンジョンマスターの資質に応じて上がる」
あー、俺じゃそれは期待できないかな。
「INF型コアは、さらにそれに係数がかかる」
なんですと? いやいやいや、待て。喜ばせておいて、係数が1未満だったりしたら、ぬか喜びも甚だしい。てか下がるじゃん。
「さすマス。悲観的」
しかしさすがにそれはないだろう(希望的観測)
なら、いっそのこと全召喚モンスターを眷属にしておけばいいんじゃないか?
「推奨できない」
何かを眷属にするためには、そのもののレベルx抵抗値分のDPが必要になるらしい。
それに、ダンジョンを破棄したとき、何千匹もいるダンジョンモンスターを全部引き連れて歩くなんて人類の脅威でしかないから、すぐに討伐されるだろうとのこと。
まあ、そりゃそうか。
「大体そんなところか?」
ダンジョン管理機能に組み込まれて転移や念話が使えるようになる。しかも、もしかしたら強くなる。まあそのくらいなら、眷属化してもいいかもな。
「メリットといえばメリットだけれど、デメリットといえばデメリットな要素がある」
なんだそれ? コアにしては妙に回りくどいな。
「眷属は、ダンジョンマスターと一蓮托生になる」
一蓮托生?
「具体的には?」
「不老化する」
は? まてまてまてまて、なんだそれ??
「正確には、ダンジョンマスターと寿命を共有する。ダンジョンマスターが死ねば、全ての眷属も死ぬ。ダンジョンマスターが生きている内は、肉体そのものはピーク時まで成長すると、その状態が維持される」
だからこそ眷属は最後までダンジョンマスターを護るのだそうだ。
眷属という名前はダテではない。
「というか、俺の寿命ってどうなってんだ?」
「コアがある限り不滅」
ナンダッテーーーーーーー?!
「じゃ、何万年も生きているダンマスとか居るわけ?」
「わからない」
「わからない?」
長期間生きたダンマスは、大抵生きるのに飽きて、自らダンジョンを閉じたりするらしい。
ダンジョンがあるうちは、どのくらい長く存在しているダンジョンかで寿命を知ることが出来るが、ダンジョンを閉じてしまえば、眷属と仲良く余生を送っているのか、みんなで仲良く人生に幕を下ろしているのか、知る術がないらしい。
「で、コアの寿命は?」
「わからない」
自壊するまでに、壊されたり行方不明になったりするため、具体的な記録はないらしい。
「はぁ~」
滅茶苦茶ショックな情報だったが、まあ、まだ生きるに疲れるほど生きちゃいないし、しばらくは考えなくてもいいか。
しかし眷属化は、相手の意志を確認しないとマズいな……
「なってもいいよ」
「え?」
そこには、マイユとシャロンが立っていた。
おい! コア!
『いままでダンジョンの外にいた』
あー、なるほど。半径5mだもんな。獣人の聴覚舐めてました。
「聞いてたのか」
そういうとマイユはこくりと頷いた。
「小銀貨1枚にするあたりから」
「全部じゃん!」
「変な人だと思ってたけど、ダンジョンマスターだったなんて。私、はじめて見た」
「別に人類の敵をやってるわけじゃないぞ」
ててててーっとシャロンが走ってきて、俺の首にしがみついた。
「分かってるってさ」
マイユはちょっと斜に構えて言うと、近づいてきて、座っている俺の肩にぽんと手を置いた。
「まあ、私に任せておけば大丈夫だから」
意味も根拠もないその台詞が、なんだか結構染みてきて、俺は何となく頷いてしまった。
「しょうがねーな」
「すぐに眷属化可能」
その声を聞いて、シャロンがぴくんと耳を立てた。
「今のがコアちゃん?」
「そう。私は、INF-WS26-Q4AC-0001。通称コア。よろしく」
「で、おまえら、本当にいいんだな?」
二人を目の前に座らせて、俺は念を押した。
ふたりがこくりと頷いた瞬間、掃除をしたときのような輝きがダンジョンの床から発生して、彼女たちの体に吸い込まれる。
光が落ち着いた頃には、気持ち身長が伸びて肉付きがよくなったふたりが座っていた。
「眷属へようこそ」
コアが言った。
「なんだか体が軽くなった気がする」
マイユがすわったまま、ぴょんと跳ねてバク転した。
おいおい、座ったまま? パウッ! とかいいながら小指でみぞおちを突いてきたりしないだろうな……
「ほんとだ」
シャロンがバク転したマイユを片手で受け止めた。マイユはシャロンの掌の上に立っている。
スゲーーーーー! 君たちなにもの! どこかの国家雑技団かなにか?!
「ショータの眷属」
コアがそう言うと、二人は嬉しそうに笑った。俺も嬉しかったんだと思う。
その後3人は、変化があったことを、わいわいと話し合った。そして、ダンマスの話は当然他人には秘密だという認識も共有した。
大方の話が終わった頃、コアが言った。
「さっさとDPを稼がないと、全員6日後に消滅」
「あっ! そうだった!!」
「なにそれ、聞いてない!」
「し、消滅?!」
俺たちは、現在俺たちが置かれている状況についても認識を共有した。
DP:36 (debt:-10,000) RD:14,630
金貨 1, 銀貨 4, 小銀貨 6, 銅貨 3




