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[完結]捨てられ聖女と森の主・妹のためにと捨てられたんですけど?  作者: 安ころもっち


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11.ニコレッタ、無事きり抜けた後

私の言葉に驚く2人。

しばらくすると2人顔を見合わせてから口を開く。


「バ、バカな事を。そんな嘘をついてもすぐに分かるんだよ?」

「そうだぞ。そんな大人でも滅多に狩れない魔物、1人で狩れるわけないだろ?」

席を立ちそう言う2人。


それに対応するように背後で私を抱きしめていたエレナが口を開く。


「ニコちゃんはすでに何十匹とワイルドボアの肉と毛皮を納品しています。数は少ないですがブラックオークとビッグバイパーの魔石も納品履歴がありますよ!」

その言葉に絶句する2人。


「ビッグパイパーの皮も売れるって言われたけど、それは師匠が使ってみたいって言うからあげちゃった。でもかなり高額になるからもう狩らない。私も面倒だし」

これぐらい言っておけば良いだろう。


これには"これぐらいできなきゃ師匠の弟子にはなれないよ"と言うアピールも入っている。それをくみ取ってくれるかは定かではないが……


結局2人は「気が変わったらいつでも連絡してくれ」と言い残し帰ろうとしたので、「容器返して」と伝える。

無視して歩きだす2人の前にはノルベルトが立ちふさがると、「ぐぐぅ」と唸りながら容器を出してテーブルへ置いて部屋を出ていった。それに合わせるように冒険者ギルト長も出ていくが、エレナに睨まればつの悪そうな顔をしていた。


それからまたエレナの膝の上で昼食を食べる。

すでに食べてしまっていたノルベルトが恨めしそうに眺めていたので、仕方なしに自分の分を少し分け与えると、頬をゆるませ今度は小さくついばむようにゆっくり食べていた。

食べ終わり名残惜しそうに空いた皿を見つめるノルベルトを見て、来週はもっと多めに持ってこようかな?と思ってしまった。


こうして、時間いっぱい甘やかされた私は、2人に東門の詰所まで一緒に帰る。

2人に見送られ身体強化を使って森へと帰って行った。


そして森の入り口。

急に何かを感じて立ち止まり身構える。


気のせいかな?そう思いながら森の中に入ると、近くの木の後ろから黒装束の男が飛び出してきたので、慌てながらも腰の短剣を抜き男の短剣での一撃を弾いたが、次の瞬間には左足に痛みを感じ、転がるように横に飛んだ。

服に隠すように身につけていた胸のペンダントから緑色の光が広がる。


どうやら痛む左足は後ろから別の襲撃者が忍び寄り切りつけられたのだろう。

その傷は聖魔石の力によりすぐに塞がっている。


目の前にいる同じような服装の者達を見ながら、さらなる襲撃者がいないか警戒して大きな木に背中を寄せた。

だがその2人の男は、突然その背後に現れた冒険者風の男たちにより、一瞬で組み伏せられていた。


「な、何奴だ!」

遠くから聞こえてきたその声に振り向くと、そこには冒険者ギルドで別れたはずの商業ギルトと鍛冶ギルドの長、バッティスタとティエポロの姿があった。


少し情報が多すぎて混乱するが、少し距離を取ろうとさらに森の奥に移動して見守る。


「お前たちはフラビオ・バッティスタとロドリゴ・ティエポロで良いんだな」

「あ、ああそうだ!」

「いや、俺はそんな奴は知らん。人違いだ!」

ティエポロはすぐに肯定したが、バッティスタはそれを否定していた。


「おいフラビオ!自分だけ逃げるつもりか!」

そんなバッティスタにティエポロは詰め寄っている。


「喚くな!すでに調べは付いている!この男たちもお前たちが雇ったのだろ!」

捕縛している男をズルズルと引きずりながら2人に近づく男たち。


「す、すまない。私はフラビオ・バッティスタ。子爵位で商業ギルドの長をしている……」

「ロドリゴ・ティエポロ。男爵位で鍛冶ギルドの長だ」


名乗る2人にその冒険者の2人は「私たちは聖騎士団第六隊である!お前たちのことは全て調査済だ。大人しく従った方が身のためだと言っておく!」と大きな声で伝えた。

周りから10名ほどの銀の鎧に包まれた兵士たちが現れた。みな同じように金のラインが綺麗に入っており、この国の紋章が胸に刻まれている。こんな人数が潜んでいたなんてと驚いてしまった。


先ほどの冒険者風の男2人は、バッティスタ達を兵士に任せ私の元へとゆっくりと歩いてくる。


「警戒しなくて良いよ」

優しそうな男の方がそう声をかけてくる。だが一応警戒は解かないけどね。


「私は第六隊の隊長を務めているカルロ・オルランディだ。こんな格好ですまないね。一応見られても警戒されないようにということで冒険者風にしてみたのだが、似合っているだろうか?」

「冒険者には見えますよ。それもかなり上級の……」

警戒は解かない。そのオルランディの後ろからは冷たい視線があびせられているからだ。


そんな私に気付いたのか、オルランディは横を向く。


「おい!ミロ!お嬢ちゃんを怖がらせるんじゃない!」

「そう言っても隊長、王命もありますし、子供とは言え不敬な輩ということには変わりはないでしょう?」

横にいた同じく冒険者風なミロと呼ばれた男は、不貞腐れた様子でそう返すとオルランディに拳を落とされていた。


うぐぐと唸る男は、しばしうずくまった後に立ち上がり口を開いた。


「副隊長のミロ・レオネッティ」

不貞腐れたままの男はそう名乗る。背後に幾人か残った兵士たちもこちらも冷たく見ているが、隊長のオルランディだけはニコニコしながらこちらを窺っていた。


「ニコレッタ」

名前だけは伝えてみる。


「やはり、クレメンティ男爵家のニコレッタちゃんだね。探していたんだよ」

「それは王命?私は2才で森に捨てられ親は死んだものと思ってるはず!」

私は、突然出た懐かしい家名に胸が少し締め付けるような息苦しさを覚えたが、それを見せないように語尾を強めてそう言い返す。


それにはオルランディたちも少し戸惑った様子を見せていた。

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