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【連載版】双子の姉が神子として引き取られて、私は捨てられたけど多分私が神子である。  作者: 池中織奈


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少女と、精霊樹 1

※問い合わせがあって確認したら誤字がありました。

くしらえるぐらいに×

あしらえるぐらいに○

しばらくこのまえがき掲載しています。


「これが……精霊樹」




 私は、目の前にある巨大な樹を見る。ほのかに光を発している巨大な樹。こんなに大きい樹、初めて見た。



 シレーバさんを含むエルフたちは、魔物を退治出来たことに歓声を上げた。そしてそのまま、精霊樹の元へ向かった。精霊たちに呼びかけをしているのだろうか、精霊に向かって声をかける。

 だけど、うっすらと姿が見えるその半透明な存在が首を振っているのがわかる。どうしてだろうか。シレーバさんたちが困惑した表情を浮かべている。




「……この、精霊樹はもう何も力はないわ」




 フレネが、この場で喋るだけの力をただ一人所持している精霊がそんな言葉を投げかけた。

 この精霊樹には、もう何の力もないのだと。

 こんなに神秘的なのに、もう力がない? 凄く力強くて、存在感があって、他の樹とは違うというオーラを醸し出しているこの樹が? 私はフレネの言葉を聞いて驚いた。こんなに力があるように見えるのに、どうして?



「レルンダ、よく見てみて。魔力を感じる感覚で」




 フレネがそういうから、私は言われた通りに魔力を見ようとしながらその樹を見る。……魔力、精霊樹のまとまっている魔力を見る。確かに……なんか、弱弱しい? 下に向かって行っているっていうか、あれ? 土の中? 土、いや、なんか、別の場所に繋がってる?




 その魔力の先を見る。そこには、先ほど倒した魔物? って、これって……。



「……あの魔物?」

「ええ、そうなの。あの魔物はね……エルフたちに対して、交渉を持ちかけていた。そして生贄を食していた。だけど、その裏で精霊樹の魔力を―――土の中から奪っていた」



 魔力。精霊樹の魔力を、奪ってた。




「なん、ですと!? そのようなこと契約している精霊様はいっていなかったというのに」

「それはそうだよ。最初の頃はこの魔物はそんなことをしていなかったもの。エルフたちが油断するようにしていたの。精霊たちが、喋れなくなるぐらいまで弱ってから―――本当に少しずつ、長い時間をかけて精霊樹の力を奪っていた。それもあってあの魔物は、力をつけていた。エルフたちを簡単にあしらえるぐらいに」



 フレネはいう。

 フレネは、精霊樹から飛び出してきた。精霊樹で育っていた精霊だ。だからこそ、精霊樹がどういう状況であったのか誰よりも知っていたのだろう。初めて事実を知った私やシレーバさん、ううん、他の皆だって驚いて仕方がないけど、フレネはそれが事実だというばかりに落ち着いて話している。




「それでは……それでは、精霊様がっ」

「落ち着いて。確かにこの精霊樹は力は失いかけてる。だけど、精霊樹に宿る精霊たちはまだ全滅していない」

「しかし……精霊樹の宿り木さえもないというのにどのように?」




 宿り木? 宿り木とはなんだろうか。精霊樹がどうもならない時、なんとかなったりするのだろうか。正直、そういう知識のない私には分からない。ランさんの方へと視線を向けるけど、ランさんも分からないのか首を振っていた。




「……宿り木を貴方たちが今持っていないことも知っているの。だけど、それはどうにかなるかもしれない。ううん、どうにかなる」




 フレネは、そんなことを言う。宿り木、ってなんだろう? それがあればどうにか出来る?

 頭がこんがらがってきた。それにシレーバさんがどうにもならないと思っていたことを、どうして、どうにかなると言えるのだろうか。




「どうにかなる、とは?」



 フレネはそういって、私の方を向いた。




「―――精霊樹の宿り木があればこの場を離れられた。精霊樹が新しく生まれ変わる時の宿り木があれば。そこに精霊たちはとどまることが出来る。でも貴方たちの村は丁度、その宿り木を失っていた状態だった。だからあの魔物がいても行動が出来なかった。だけど、レルンダがいる」

「え?」



 私は思わず声をあげた。




 フレネが私のことを見てる。私の名前を出している。それで皆が私に注目している。どうして、私の名前を出すの?




「レルンダは、とても、精霊と相性が良い。それに魔力の量も多い。私が精霊樹から飛び出してこうして力が回復出来たのもレルンダが魔力をくれたから。そしてレルンダが風の精霊の私と相性が良かったから。でも幾ら魔力の相性が良くてもこんなに回復はしないの。レルンダは精霊や精霊樹の魔力と相性がいいの。だから、レルンダは多分、精霊樹に干渉出来ると思う。だからなんとかなる」




 私は精霊と相性が良い魔力を持っているらしい。そんな実感はない。急にそんなことを言われて、困惑してしまう。

 フレネは、私の方を見て笑った。




「――――レルンダ、精霊樹と精霊を助けてほしい」



 その言葉に、私は頷いた。

 だって私がこの問題をどうにか出来るのなら、何だってしたい。



「ありがとう、レルンダ。精霊樹の元へ……」



 私はフレネに言われるままに、精霊樹の近くに歩み寄った。

 私が精霊樹のすぐ麓まで来ると、フレネがいった。




「魔力を込めて、思いっきり」



 私はその言葉を聞いて、精霊樹に手を伸ばした。




 ――――――少女と、精霊樹 1

 (多分、神子な少女は精霊樹と対峙する。契約精霊の言葉に、少女は頷く)





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