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【連載版】双子の姉が神子として引き取られて、私は捨てられたけど多分私が神子である。  作者: 池中織奈


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少女と、魔物退治 5

 私と、フレネの魔法。

 名前なんて把握していない、風の魔法。



 それは、その魔物が対処できないほどの威力を持っていたといえるだろう。魔物の体が、切り刻まれていく。食べられてしまった魔法の一部もあったけれど、それでも今までで一番相手にダメージを与えられただろう。



 私の体からどっと抜けていった魔力。

 シーフォから手を離してしまったら、そのまま落ちてしまう可能性もあるし、必死に私はシーフォに掴まる。



「レルンダ、あの魔物が守ってる部分、あれを壊さないと多分だめ」




 隣で浮いているフレネがいった。



 魔物が守っている部分? 私は疑問に思って、魔物を改めてみる。魔物は自分の体の一部を確かに守っているように見える。幾ら、茎の部分が切り裂かれてもそのままにしていたり、また伸ばしたりしているけれど、大きな口との接続部の部分に風がこないようにしているように見える。



 そうなると、そこが、あれなのかな。茎は幾ら切られても平然としているように思えるし、となると大きな口の部分とか、花弁の部分とか、あと接続部とか、そのあたりか。

 そのあたりをぶち壊すこと、そうしないとあの魔物は倒せないのだろう。となると、そこを狙わなきゃ。あと皆にも狙ってもらう。




「皆、茎以外の部分!」




 私は叫んだ。私が叫ぶと同時に魔物の口が私の方へと向く。そして先ほど以上に私のことを狙う。私が風の魔法を使った段階から、私を狙う手が強くなっていた。あの魔物の余裕を私が壊すことが出来たのだ。それに関しては安堵している。あの魔物は、私のことをただの餌ではなく、脅威になりうる餌として認識してくれたのだろう。

 私の言葉に皆が、魔物のその部分を狙おうと動き出す。魔物には、今までの余裕はなくなっているらしい。魔物は、先ほどの殺さないようにという加減をしていない。吹き飛ばされた獣人が、エルフが、倒れてそのまま動かない。グリフォンたちだって、とびかかって、茎によって飛ばされたりしている。でもこちらはそこまで怪我はないみたい。




 私は怖くなった。

 徐々に追い詰めることは出来ている。だけど、それでも皆が死んだら意味はない。私は皆で勝ちたい。




 私は―――、

「レルンダ、風の魔法で狙おうよ」

 というフレネの言葉に首を振って、

「……皆を、治したい」

 って口にして、魔力を込めた。




 契約をして、風の魔法を使って、魔力は大分消費してしまっていると思う。無理をしないようにと一回倒れてしまった時に言われたけど、私は無理をしたかった。無理をしてでも、皆が死なないようにしたかった。

 そんな私の言葉にフレネは仕方がないなぁとでもいう顔をして、私の手を握ってくれた。それと同時に私の体に温かいものが入ってくる。これは、魔力? フレネの魔力が、私に入ってきている?




「魔法、使うならこれを使って。このままだとレルンダ、倒れちゃう」

「ありがとう」




 私が倒れないように、フレネは魔力をくれたんだって。それに私はお礼を口にする。

 私はその渡された魔力を一心にこめて願う。今、眼下で、薙ぎ払われ、倒れて、怪我をしてしまった皆のことを治したいと。死んでほしくないのだと。そう願っているから。皆で、勝ちたいから。そんな気持ちを込めて、願う。魔力を一心にこめて、願う。




 そうすれば、どっと、魔力がまた抜けていく。フレネがくれた魔力がすっからかんになるぐらい、私は魔力を込めてしまった。

 光ってる。光っている魔力が、倒れてしまったり、血を流したりしている皆に流れ込んでいく。私は攻撃することをやめて、願っている。その願いが魔力となって、神聖魔法が形成されてる。多分、フレネも手伝ってくれていると思う。



 ドングさんが、ボロボロになりながら切りかかっている。そのドングさんの怪我がなおることも願う。怪我が治っていく。ああ、こうやって私の力、皆のためになれるんだ。私、もっと願うよ。皆が、無事なように。最初からこうすればよかったかも。いや、でもフレネと契約できなかったらこんなに魔法使えなかったか。



 そのまま私の魔法によって、皆が治っていく。そして徐々に魔物が追い詰められていく。数をなして、どんどん狙っていく。私が先ほどフレネと一緒に行使した風の魔法での傷が、魔物はまだ癒えていない。再生能力が、おいついていない。





 そして、その魔物の最期が訪れる。






 口の青い部分に傷がつけられた。その、部分と茎の接続部も切り付けられている。最後にとどめを刺したのは、ドングさんとシレーバさんだった。ドングさんの剣が口の部分を切り裂き、シレーバさんの渾身の魔法が、魔物に直撃する。それが、とどめだった。

 魔物の攻撃は皆に届いていたけど、私とフレネの魔法で皆傷はほとんど治っていた。魔物が崩れ落ちるのを見ながら、私は相変わらず空の上にいた。力が抜けて、シーフォの上で、ほとんどシーフォに倒れこむような形で乗っている。




 その崩れ落ちている魔物は、

《餌の分際で……しかし、貴様らの大事な―――精霊樹は》

 何かを言おうとしていた。



 精霊樹に関することを、何か。

 だけど、それを最後までいい終わらないうちにその魔物は息絶えた。



 そして、私は、精霊樹と向かい合う。




 ――――少女と、魔物退治 5

 (多分、神子な少女は魔法を行使する。そして、魔物は息絶える。精霊樹と呼ばれるものが、少女の目の前にある)




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