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【連載版】双子の姉が神子として引き取られて、私は捨てられたけど多分私が神子である。  作者: 池中織奈


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少女と、新しい出会い。

 その出会いには予兆があった。



「あら……、火を焚いた跡だわ」



 私たちではない、痕跡が森での生活の中で少なからずみられた。少なくとも誰かが近くで生活しているのではないかというのが感じられたのだ。



 小さな、小さな跡。だけれども、確かに生きている人が誰かいることがわかる。


 そのことを知った時、私は正直不安に思った。アトスさんが居なくなったことを思い起こして、また、大好きな人たちが居なくなってしまうのではないか。会えなくなってしまうのではないか。それを思うと怖かった。




「……少なくともフェアリートロフ王国とミッガ王国の人間ではないでしょう。互いの国がここを未開の地としていましたから。となると、ここに住んでいるらしい人がどんな人なのか、正直想像が出来ません。どうにかなる相手ならいいのですが」




 ランさんはそんなことを言っていた。フェアリートロフ王国とミッガ王国、私のかかわった人間の国。その国の者がこの森には居ないとランさんはいうけれど、本当にそうだろうか。誰が、ここにいるのだろうか。



「……そうなんだ」



 この湖にたどり着いて、逃げる生活に一息がついて少しずつ喋るのも前より得意になったのではないかと思っている。いっぱい、皆と話すことは私の日課になっている。少しずつだけど、現状は良くなってきていると思う。色んなことが。



 湖の側での生活はそれなりに安定している。不安は大きいけど、皆少しずつ笑みが増えてきていると思う。もっと、全てが上手くいけばいいのに、全てが守れればいいのにと思うけど、そんな風に願望が溢れる。けど、そんな風に全てがすぐに上手くいくことなんてない。それはちゃんとわかっている。わかっているから、焦っては駄目だ。焦りたくなるけど、焦ったら駄目だと思う。少しずつでもよくなっていることを喜ばなければいけない。そう、思う。




 誰か、近くで生活している人がいる。そのことを不安に感じながらも、私は穏やかな時間を過ごしていた。その、誰かが接触をしてきた。







 その時、私はレマとルマの二匹の子グリフォンの兄妹と一緒に居た。まだこの周辺地域をきちんと把握していないこともあって、皆から離れないようにと言い聞かせられていたから、湖のほとりで二匹と一緒に水面を見つめていた。



 湖、私はここにきて初めてそれを見た。大きな水。覗き込んだら、私の顔が映る。魚も少しだけ見えて、水面に木の枝が落ちたりして、何だか見ていて不思議な気分になる。

 大人の人たちが、狩りで捕ってきた獲物を解体しているのが視界に入る。成体のグリフォンたちは、ほとんどが大人たちと一緒に周辺に出ていたりする。何匹かはこの場にいるけれど。



 無理はしないでね、とは伝えてある。でも、グリフォンたちの歯が立たない存在がここにいないとは限らない。正直、そのあたりの不安もある。だから本当に無理そうなら逃げてねって何度も言った。グリフォンたちが居なくなったら私は悲しいから。



「レマ、ルマ、風、気持ち良いね」

「ぐるぐるる(気持ち良いね)」

「ぐるっ(うん)」



 元気よく二匹が返事をしてくれる。グリフォンたちやシーフォに、私から話しかける回数を増やすように心掛けている。今までは無言でも心地よいから、話もせずのんびりしていることも多かったから。

 のんびりとした穏やかな時間。

 私は、それがずっと続くことを疑っていなかった。何事もなく平穏な一日がその日も過ぎていくのだろうと思ってた。

 だけど、そうはならなかった。




「ぐるぐるるるるる!!(誰かいる!!)」

「ぐるるるるる(レルンダ、後ろ)」



 レマとルマが声を上げた。何のことか分からなかった。視界の隅に、少し離れた場所にいた大人たちが驚いたように私の後ろ側を見ているのが分かった。

 私は、恐る恐る振り向いた。



「……人間の子供か」

「あちらには、獣人たちか」




 そこにいたのは、見たことのないような人たちだった。人間ではない。でも……見慣れている獣人たちでもない。獣の耳や尻尾を彼らは持たない。私の目が釘付けになったのは、その耳だ。人間よりも、長く、とがった耳。おばば様との授業でも、習ったことがある。多分、彼らはエルフと呼ばれる種族だ。私はそれを、見て、理解した。



 初めて見たエルフにびっくりした。

 それと同時に、彼らの私を見る目の冷たさに、ううん、私を見る目だけでなく獣人の皆を見る目だって冷たくて、驚いた。

 どうしてそんな目を向けているのだろうか。

 不思議で仕方がなかった。それと同時に恐ろしさも感じていた。




「――――我らはこの地に古くより住まっている。貴様らは、後から来たものである。故に、我らは、貴様らに話を伺いに来た。何故、獣人が……それも人間などを連れてここにおるのか。答えてもらおうか」



 幾人ものエルフの中から、リーダーのような人が出てきて私たちに向かって冷たい声でそういった。





ーーーー少女と、新しい出会い

(多分、神子な少女はエルフとの邂逅を果たす)

 

風邪気味で最後の文入れ忘れてたので追加しました。

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