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【連載版】双子の姉が神子として引き取られて、私は捨てられたけど多分私が神子である。  作者: 池中織奈


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少女と、ルーニッド王国の関わり ④




「王様が変わったんだ」



 国王が変わったところで、国によってはそこまで変化はないのかもしれない。これまで通りに日常が刻まれていく場合もあると思う。

 でもなんだろう、ランさんは……もっと沢山のことを考えているのだと思う。私が想像出来ないぐらい、ずっと先の……これから起こるかもしれないことに関して。




「ルーニッド王国の王がどういう考えを持っているかは今、調べてもらっています。ただ、私達は少なからずあの国と関わり持ち続けました。一部では森の中で私達が暮らしていることを知っているでしょう」

「うん。それはそうだね。私達はあの国と関わってきたから」



 私は実際にルーニッド王国には行ったことはないけれども、あの国に訪れたことのある人は多い。外との交友を持っていくことも、私達の国にとっては重要なことだったから少しずつそうやって接触をしていたんだもん。

 まだ私達が国を興したことは、ルーニッド王国側には伝えてはいないけれどもいつかそれを伝えて交友を持っていければいいなとそんな風に私は思っていたんだ。


 ただ向こうの王様が変わったことでどんなふうになるか分からないけれど。





「もしかしたら私達の国を侵略しに来るかもしれません」

「……私達に攻撃してくるの?」

「はい。新しく王になった方は、好戦的な性格の方のようです。だから私達がこの森の中で生きていることを知れば狙ってくるかもしれないのです」


 ――この森は人が住めない土地と言われている。

 そんな場所で私達が当たり前のように生活をしていることを知れば、狙う人たちがいるかもしれないというのは前々から聞いていた。シュオンガルベさん達もそのあたりのことを言っていたもん。


 その、もしかしたら来るかもしれないと言われていた時のことが訪れるのかもしれない。





「狙ってくる場合って、平和的に解決するのって難しいかな」

「どうでしょうね。……ただ私達は最悪の場合のことを考えておかないといけないのですよ。話し合いで解決するのは一番良い結果です。それよりも戦争を仕掛けられた場合のことを考えなければなりません」

「戦争……」



 争いになるかもしれないとは聞いていたれど、本当に本格的な戦争と呼ばれるものが起きたら……どれだけの人が亡くなるだろうか。私は誰も失いたくないと思っている。

 そう、大切な人達を失わないためにこうしてこの国を作ったのだから。



 ――それなのに建国してすぐにそんなことが起こるなんて嫌だ。

 だから私は出来れば戦争なんて起こってほしくない。だってその単語は人の命が死にそうに思える。







「ねぇ、絶対にそうなるかな?」

「こちらの戦力を見て、諦めてくれるような相手ならばいいですけれど……」

「私達が手を出したら駄目だって見せつければいいってこと?」

「そうですね。ただそれは諸刃の剣でもあります。強さを見せつけることで、よりその力を手に入れたいと望む者はいるかもしれません。向こうが諦めるほどの何かを見せつけるか、徹底的に勝つかだと思いますが」




 ランさんに言われた言葉に、私は色々と考えてしまう。


 徹底的に勝つって、相手のことを傷つけなければならないってことだよね。私はそういうのもなるべくしたくないなとそんな気持ちでいっぱいだ。だけれども……結局のところそういう風に相手を傷つけなければならないのは嫌だな。


 でも私は守るために力は振るわなければならないというのは当然あるのだとは思う。神子である私の存在だけで、抑止力になれればいいのに。

 そうではきっとないんだろうなって、ランさんの表情を見ていたら分かる。





「……レルンダは覚悟がないのならば、戦争にはちゃんと参加する必要はないですよ。人を殺すようなことになるかもしれません。どれだけ殺さないようにしようとしても……命を奪わなければならないこともあるかもしれませんから」

「でも、私が居た方が多分、皆戦いやすいよね? それに私が居ればそういう戦いになった時に向こうが引いてくれるかもしれないよね?」


 私はランさんの言葉を聞きながら、そんな風に問いかける。

 


 だって私という存在が居た方が、この国にとっても良いはずだ。私が敵対する人たちを追い返せるならそれはそれでとても素晴らしいことのはず。

 それなのにランさんは私が躊躇するなら、参加しなくていいとそう言って笑ってくれる。





「そうですね。レルンダがその力を戦いの中で使ってくれるのならば国としては有難いです。それでも私は……あなたが怖いというのならば手を出す必要はないと思うんですよ」

「ありがとう、ランさん。私ね、誰かの命を奪ってしまうかもしれないっていうのは凄く怖いと思うよ。だけど……私が何もしなくて、ただ怯えて安全な所にいるのは違うと思うの。私はこの国の王様になって、それでいて神子だもん。怖いのはそうだけど、でもね、私は守るためなら……何だってすると思う」



 私はランさんにそう言って答えた。






 ―― 少女と、ルーニッド王国の関わり ④

 (神子の少女は、女史に決意を示す)



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