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【連載版】双子の姉が神子として引き取られて、私は捨てられたけど多分私が神子である。  作者: 池中織奈


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少女と、ルーニッド王国の関わり ②




「人が沢山いると、それだけ目が届きにくくなりそうだよね」

「ええ。そうね。大きな国だと、そういうのが問題になったりもするものだわ。特に栄えた国ほどそういう問題を抱えていたりするはずよ」

「そっかぁ……」

「それでいて人が増えたら……幾ら目を配ろうとしても全てを把握することなんて出来なくなる。だからレルンダも王様として生きていく中で助けられないものが出ては来ると思うの。でもそれで気を病む必要はないからね?」



 ウェアはそう言って、じっと私を見つめている。

 あんまりそういうことを背負いすぎると大変なんだって。



「王様って立場だと、そういうのもちゃんと対応しなければって思うけれどそんなに軽くていいの?」

「もちろん。そもそもそういう周りを統一しなければいけない立場だったとしても背負いすぎたら大変なことになるわ。ステイシーも悩みすぎて、困ったりよくしていたの。私はそれを見て、あんまり気にする必要はないのになとずっと思っていたわ」

「そうなんだ……」

「ええ。ステイシーは大きな国の神子だったから。レルンダが同じように悩むのは私は嫌だと思っているの」



 私は過去に居たというステイシーのことを考える。

 私が知っているステイシーの情報は、限られたものだけ。それもウェアから聞いたことしか分からない。


 この場所にあった国は、とても大きく栄えていたはず。

 だからこそそれだけの悩みがきっとあったんだろうなと考えてみる。私は他の神子については知らない。どのように生きて、どのような悩みを抱えて――そしてどのように亡くなったか。私は全て知っているわけじゃない。


 だけどそうかぁ、ウェアに話を聞くと……当たり前のことだけど他の神子も私と同じように悩んで、自分の意思で様々な選択をし続けたんだろうなとは思った。



 そう考えると一気になんだか身近に感じられる。




「悩んだ時、ステイシーはどうしていたの?」

「周りに相談していたわ。私は精霊だから人の国のことは正直そこまで関心はないの。ただ契約している人や親しくしている人達がそこまで悩むことではないなとは思っていたけれどね。だからいつも軽く返事をしてしまっていた。ステイシーはそんな意見でも相談して楽になったと言ってくれていたけれど」

「ウェアはステイシーと本当に仲良しだったんだね」

「ええ。とても仲良しだったわ。だからステイシーが亡くなった時はとても悲しかった。レルンダも人間だからいずれ私よりも先に亡くなるでしょうけれど……、この国があり続けて、他の精霊や私達を見ることが出来るエルフ達が居るなら寂しくないかもしれないわ」



 ウェアがそう言って笑った。


 その言葉に私は色々と考えてしまう。

 私達の暮らすこの国は、様々な種族が生きている。そして私が契約している魔物達や精霊たちだってそう。

 私は神子だから、それなりに長生きはするけれど――それでもウェアのことを置いていくんだなって、それを実感する。



 ウェアは元々一人で消えようとしていた。そこを私が話しかけて、一緒に生きていくことになった。

 ――私が亡くなったとしても、ウェアはまだまだ生きて行こうとしているんだなと思うとそれは嬉しいなと思う。

 だってもし私が寿命を全うした後に、生きていく意味がないなんて思ってまた消えようとするなんて悲しいもん。だからこの国に沢山の種族が居ることは良いことだなって思う。



 もちろん、寿命の差での別れは悲しい事ではあるけれど……。



「そっかぁ。ウェアが寂しくないなら私は嬉しいよ。私が……他の種族だったらウェアと居られる時間も多かったんだろうけれど……」

「仕方がない事よ。産まれた種族は変わらないものだわ。それにレルンダが寿命を終えるとしたらまだずっと先だもの。私はそれまでにあなたとの沢山の思い出を作れればそれでいいわ。それにこの国はこれからもっとレルンダ達の手で栄えていくでしょう。私の契約者が作ったものを、死後も見守れるならそれでいいわ」



 ウェアがそう口にするのは、ステイシーと共に生きた国は滅び、誰も住めない場所になっていたのだ。

 ステイシーの残したものをウェアが守るというのも出来ない状況だったのだと思う。この国が栄えて……同じようにならないとは断言はできない。でもそういう危険なことは完全に禁止しておかないとね。


 まだ取り返しのつく失敗なら、どうにでもやり直せるからいいけれども。

 ただステイシーのいた国のように実験により国を滅ぼしたり、このあたり一帯が人が住めない土地になるという事態はどうにかしないと。


 折角魔力の渦への対処も勧めている状況で、振出しに戻るなんてのは嫌だもんね。

 それに私が亡くなった後も私が大切にしている場所は良い影響は与えられるとはいえ、何かそういうことが起こったら困る。




 なんにせよ、ウェアが楽しく生きられるような場所にしたいな。



 ――少女と、ルーニッド王国の関わり ②

 (神子の少女は、水の精霊のことを思いそんなことを考える)



 

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