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【連載版】双子の姉が神子として引き取られて、私は捨てられたけど多分私が神子である。  作者: 池中織奈


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姉は、その手紙を読んで妹のことを思う




「……レルンダはやっぱり凄い」



 私、アリスの元へ双子の妹であるレルンダから手紙が届いた。

 ――それはヒックド様やニーナエフ様にも伝えられていることだとは聞いているけれど、私の妹は仲間たちと一緒に国を興したらしい。

 

 人が集まって、国を名乗って……。

 なんだか私には想像が出来ない世界を、レルンダは生きている。



 それに加えてレルンダは、あの村を訪れた時に紹介してもらった獣人の少年と一緒に王様になったらしい。

 レルンダが自分の意思で望んで、そういう立場になったんだろうなというのは手紙からも分かった。

 私と同じ年なのに、レルンダが成し遂げようとしていることが大きすぎて驚く。



 この前の精霊祭で、レルンダとゆっくり話せて私は嬉しかった。レルンダはやっぱり凄い子だった。沢山の仲間に囲まれて、魔法も使えて……それでいて新しいことにどんどん挑戦しようとしていく。

 レルンダは両親に捨てられて、私が……神子だともてはやされていた時からずっと大変だったはず。そういう大変な日々を乗り越えて……レルンダの今があるんだろうなと思う。



 私の妹は凄い。

 私はそう思って、誰かに自慢したい気持ちになる。



 ただレルンダのことはあまり周りに言いふらしたり出来るものではない。レルンダ達が国を興したといっても、その国の存在はまだ外には広まっていないものだって聞いているから。

 それに私が神子であるレルンダの姉だと周りに知られることになれば、それだけレルンダにも迷惑をかけてしまうことではある。



 ……そのあたりは、レルンダと相談しながら決めなければならないのかも。

 それにしても王様かぁ。妹が王様だなんて、凄く不思議で、だけど誇らしい気分。





 これから先、レルンダは沢山の苦労をするんじゃないかなとそのことを思うと心配の方が強い。ニーナエフ様だって、ヒックド様だって……その立場にいるからこそ危険な目にも合うことがあるとご本人が言っていた。

 それだけ権力を持つと、大変な目に遭いやすいのだと。



 レルンダは神子であることだけじゃなくて、王様という立場も手にしてしまった。

 華やかなだけの未来に見えるけれど……きっとそれだけじゃないはず。私はレルンダから、どういう経験をしてきたか、聞いた。でもきっとそれも全部じゃなくて、レルンダは私の想像以上に大変なことを経験してきていたはず。それなのにレルンダは、王様という立場になることを決断した。


 ――そこが凄いなと、私はそんな風に改めて思う。




 私はたった一人の妹のために何が出来るのだろうか。ただそんなことを考える。これから王様として生きていくレルンダが困った時に、手を差し伸べられるように。神子であり、王様になったレルンダにそんなことを思っているあたり、烏滸がましいと周りには言われるかもしれない。

 だけど、たった一人の妹だから。

 

 ……私はレルンダを差し置いて神子として引き取られて、そして大変なことになって、私はその時初めてレルンダが私の双子の妹だと知った。

 レルンダは私のことを許してくれた。姉妹として関わることも出来ている。

 だからこそ、私はたった一人の双子の妹の力にいつかなれる私でありたい。



 そのことをニーナエフ様に告げれば、「難しい道よ?」と言われる。

 そう、ニーナエフ様が言っているようにこれが難しいことだというのは私も分かっている。




「はい。でも私はいつかレルンダが困った時に助けられるような私でありたいです。ニーナエフ様の力にもなりたいし、レルンダのことも助けたいなんて、我儘ですかね……」



 どちらかしか選べないとしたら、私はどうしたらいいだろうか。

 ニーナエフ様は、私を助けてくれた人。今の私が居るのはニーナエフ様のおかげ。

 レルンダは、私のただ一人の双子の妹。私はレルンダとこうして普通の姉妹のように関われるのが嬉しい。

 だけど、どちらのことも私は助けられる私で居たい。




「難しいとは思うけれど、目指すことに関しては問題がないと思っているわ。寧ろあなたが妹と仲良くしていることは素晴らしいことだもの。それは私個人としても、この国としてもね。だからあなたがその夢を叶えられるように少なくとも私は背中を押すわ。……ただ流石に、ミッガ王国に不利益が起こるような事態になったら反対することにはなるけれど」

「そんなことしません!!」

「ええ。もちろん。アリスが自分の意思でそんなことをしないのは分かっているわ。だけどあなたがその目標のために行動した結果、そういうことにつながる可能性もあるの。だから何かあったらすぐに相談するのよ?」


 そう告げるニーナエフ様は、何だかんだ私に甘いと思う。

 本当にそういう可能性があるなら止めてもいいのに、難しいというなら無理だと断言してもいいのに、そんなことはしない。

 

 私はそんなニーナエフ様が大好きだと改めて思う。




「ありがとうございます。私、頑張ります!」



 私がそう口にすると、ニーナエフ様は笑ってくれた。



 ――姉は、その手紙を読んで妹のことを思う

 (姉は、妹からの手紙を読み、やりたいことを告げる)






 

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