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悲しみは蝶のよう
夜道を漂白する
月明かりは今日も寂しげだ
靴底にふみつけた日々は
こびりついて離れない
レシートの数字に
ため息はしろい
うずくまる家の夕餉は
みなそれぞれの神話
排水口からはもう塩素の
清潔な匂いしかしない
貯めた水のなかで
わたしの瞳がゆれている
悲しみは蝶のよう
悲しみは蝶のようだから
顔を洗って目覚めると
ただ濡れた顔がゆれている
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