表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/36

さっそくなんだけど

「リタ嬢」


「はい、ディオン様」


「ちょっと、渡したいものがあるんだ。」


「渡したいものですか? なんでしょう?」


きょとんとしたリタ嬢は、可愛いらしい。


果たして、リタ嬢は、この染め物のハンカチを気にいるだろうか?


想い人である異性に渡すには、シンプルすぎるものではあるが、やはり、普段使い出来る物の方が良いのではないかと思った。


何より、今、リタ嬢は、実家から離れて王都に来てくれている。


もし気に入ったら、ハンカチなら、軽いから、カバンに入れて実家に持ち帰りやすいだろう。


「まずは、温室に行こうか。」


「まあ!こちらは、温室があるのですか?」


「ああ、この屋敷の温室は、花壇が綺麗だから、リタ嬢も気にいると思う。」


「ぜひ、行きましょう!」







色鮮やかな花壇が並ぶ。


今の季節、一番目立つ花は、ラナンキュラスとチューリップだろう。


特に、真っ黄色や真っ赤なラナンキュラスは、華やかで、美しい。


ラナンキュラスや、チューリップを取り囲んで咲いているビオラも、可愛いらしい。


「まあ!なんて綺麗なんでしょう!

とても素敵な場所ですね!」


「温室の花達を手入れしているのは、ジーン夫人だから、詳しくはジーン夫人に聞くと良い。」


「ええ、ジーン夫人に聞いてみますね。」







「さっそくなんだけど

これを、リタ嬢に渡したくて」


「まあ! これって、アイディー工房の?」


「アイディー工房長、メリィーゼ夫人の手作りの染め物なんだ。リタ嬢に似合うと思って。」


メリィーゼ夫人は、伯爵家の三女。


トルデ商会長のヤンさんに嫁入り、アイディー工房を設立し、工房長として、染め物で、小物やら、雑貨やらを製作している。


それなりに有名なブランドものなのだ。


「ディオン様、とても素敵なハンカチを、有難う存じます! 大切に使いますね!」


「こちらこそ、もらってくれて、ありがとう。

リタ嬢に、とても良く似合う。」


「ふふふ。ありがとう存じます。」





「もう一つだけ

リタ嬢に話したいことがあるんだ」


「はい、なんでしょうか、ディオン様?」


「私は、リタ嬢を恋愛的な意味で好いている。

もし良ければ、婚約者になって欲しい。」


「わ、わたくしでも宜しいのでしょうか?」


「貴女じゃなきゃ、だめなんだ。」


「ディオン様………」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ