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辺境の地に婿入りしても良いですか?  作者: ゆりあ
オライノース公爵家へ
32/36

可愛いらしいですこと

「あらあらあら、いらっしゃい

なんて可愛いらしいお友達ですこと」


「ようこそ、いらっしゃいませ。父上から聞いています、叔父とディオン様のご友人だと。」


「ええと……皆様、こちらが、兄上の妻、ジーン夫人と、ご子息のエディです。」


翌朝、宿泊部屋近くの客間に、アンヘリノから話は聞いていたらしい、ジーン夫人とエディが嬉しそうに、やって来ました。


ジーン夫人は、小柄で童顔なため、35歳には見えないくらい若々しく可憐な方。


その夫人に似て成長中のエディもまた12歳に見えないくらい、可愛いらしい子だ。





「ユージ殿」


「はい、なんでしょうか、エディ様?」


可愛いらしい少年エディは、ちょっと年上の、歳の近いユージに興味津々だ。


エクトールに懐いている少年は、エクトールの義弟であるユージと話がしたかったのだろう。


「もし良ければ………

辺境伯領について聞いても良いですか?」


「ぼ、僕に、ですか?」


「はい! エクトール様からも聞いていますが、ユージ殿の視点からもお聞きしたくて!」


「僕で宜しければ、もちろん構いませんよ。」


「ぜひ、宜しくお願いします!」


そもそも、公爵で王弟殿下の孫息子である彼に話しかける貴族は少なく遠巻きにされがちだ。


公爵子息のディオンや、公爵子息で叔父になるレオンの友人ならば、話しても大丈夫と見て、友達になる気満々のようで、微笑ましいな。





「リタ嬢」


「は、はい!」


「私とお茶いたしましょう?」


「わ、わたくしは、お作法に疎いのですが…」


リタは、お茶会にあまり出席したことが無い。


婚約破棄する前なら、次期伯爵夫人として学ぶ機会があったが、最近は無いからだ。


目の前にいらっしゃるのは、次期公爵夫人様。


大丈夫だろうか………?


「あら、大丈夫よ?

お作法なら、私が教えるわ!」


「えっ!?宜しいのでしょうか………?」


「ええ。もちろん良いのよ、リタ嬢。」


ジーン夫人は、ジーン夫人で、可愛いらしく、素直なリタに好感を覚えた。


夫のアンヘリノ経由で、レオン達からの情報を聞いている。リタは、ご両親から、サラサ夫人と比べられて育ったのだと。


だからこそ、作法にも、自信が無いのだろう。


しかし、リタ嬢の仕草は、とても美しいもの。

もっと自信を持って良いと思えるのに。


「わ、わたくしで、宜しいのでしたら……

宜しくお願い致します、ジーン夫人!」


「うふふ。純粋ね。

可愛いらしいですこと。」

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