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辺境の地に婿入りしても良いですか?  作者: ゆりあ
リーンダート伯爵家へ
24/36

恐れ多いのですが

「ディオン様に

お聞きしたいことが………」


「答えれることであれば答えるよ」


「どうして、エルナール辺境伯領に…?」


「サラサ夫人の夫、エクトールと親友なんだ。

旅行がてら、エクトールに会いに来たんだが、肝心のエクトールは、忙しくてな。代わりに、ユージくんが街を案内してくれたんだ。」


「ああ、なるほど。

そのご縁で、我が家に。」


「その縁だな。こちらとしては、

三姉弟に出会えて嬉しく思うよ。」


「ありがとう存じます。」


本当は、リタ嬢が気になるからなのだが……


それは言わない方が良さそうだ。


リタ嬢は、両親の前だと、非常におとなしく、静かにしていることが多いようで、今も静かに会話を聞いているだけだから。


「ディオン様!

ぜひ、こちらをご覧下さい。」


「うん? ユージくん、これは?」


色鮮やかなデザインのものや、シンプルな物、沢山のネックレスに、ブレスレット。


明らかに、女性向けに作られたものなのだが、上品で、華やかなアクセサリーたちだ。


「何!? ユージ!?

それは、リタが作ったものじゃないか! 

なぜ、このタイミングで!」


「ユージさんったら!

いきなりは、ディオン様に失礼ですよ!」


リーンダート伯爵夫妻は、そのアクセサリーを見るやいなや、ユージくんを責め始めた。


リタ嬢は、慌てて、真っ青になって、おろおろおろおろしている。


「父上、母上

別に、構わないでしょう?

リタ姉上のアクセサリーを見せるくらい。」


「ユージくん、リタ嬢、このアクセサリー達は、いったい? とても綺麗じゃないか。」


「ディオン様、実は、これ、リタ姉上の手作りのネックレスやブレスレットなどのアクセサリーなんですよ!とても綺麗でしょう?」


「これは、リタ嬢が作られたものなのか!

とても美しいものだな、リタ嬢。」


「い、いえ、恐れ多いのですが…

もし宜しければ、ご覧下さいませ!」


「ああ、じっくり見るよ。ありがとう。」


ユージくんいわく、リーンダート伯爵夫妻は、厄介なことに、リタ嬢が婚約破棄されたことを責めているのだそうだ。


リタ嬢のことが心配だからなのだが、それが、空回りしているのだとか。


まあ、よくありがちな親子関係だが、ずっと、実家に暮らすリタ嬢は、辛いだろう。


「これらは、私の母上が好みそうだな。

もし良ければ、ぜひ、買っても良いかな?」


「か、買って頂けるのですか!?」


「もしくは、これらが、貴女が大切なものなら、特注で頼んでも良いだろうか?」


「は、はい……!

それで、宜しいのでしたら…!」


「ああ、ありがとう。

後日、値段は相談しよう。」


「あ、ありがとう存じます…!」

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