落ち着くなぁ
「ふぅ 落ち着く〜」
「ああ うん そうだなぁ
これは 本当に 落ち着くなぁ」
村の探索後、夕食を頂いたディオン達一行は、ついに、旅館の温泉地に来ていた。
この辺りで有名な所らしい旅館『オーグリア』の男性の湯は、室内に檜風呂、露天風呂付きだ。
「ディオンは、
リタ嬢が気になるとして…
ユージは、気になる異性っているのか?」
「………えっ!? 僕の?」
突然、恋バナが始まってしまった。
先程は、商家の孫娘、アンナさんから、直球な婚活を願われたからだろう。
「そういえば、ユージって、あまりそういう所を見せないからさ、気になって…」
「ぼ、僕は、ペギー嬢かな?」
「ペギー嬢!?」
「………ペギー嬢とは?」
「ああ、そうか、ディオンは、まだ会ったことが無いんだったか。リタ嬢の親友、カイマリーノ伯爵家の、弟がいる長女なんだ。」
「ええと………
僕より2つ年上なんですけど気になってて…
僕からしたら、尊敬している女性なんです。」
「そうなのか
ユージくん、応援してるよ。」
「あ、ありがとうございます!」
ふたりの話によると
カイマリーノ伯爵は、エルナール辺境伯閣下の親族で、国境警備隊の副隊長らしい。
その長女、ペギー嬢は、ふわふわとした金髪に碧眼の伯爵令嬢で、可愛いらしい人形のような容姿をしているのだが、まるで、軍人みたいな雰囲気が漂う女傑らしい。
それは、どんな伯爵令嬢なんだろうか?
ただ、恋愛でも、政略結婚のような意味でも、次期伯爵のユージくんには、相応しい相手だと思うのだが………
ユージくん本人からしたら、グイグイ積極的に行く気質ではなさそうなので、エクトールから話を進めた方が良いのではないか………?
エクトールは、ユージくんの、これを聞いて、何やら考え込んでいるようだ。
「レオンは?」
「………私のも聞くのですか?」
まさかの、恋バナが、レオンにも飛んだ。
ああ、うん、レオンの考えていることが、手に取るように分かる。
彼は、真面目すぎるが故に、ディオンの立場を常に考えてくれているから。
「私は、ディオン様に仕える身ですから。
ディオン様が信用できるような、ディオン様に仕える女性が好ましいと思っています。」
「ディオンか……… それなら………
もしも、ディオンが、リタ嬢を選んで、婿入りするとしたら、良い女性を紹介するよ。」
「そうですね………
もしも、その未来がありましたら、その時は、宜しくお願いいたします。」




