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辺境の地に婿入りしても良いですか?  作者: ゆりあ
王都ソアラールにて
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あら?どうして?

噂のガストン視点

その頃、王都ソアラールにて。


ひとりの青年は、大変困っていた。


上司から、注意するように言われてはいるが、まさか、こんなに厄介な少女だとは…


その青年の名は、ガストン。24歳。

名家のひとつ、ガリアルーズ侯爵家の嫡男だ。


王族というわけではない。祖父と父上が外交官として活躍し、伯爵位から侯爵位に上がった。


祖父も父上も、あまり目立ちたがらないので、実家は、質素なものだ。




「ねえ、ガストン様!」


「………キャンベル伯爵令嬢ですね。

ご用件は、いったい何でしょうか?」


「まあ! ガストン様!

ステイシーで良いですわよ?」


最近、あまり話したことがないはずの少女が、王城に行く道中に現れるのだ。


彼女こそ、あの噂のステイシー嬢である。


「ねえ、ガストン様!

一緒にお買い物に行きませんこと?

わたくし、欲しいものがあるのです!」


「それは、難しいですね。」


「あら?どうして?」


どうして………って………


私には、れっきとした恋人がいる。


あのお方は、高貴なお方のため、まだ、公表は出来ないのだが………


ちゃんと、国王陛下と王妃様から交際の許可は得ているのだ。


例え、恋人や婚約者がいなくても、さすがに、エルモ様の弟君であるディオン様に対して婚約破棄した令嬢を信用できるはずがない。


キャンベル伯爵に忠告した方が良いだろうか。


「私は、これから、アンドレア姫様に会う予定がありますので………」


「あら? これから、お仕事かしら?」


「ええ。仕事です。」


「そうなの? 

仕方がないわね!

今日は、諦めるわ!」


彼女は、幸いにして、強引ではない。


アンドレア姫様や、エルモ様の名前を出すと、仕事だと思って、去って行く。


しかし、地味に、何を考えてるか分からない。






「ガストン、いらっしゃい。」


「アンドレア姫様、失礼いたします!」


「あら?どうしたの? 

 そんな顔をして」


スーウィル王国、第三王女、アンドレア姫。

見目麗しい金髪碧眼の姫君の一人。23歳。


まだ、公表していないが、ガストンの恋人だ。


婚約発表したら、正式に婚約者に、来年辺りに婚姻式を挙げる予定の。


「先程、キャンベル伯爵令嬢がいました。

いったい、何を考えているのやら。」


「あらあら、あのお方が、また来ていたの?

大丈夫?婚約発表を早めようかしら?」


「強引には来ないみたいですが………

婚約発表を早めた方が良いでしょうか?」


「ええ。もちろん。

今月に早めましょう?」


「アンドレア姫様、有難う存じます。」


「ふふふ。こちらこそ。」

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