表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不倫盟約  作者: 鍵香美氏
第3章 新生活編
22/57

第22話 仕事と任務

   ◇仕事(にんむ)

 土田の家に居候を始めてから、1週間が経過した。

 俺は特にやることも無く、家事もほぼ土田がやってくれてしまっているので、なかなかに堕落した日々を送っている。

 しょうがないじゃないか。

 前に働いていた会社は知らない内に辞職したことになっていたし、新しい職場を探すにも、土田がハローワークに行くのを阻止してくるし。

 まじで土田は何がしたいんだ。

 俺をヒモにしたいのか!

 そんな事を思っていたら、土田が話しかけてきた。


「どうしたんだい?そろそろ私のヒモになった実感が湧いてきたのかな?」


 …まじでヒモにする気だった。


「湧くわけ無いだろ!そろそろ本気で就活しようと思ってるわ!」


 激しく反論すると、土田は面白がってクスクス笑ってきた。

 まじで嫌な奴だなコイツ。


「まあまあ落ち着いてよ。せっかく君の新しい職場が見つかったんだからさ」


 …は?


「今何と?」


 気づいたら聞き返していた。

 今まで仕事をさせる気が無かった土田が、"新しい職場を見つけてきた"?どういうつもりだ?


「新しい職場、見つかったんだって。何?嬉しくないの?嬉しくないなら断っておくけど」


「やります!」


 反射的にそう勢いよく叫んだ。

 流石にヒモ状態からは脱却したいし、なおかつ土田にからかわれるのはめちゃくちゃ疲れる。

 四六時中一緒より、仕事をしている時間土田に会わないほうが精神的に楽だからな。

 すると、土田は満足そうに頷きながら、


「そうかそうか。それなら良かったよ」


と言った。

 満足そうな顔が怖いと感じたのは黙っておこう。


「ちなみに何の仕事なんだ?」


 俺がこれから働く仕事だしな。

 できる限り向いているものがいいんだが…。


 そんな事を考えていた時期が僕にもありました。


 土田が問いに答えた瞬間、南極にでもいると思うほど寒気がした。


「それはね…、君にはスパイとして海城組に潜入してもらおうと思うんだ」


「は?」


 気づいたら情けない声が出ていた。







 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ