護衛旅 野営2 1
今夜の晩ごはんに出せそうなものをインベントリのリストから探していると、
「ねえ、アリス! 今夜の食事はお米の料理にしてくれない?」
依頼主からリクエストが入った。
リクエストがあるとメニューの絞り込みが楽になるので喜んでOKする。どんなお米の料理が良いのかと詳しく聞いてみると、「アリスのお勧めなら何でも!」とのことなので少し困ってしまったけど、今度はアルフォンソさんが、
「では、野外なのでワイルドなものを」
リクエストをしてくれた。
お米で野外にふさわしいワイルドなもの……。せっかくのリクエストなので応えたいんだけど、私の乏しいイメージの中からはなかなかメニューが浮かばない。
ふっ、と浮かんだのは文字通りの<ワイルドライス>だけど、アレはお料理の種類ではないし、そもそもが白米でもないので手持ちにない。お米よりも低カロリーなのに栄養価は高いらしいので、こっちで見つけたら買ってみようとは思ってるんだけど。
さて、困った。ワイルドな米料理……。
手掴みで食べる<おむすび>も見方によっては十分に❝ワイルド❞な料理だと思うけど……。何かピンと来ない。
ん~~、と唸っていると、
(米を使った一皿の料理で良いんじゃにゃいかにゃ? スプーンや箸で掻き込んだらワイルドにゃ!)
ハクがアドバイスをくれた!
なんて言うか……、ワイルド=普段よりちょっと手抜きって思えばいいのかも!
と、いうことで作ってみました。米料理!
「(ハフハフハフハフ……)おいしーっ! とろとろ卵がもうたまらな~い♪」
「(カッカッカッカッ……)こちらもパラパラなごはんと色々な味と混ざって、スプーンが止とまらない!」
「「もう半分食べた? じゃあ、交換!」」
もう、考えるのが面倒だったので、我が家での手抜き料理(と言ってはこの料理を考えた人に失礼だけど)、<親子丼>と<炒飯>にしてみた。
親子丼はハーピー肉を使っているから実は<他人丼>かもだけど気にしない。卵を多めに使ってふわふわとろとろに仕上げてみた。ごはんと絡めたら飲めるくらいのとろとろ具合だ。どんぶりがなかったから深皿で代用だけどね。
炒飯は、とりあえず色々な具材をたくさん(お米とほぼ同量)入れて炒めただけ。❝ワイルド❞の表現は、フライパンを振った時に浮き上がったごはんに当たる位置に【ファイヤーアロー】を浮かせておいたことかな? 私の持っている竃では火力と作りの問題でどう頑張ってもパラパラごはんにならないから、火力補助の為の苦肉の策でもあるんだけどね。
この二品の共通点は❝一皿料理❞であること。手抜きだからね、スープも出さずにピッチャーに水を入れてそのままテーブルに置いている。
夫妻の言っていた❝ワイルド❞とは違うかもしれないけど、これが私の精一杯だと開き直って出してみたら、意外と大当たり!
2人の要望と好みにぴったりとハマったらしくて一安心だ。
どっちがいい?と聞いたらオデッタとアルフォンソさんがそれぞれ別の物を選んだので、やっぱり好みがわかれるんだな~、なんて思っていたら、ただ単に両方を食べる為だったとわかり、ハクとライムが爆笑しながら(おりこうにゃ)って褒めていた。
もちろんハクとライムも両方食べているよ? ニールとスレイには、両方+カットした野菜を山盛りにね!
私? 私は味見で小腹が満ちていたので<出汁茶漬け>をお箸でさらさらと掻き込み中。
何か熱い視線を感じる気がするけど、きっと気のせいだから、気にしな~い♪
ありがとうございました!




