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第105話 壮行会(前編)

 10日間の特訓の後、仲間と集合した僕は国王の元へ向かった。

 城の入り口で兵士の人に帰還を告げると、すぐに謁見する運びになった。


「確かに大魔法は発動できたのだな」


 国王も僕の帰りを待っていたようだ。


「うむ、ご苦労であった。

 明日に備えてゆっくり休むといい」


 気持ちがたかぶって、休む気分でもないけど、休息はすべきだろう。


「ただし、今日の夜は壮行会を開くので、参加してもらう」


 明日の戦いに備え、士気を高め、結束を高めるのだろう。

 命を預ける仲間達とは、顔を合わせておきたい。


「それはそうと彼は?」


 ラウール3世は、僕の隣のベルナールを見て言った。


「ノルド山脈での戦いで知り合った黒騎士ベルンハルトです。

 その……、とても強いので僕が誘ったんです」


 一応、ベルンハルトと紹介。

 さすがに「王国出身で昔仲間でした」とは言わなかった。


「そうか」


 国王は特に大きな反応は示さなかった。

 堕天の魔王との戦いは帝国軍と合同作戦だ。

 今さら黒騎士団だったらどうこうって事もないのだろう。


 その後、僕達は休養を取って、旅の疲れを癒した。


 その夜、再び王城へ。

 壮行会自体は街の公園でも盛大に行われていた。

 命を賭けた戦いに臨む、全ての戦士達を労うだめだ。


 僕達は、王城の中庭の、要人や指揮官達の参加する会場に呼び出された。

 大きなテーブルにたくさんの贅を尽した料理やお酒が。


「リンクス!

 大魔法は使いこなせるようになったか?」


 話しかけてきたのはエレインさん率いる勇者一行だった。


「ええ、エレインさん達が帝国の魔物の相手をしてくれたおかげです」


 僕が特訓している間、帝国の魔物と戦っていたのが、エレインさん達だ。

 十日足らずの時間しかなかったが、帝国の魔物を追い払ってしまったらしい。

 やっぱり勇者の名は伊達じゃない。


「途中から魔物達の動きが変わり、撤退して行ったの。

 国際連邦センターに集結していたんでしょうね」


 と、ルナテラスさん。


「でもあなたがここまで成長するなんて思ってなかった」


「ルナテラスさんのおかげです」


 Fランクを脱する事ができたのはこの人のおかげだ。

 いくら感謝しても足りない。


「リンクスさん!」


 その後、声をかけてきたのは港街マイリスの冒険者、戦士ヒューゴ君だった。

 隣には彼のお姉さん、シスターのアミシアさんもいる。


「明日は俺達マイリスの冒険者もついて行きます」


 以前は独断専行で突撃して、足並みを乱す傾向があり、Fランクに甘んじていた。

 しかし、彼も今は自分のパーティを持っている。


「リンクスさんとの冒険の後、ヒューゴは仲間と連携して戦えるようになったんです」


 アミシアさんも元気そうで何よりだ。


「今回もマイリスの冒険者の代表として、来てるんですよ」


 ヒューゴ君は大躍進を遂げていた。

 自慢の弟となったようだ。


「戦いが終わったら、マイリス勢で飲みに行きましょう!」


 そうなってくれると嬉しい。

 それにはまず、明日の作戦を成功させなければ。


「おお、リンクスよ。そこにおったか」


 現れたのはイサキオス皇帝陛下だった。


「お主も今日は皆の前で挨拶するのじゃ」


「ええっ、僕がですか?」


「大魔法の使い手などいないのではないか、と噂する者もいるのでな」


 複数の術者を集めて公使するのが本来の大魔法。

 その様子が見られないので、変な噂が立ってるのかも。


「しかし随分ボロボロじゃな」


 確かに今回の大魔法の特訓でローブはだいぶ傷んでいる。


「それに、その恰好は動きにくかろう」


 皇帝は僕のローブの裾をつかんで言った。


「お主が堕天の魔王に辿り着かねばどうにもならんのだぞ」


 普段、格闘戦をする訳でもないので、今まではあまり気にしていなかった。

 でも、今回は僕が敵陣に突入しない事には始まらない。


「ふむ、そうじゃ」


 何かをひらめいて、手を叩く皇帝陛下。


「マンフレート。軍服を持って参れ」

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