表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/98

4

ベルカ総本山、ルーファスが何度も滅ぼされた国を復活させ武装国家に仕上げた対魔王国家。劣勢が続くとはいえ維持できるほどの武力を持ち各国を取り入れ魔王への最強の牙……それが再び炎に包まれ滅びていく。


城の中から見ていたルーファスの脳裏に初代魔王、二代目魔王テツの顔が記憶の奥から叩き起こされ顔を掻き毟る。何度挑み続けても敗北は続く、打倒魔王に挑み続けた狂人ルーファスを震えさせたのは一匹の竜。



「爽快爽快!! これが竜となるという事かレグナ!!」



背中から鎧を突き破り翼が生え額から角が勢いよく皮膚を突き破り人間の外見からは離れていく。皮膚は鱗になり瞳は金色、カズヤは竜人へと進化していた。



「見よ半人前……いや、もう貴様半人前ではないぞ遠藤カズヤ!! 見るのだ!! これが下等生物と我らとの差だ」



吐き出される炎は地面を波のように疾走し城下町になだれ込み容赦なく騎士達を溶かしていく。目の前にいた大量の兵士は全て灰になり塵となり風となり消えていっていた。



「ハアアアアアアアアア!!」



とにかく吐き出す。鋼鉄をも溶かす炎を無尽蔵に吐き出し続けられベルカ総本山の城下町は溶けてきえていく。たった二人の老人と女を招きいれた結果ベルカは何度目かの滅亡へと進んでいく。



「見てるかルーファス!! 愛しい娘が竜と共に会いにきてやったぞ!! 顔ぐらい見せてやってもいいだろう!!」



残った騎士達で守られた城に向かい叫び笑うベリル。血の繋がりという予想外の事があったがカズヤの竜としての能力を見て嬉しさで発狂してしまいそうになる。殺せる、あの母の仇を確実に殺せる。



「こんなもんか、さて」



城下町全土を炎の海にし燃え盛る人の影と悲鳴を背に振り返る城に残ってた騎士達を見る。それぞれの心臓の音がよく聞こえ、震えている呼吸を感じると誰もが恐怖している事がわかった。



「狙いはルーファスだ。こんだけの事やっといてだが逃げる奴はやらねぇよ」



恐怖で震える足にナイフを突き刺し咆哮を上げる騎士が突撃してきた。ベルカへの忠誠で恐怖を押し殺しカズヤへの一撃を放ったが刀身が素手で捕まれ握り潰されていく、その無茶苦茶な光景で一瞬止まった所へ腹への拳が刺さる。



「ガッ……この化物め……殺してやる」



体を貫通し背中から真っ赤な拳を出し兜の中で血を吐きながら言う騎士にカズヤは顔を近づけていく。



「よぉ~く見るんだぞ、これがお前の生涯最後の光景だ」



腕を払うと騎士も勢いよく抜け地面に転がり他の騎士達へ見せ付ける。精鋭の騎士だけあり恐怖しても逃げ出すような奴はいないとカズヤは突撃しようと身を低くすると。



「ガアアアアアアアアアア!!」



空から聞き覚えるのある獣声が叩きつけられてきた……その声はソウジと再開してた時突然空から舞い降りた化物。同族フェルのだと聞き間違いがない。空を見上げると燃えていた城下町の炎が吹き飛ばされていく。


巨大な竜が城壁を体当たりで破壊し低空飛行で飛んできた衝撃で炎は打ち消されえていく。フェルは凶悪な竜の形態のままルーファスがいる城へと突っ込んでいく。



「あの野郎~今度こそ殺してやる」



何が起こったのか理解が追いつかない騎士達の壁にぶつかりカズヤは一直線に向かう。狙うはルーファスの首ともう一人の娘フェル。



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ