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163:薄い本

「人間を、やめる? ちょっと待て、俺はまだ〇仮面を被った覚えは無いぞ!?」


 〆が真剣な表情で石〇面って何ですか? と参へと聞いていたが、訳を聞いてガックリと肩を落とす。


「人外は色々ありまっけど、まだ吸血鬼になるとは決まっていまへんので大丈夫でっせ。それより妖力を使える事で、何か思い当たる事はありまへんか?」

「う~ん、特に無いなぁ……。そもそも妖力ってのも、ちょっと前に美琴から教えてもらって初めて知った感じだし」


 その話に一同は考え込むが、やっぱり答えは出なかった。


「まあ考えて分からない事は仕方ないさ。もし俺が人間をやめるぞおおお! ってなった時はよろしくな?」

「はい、それはもう♪」

「何故嬉しそうにする……」


 ふと壱は思う、もしかして「アレ」に変化があるんじゃないかと。


「古廻はん、そう言えば最近アレは開いてまっか?」

「アレ? ああ、手帳と言い張るアレか」

「それですがな、もうしばらく見てないんちゃいます?」

「確かに見ていないな」

「でっしゃろ? もしかして何か変化があるかも知れまへんから、一度確認してみましょ?」

「それもそうだな。じゃあ出すぞ? ステータス・オープンッ!!」


 流は立ち上がると、右手の平を全面に開いて堂々と健康手帳を召喚する。

 その様子に壱と参、そして男性陣が拍手するが、女性陣はなぜか冷めた目で見ている。この絶妙な角度の、芸術性が分からないのだろうか?


 すると〝ポン〟と言う音と共に、ファンファーレが鳴り響き、どこからか白鳩が出て来て飛んでいく。


「な、なんだあ? って、これ手帳が革張りになってる……」

「無駄に凝ってますなぁ……」

「それで一体何が書いてあるんです?」

「まあ待て、今開いてみ――ナンダコレ」

「またでっか? 相変わらずでんなぁ」


 健康手帳は新しい内容になっていた。




【現在見れる健康状態】


 NEW→生命力:超★アゲアゲ             

 NEW→魔 力:(わらい)            

 NEW→攻撃力:攻撃的な女豹アゲ+やばsぎ    

 NEW→防御力:薄い本百十二冊分+妖刀の加護   

 NEW→魔法力:小僧               

 NEW→速度力:そこだ! 殺られる前に殺っちまえ!

     幸運値:あらすごい


――――――――――

【手帳の小言】

 流、ひっさしぶりだな。え? 別にスネてなどおらんぞ? (チッ)

 まあなんだ、良くやってるじゃないか。

 先生との闘いで魔法をしこたま食らったので、魔力を解放してやる。

 あ、今何で教えてくれなかったー!? とか思ったろう? バーカ、手帳を見ないお前が悪いんだ、もう一度言ってやるバーカ! バーカ!!


 妖力を身に着けたみたいだな。それは重畳。ただ一つ言っておく、悲恋美琴に呑まれるなよ? アレは刀じゃない、『妖刀』である事を忘れるな。


 最後に一つ。

 別に人間やめてもいいんぢゃね? (笑)


 本日のメッセージは以上となります。

 ご利用、ありがとうございました。

――――――――――


【魔法】

 ーー未習得ーー


【特殊能力】

 鑑定眼(初級)←NEW 気配察知(上級) 

 第六感(上級)     一撃必殺(中級)


――――――――――



 能力値は幸運値以外は軒並み上がって(?)おり、魔法関連に関してはついに「解放」されたようだった。

 さらに観察眼は「鑑定眼」にアップグレードしており、先日の戦いで流れが感じていた事が正しかったと、証明された事となる。


「「「うう~ん?」」」


 思わず右肩へ頭を〝コテン〟と倒す一同。そしてそれを見た、全員の最初の言葉はそれだった。


「相変わらず意味が不明だな、大体女豹って何だよ? 俺は男だぞ。あと馬鹿っていうな馬鹿!」

「薄い本百十二冊分って何ですかね?」

「フム。妹よ、世の中にはそういう本があるのだよ。しかし何故薄い本換算なのか?」

「速度力は外部で誰かがヤジってるだけやん……」


 本当に意味不明な表現で、全く役立たない情報に頭を抱えるが、その後のメモの言葉に注目する。


「それより古廻様、ついに魔法が使えるようになったんですね!!」

「ああ、それだ! やっとこさ使えるようになったみたいだな、楽しみすぎる!」

「ただ何でっか……(わらい)やら小僧って?」

「それを手帳管理者のお前が言うな。俺が聞きたい」

「フム。どうやら先生との死闘で解放されたようですな?」

「そう言えば、古廻様が以前この愚帳(ぐちょう)を見ていた時、確か『痛い思いをしろ』と不遜(ふそん)な事が書いてありましたね?」

「あ~、それでかぁ。俺は先生から魔法を何度も食らったからなぁ」

「それで魔法を肌で体験したから、解放されたって訳ですね……安易な」


 そこで向こう側で食事をしているキルトに聞いてみる事にする。


「キルト、悪いんだがこっちへ来てくれるか?」


 呼ばれたキルトは、かじりつこうとしていた肉塊を皿に戻すと、急いで流の下へとやって来る。

 その姿は実に堂々としており、なぜか誇らしげに見えた。



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