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4-19 棲龍館での一泊、舞たちの場合①

 一方、舞たちも浴衣に着替えてお風呂へ向かっていた。


「さ~、みなさんこっちですよ~」


 澪が先頭で歩き、舞とリリ、詠美、優、橙花、蒼花が後に続く。リリはお風呂に入れるのが嬉しいのか、先ほどから尻尾の動きがウキウキしている。


「澪、こんな立派なところを貸し切りにして、本当に大丈夫なんですか? 青葉家の方に余りご負担をかけると心苦しいのですが……」


 舞が代表してみんなが聞きにくかったことを澪に尋ねる。


「大丈夫ですよ~、今回の旅行は私の経費で落ちますから~。みんなには島でちょこちょこっとした簡単な仕事をお願いできれば~と。それに麗華とはお友達ですから、別に無理やり予定を押し込んだわけでもありません~。互いにウィンウィンの関係ですよ~」


 すごく聞き捨てならない事項があった気がする。簡単なお仕事? 本当に簡単にちょこちょこっとで終わるのか? 澪が言うと、もはや不安しかない。


「なんかすごく不安な言い方です……」


「あははは~、澪が頼むんだからよっぽどの仕事だよね~、まぁ悪いようにはならないと思うからその点だけは安心だけどね!」


「きっと私の仕事は試食の依頼。まさに私の天職。公認の食べ放題。どれだけ食べてもオッケーなんて、ここは天国か? 今から楽しみ、妄想膨らむ」


「あの~、優さん? 何を考えているのかわかりませんけど~、そんな仕事ありませんからね? 頭は大丈夫ですか~? あちゃー、これはもうしばらく帰ってきませんね……どうしましょうか~」


「随分と皆さんは仲がよろしいんですね」


「舞様の学校のお友達同士なんですよね?」


「そうですね~、お友達同士です~。みんなとは小学校からの付き合いですからね~。舞ちゃん、そうですよね~?」


「まぁ、世間一般的に見て、幼馴染という感じだと思いますね。あ~、澪、ここじゃないですか? 温泉のマークがありますよ」


 しゃべっているうちにお風呂に着いたようだ。湯気を現している縦に伸びる3本の波線、そしてそれを囲む円、日本人に馴染みの深い温泉のマークだ。


「優はもう放っておきましょう~。さ~、みなさん温泉ですよ~」




 脱衣所でササッと服を脱いで、と言っても浴衣なのですが、備え付けの籠へ入れます。貴重品などは部屋の金庫に入れてますし、特に盗られて困るものは持っていませんから管理が楽ですね。おっと、タオルタオル。タオルを身体に巻いて温泉に向かいますが、そのままタオルごとお湯に入るのはマナー違反ですからね?


 リリは私の足元で今か今かとウロウロしていました。既に臨戦態勢ですね。さぁ、行きましょうか。久しぶりの温泉なので楽しみです。


「わー、広い! 風情あるぅ~」


「別邸でもお風呂の大きさは本邸と変わらないですからね~」


「うむ、合格」


「ここまでのものは中々ないです。整備も行き届いていて感心します」


「素晴らしいですね」


 上からエイミー、澪、優、橙花さん、蒼花さんですね。リリはメンバーの都合上、お口にチャック状態なのでコメントはできません。優はなんでそんなに上から目線なんですか……。


 まず、湯船に入る前にしっかりと身体を洗います。世の中には、温泉だー! っといきなり飛び込む馬鹿な輩がいるようですが、あなたはそうではありませんよね? もしそうなら首の骨を十分に鍛えておいたほうがいいでしょう。何かの拍子にグキッとなってはいけませんからね。グキッと。クフフフ。


 リリもしっかりと洗います。司さんと一緒にお風呂に入っているそうなので、お湯やシャンプーにも慣れたものです。それにしても相変わらず綺麗な毛並みですね……前よりもツヤツヤしていますし、手触りも高級毛布のようです。お湯で濡らしてからワシャワシャと泡立てて全身くまなく洗います。顔を洗うのは嫌がる子もいますから気を付けてくださいね。シャワーで十分に泡を流して終わりです。


 乾いているときはフワフワモコモコしているせいか、水分を含むと随分とボリュームが減って印象が変わりますね。初めて会った時よりも身体つきがしっかりして格好良くなっています。リリが身体に着いた水分を飛ばすためにブルブルっとして、入浴する準備が整いました。


 湯船に向かうと既にみんなはお湯に浸かっていました。近くには直径1メートル深さ30センチくらいのヒノキ製のタライが設置してありました。普段は赤ちゃんを入れるためのお風呂みたいです。今回はこれをリリ用に使わせてもらうんですね。


「ささ、リリ、これを使っていいそうですよ」


 リリはわふっと一声あげるとタライにぴょんと飛び込みました。すぐにピョコンと頭だけ出してタライの縁に乗せると目をうっすらと細めて温泉を堪能し始めました。手足がぴょーんと伸び、身体をお湯にふよふよと浮かせて、さながら空を自由に舞う凧のようです。ふふふ、見ているこっちも気持ちよくなってしまいますね。


 さあ、私も温泉に浸かるとしましょうか!

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