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4-1 まるで戦後処理のようなアレコレ

 無事に屋敷に帰還して、怒涛のような忙しさの1か月が経った。……ツカレタ。


 屋敷に帰った俺は、まず初めに怒られた。それはもう盛大に怒られた。誰からって? わかるだろう? もちろん舞、兎神、橙花、蒼花にだ。


 舞、色々言われた。仕事の内容を黙っていたこと、危険に対してのリスク管理ができていないこと、怪我をしたこと。もちろん、家族や友達だからと言って全てを話さないといけない理由はないし、話すことで迷惑をかける場合もある。だが、それでも水臭いと怒られた。俺が隠しきれていればよかったんだが、結果的に舞や宗司さんにも助けを求めることになってしまったわけだしな。それは反省しなければいけない。


 兎神、連れてきたウルの一族とマッドチャリオットをどうするのか、という話。もう連れてきてしまったのはしょうがないとして、関係各所に事後で承諾を取りにいかないといけないらしく、連絡と根回し、書類作成と提出が必要だと。生物関係は処理が大変らしい。そりゃ、完全に地球外生命体の扱いなんだから当然だ。許可なく、外を歩かせるわけにもいかない。これも反省。


 橙花、お土産に大量に持ってきた果実類や木の実類の栽培について。生育環境もよくわからない植物のお世話を1から考えてするのは無理とのこと。よって、記憶にある限り、生っていた場所、気候、実の生る周期性、周りの植物との関係性、などなどを聴取された。これにはリリの一族にも協力してもらってできる限りの情報を集めた。実際に栽培ができたら、取れた果実などの成分分析もしないといけないらしい。仕事がまた増えたと小言を言われた……南無。


 蒼花、怪我したこと。程度を確認している最中で、蒼花の眉が徐々に吊り上がっていくのが印象的だった。蒼花は静かに怒るから怖い。診断の結果、全治1か月、治るまでは絶対に無理しないように言われた。怪我をしたのは鍛練が足りないから、ということで治った後、週1回は武神の道場に通うことになった。宗司さんが相手をしてくれるらしい……もはや何も言うまい。



 次は屋敷に連れてきたヴォルフたちの生活環境。ここで勝手に暮らしてね、なんてわけにはいかないから、色々意見を聞きながら試行錯誤した。


 あ、そうそう、大きくなったリリを見て驚いたのだけど、ウルの一族は身体の大きさをある程度変化させることができるらしい。地球にいる間は、リリと会った時のように子犬形態になってもらった。ヴォルフ達も小さくなって、ちょっと見た目がワイルドな犬の家族みたいな感じに落ち着いた。


 屋敷の地下のプラントエリアに植えた大樹様(まだ若木なのにややこしい)は、1か月留守にして見なかった間に結構大きくなっていた。地面から1メートルくらいか? でも、このまま順調に大きくなっていったら、うちの屋敷が危ないような……もとがあの大きさだし。ま、まぁ、なんとかなるだろう……。


 ヴォルフたちはウルの一族の総意で、プラントエリアに住むことになった。ヴォルフたちは地べたで十分とか言っていたが、エリアの一角に組み立て式の簡単なユニットハウスを3つほど設置して、中に毛布で簡易的な寝床を作った。どういう配分にするかはヴォルフが決めていた。何より、大樹様の成長を見守りながら生活できる、これほど嬉しいことはないと言っていた。喜んでくれているようで、俺も嬉しい。


 リリは大樹様の様子を見に行ったり、屋敷の中を散歩したり、プラちゃんたちと遊んだり、俺の部屋で昼寝したり、ヴォルフたちの寝床で寝たり、とても自由に過ごしていた。そして、帰ってきてからは毎日のようにリンゴを食べている。基本的な行動は相変わらずだけど、毎日が楽しそうだ。両親と一緒に過ごせる環境になったのが嬉しいのだろう。前より元気いっぱいだ。子供らしくて非常によろしい。


 マッドチャリオットたちもプラントエリアに住むことになった。というか、こっちは地球外生命体すぎて外に出せない。彼らはエリア内をふらふらと移動しながら自由気ままに過ごしている。驚いたことに、彼らも地球に来たらサイズダウンして1メートルくらいになった。リリ達といい、どういう仕組みなのかさっぱりわからない。



 次は食生活について。ヴォルフたちは主に肉、穀物、野菜、果物などバランスよく食している。鶏肉、特にササミや胸肉を好むようだ。変な病気になるといけないから、湯がいて冷ましたものを薦めている。果実はリリと同様に食べたことがなく、初めて口にした時は目を白黒させていた。こんなにおいしいものは今まで食べたことがないとのこと。


 マッドチャリオットの番は、キャベツやレタスなどの葉野菜と果実を好むようだが、野菜や果実ならほとんど何でも食べる。反面、肉類を一切食べない。流石はなんちゃって草食動物。地球の食べ物は、彼の地とは比べ物にならないくらいおいしいらしい。日本の野菜は農家の人たちが丹精込めて作っているからな。リリの通訳曰く、もうあっちに戻りたくないとのこと。……うーん。

 

 え? 俺は何をしていたのかって? 察してくれ……。主に書類仕事です……。リリ達、ウルの一族とマッドチャリオットの届出。伝染病などの検査のために保健所へサンプルの提出、申請書などなど、他にも山ほど書類仕事です……。もうしばらく文字を見るのも書くのも嫌だ……。何でこう、国に出す書類っていうのは難しい上に、枚数が半端ないんだよ。俺の睡眠時間を返してくれ……。


「司さーん。舞さんがいらっしゃいましたよ? 今日は舞さんのお家に行く日じゃないですか?」


 ん? 約束の時間は午後からだったはずだけどな。念のため時計を確認したけど、まだ午前の11時だった。はて?

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