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2-17 武神の少女による girl meets boy and fantasy⑦

 今、私と司さんの目の前には、私のよく知る3人の人間が座っています。ええ、よく知っていますとも。なにせ、つい先日会ったばかりですからね。


「いやいやいや、舞、偶然だねぇ。たまたま、近くのお店に買い物に来てさ。まさか舞がここにいるとは思わなかったけど」


「舞ちゃん、偶然ね~。やっぱり私たち4人は運命の糸で雁字搦めになってるのね~」


「偶然近くを通りかかったら、いい匂いがしたから寄ってみた。これはカレーの匂い?」


 まるで偶然という言葉のバーゲンセールですね。こんなに簡単に偶然なんてことが起きていたら、きっと辞書に書いてある意味を変更しないといけませんね。というか、なぜここに私がいることがわかったのですか?ここはただの民家ですよ?いきなりピンポイントであなたたちが現れるなんておかしいですよね?普通じゃないですよね?ね?ね?


 私の感覚では、ここまで来るときには尾行はついてなかったと思っていましたが。家の者にでも聞いたのでしょうか?でも、ここの場所のことはお母様くらいしか知らないはずですし、そもそもお母様としてもこれはお仕事なので人様の家の住所なんて機密事項をいくらこの3人が私の友人だからといって漏らすとも思えませんし。………解せぬ。


 そして優、どこにカレーの匂いがあったのですか?あなたはそれを辿ってここにきたというのですか?あなたは犬かなにかですか?意味がまったく分かりませんよ。うがぁー。


「あなたたちは一体どこから湧いて出てきたのですか?どこぞのネズミかGジーですか?もはや偶然などという言葉でごまかされませんよ。このタイミングで、あなたたちが、ここに現れる確率が、どれだけ天文学的に低いと思っているのですか?これが本当に偶然だとしたら、今すぐ世の中の全ての偶然さんに謝ってきてください。さあ、キリキリと吐きなさい。今すぐ吐くのです、さあ、さあ、さあ」


「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待った、舞、本当に偶然なんだって。首、首は反則だって、首は絞めないで、本当にけっこう締まってるから、降参、降参するから。ちょ、澪、優、笑ってないで助けてよ。ね、ね、本当にやばいって。きゅう~」


「相変わらず、舞ちゃんとエイミーは仲良しさんですね~。それにしても普通のお家なんですね~。意外です~。もっとすごい豪邸なのかと思っていました~」


「このカレーの匂い、マスターのカレーに通じるものがある?そういえば、マスターが生徒みたいなものだとか言っていた。もしかして、マスターの料理の後継者?まさかスイーツも作れるかもしれない?これは掘り出し物の予感?要現状確認」


 これには絶対になにか裏があるはずです。さっさとエイミーを物理的に拷問して白状させるといたしましょう。澪にはこういうことはうまくシラを切られますし、優に至っては別の次元で物事を考えていて興味のないことを聞いても話になりませんから。


「あはははは、なかなか面白い友達だ。こんなのしかなくて悪いがどうぞ。みんな、初めましてかな?干支神司だ。よろしくな。そっちの君はカレーがあるってよくわかったな。3日前くらいに晩御飯で作ったんだが、なにせ一人で食べてるものだから、なかなか量が減らなくてな。今日の晩くらいにはやっとなくなる予定なのだが。お友達も来たことだし、今日は掃除の仕事はやらなくていいぞ、どうせ俺があと2、3日はいるからな。俺が家を出るときにできる限り掃除しておこう」


 司さんが3人分のグラスとペットボトルのお茶を持ってリビングに戻ってきました。相変わらず、司さんのあとを子犬のリリがちょこちょことついて周っています。先ほどまで、私と司さんがお話ししていたので、司さんの膝の上でウトウトとしていたのですが、この3人が来て玄関のチャイムの音が鳴ったので、すっかり目が覚めてしまったようです。というか、冗談じゃなくて本当にあったんですね・・・カレー。本当に優の食に対する嗅覚は恐ろしいです。


「いえいえ~、急に来た私たちのことは特にお構いなく~。いないものとして扱ってくだされば結構です~。お邪魔虫は部屋の隅でおとなしくしてますから~。あ、私は澪といいます~。この子は優です~。あと、そこに舞ちゃんと一緒に転がっているのが詠美です~。私たち3人とも舞ちゃんのお友達です~。」


「個体名、干支神司。外見データと個体名称を照合して記憶完了。あとはその他のデータを情報収集する。現状、この家に漂うカレーや食材の匂いから一般的な料理の作成は可能と推測する。次のステップとして、調理レベルとスイーツ関係の作成能力の有無を調査対象とする。特にスイーツ関係は最重要項目として要確認」


「そうは言ってもな。澪、優、詠美ね。舞とは同じ学校なのかな?それにしてもずいぶんと個性的な友達を持っているね。学校生活も賑やかで楽しそうだ」


 ついついノリでエイミーを首固めでノックダウンしてしまいました。回復するまで、部屋の隅にでも放置しておきましょう。なんというか、この3人が現れたことで司さんに聞きたいことが聞くに聞けなくなってしまいました。


 ちっくしょー、なんてカオスな日でしょうか。

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