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2-7 武神の少女は学校帰りの喫茶店スイーツという道草を食む②

5/4 舞の家の流派名にルビ。

「さて、なにから説明したらいいんでしょうか。私にとっても突然の話だったので、今はかなり落ち着きましたが、私自身も昨日はかなり取り乱してしまいました。事の発端は昨日の夜でした。夕食が終わった後に、うちの父の筋肉ゴリラと母が道場に私一人を呼び出しまして、そこでいきなり私に許嫁を決めておいたと告げられました。みんなも知っている通りなのですが、うちの家族は脳筋なので基本的に家族に隠し事をしません。素直に言ったほうが早いですからね。その時は、私一人を呼びだしたという時点でかなり怪しいことは気づいてましたけど、事の回避はできませんでしたね。なし崩し的に父母に押し切られてしまい、決まってしまいました。でも、相手方も納得しているわけではなくて1度会ってから、お互い納得したならば正式に、という話になっているようです。つまりは、お互いに気に入らなければ、この話はなかったことにできそうなのが唯一の救いですね」


 いろいろとお母様には釘を刺されましたが、そのへんはこの3人に話す必要はないでしょうから、私の心の中だけにとどめておきましょう。私自身から意図的に、ではなくて私の友達から間接的に働きかけることができれば、お母様も表立って私に文句は言えないでしょうからね。内心はどうであれですが。


「へぇ、けっこう急な話だねぇ。舞は許嫁が嫌なの?初めからそんなこと言いだしてるなんてなかったことにしたそうじゃん?あんたんとこの両親が変な人捕まえてくるわけないんだから、もしかしたらすごくいい人かもしれないじゃない?せっかくなんだから会ってから決めればいいのに。あんたが相手の人を見もせずにそんなこというなんて珍しいよ」


「そうよね~。おじさまはさておき、あの舞ちゃんのおばさまがお決めになるくらいですもの、きっと舞ちゃんと合うと思っていらっしゃるんじゃないでしょうか~。というか、舞ちゃん武道オタクだから普通の男の人が相手じゃドン引きなだけよ~?自分よりも腕っぷしが強い女の子を好きな男のひとって少ないもの。もしかして、これを逃したら一生貰い手ないかもよ~?残念女子の仲間入りかもよ~」


「私は男に興味がない。でも毎日おいしいご飯を作ってくれる料理人かスイーツ職人だったら結婚してもいい。舞、その人、料理できる人?」


 澪はさらっと毒を吐いてきましたね……わりと心にグサッと来ます。しかし、エイミーと澪は『なぜか』、やけに許嫁をプッシュしてきますね、なぜでしょうか。まさか、もうお母様の策略の魔の手が差し伸べられているのでは!?いや、まだです。まだそう決まったわけではありません。そして、優……あなたという人は……ほんとうに食欲以外に興味はないのですか?私はあなたの将来がとても心配です。


 でも、言われてみればそうですね。ぜんぜん私らしくありませんでした。この話を両親から聞いた時から、私自身、最初から断る気まんまんでいました。なぜでしょうか、今思えば不思議です。そして、昨日からどうやったら相手側に断っていただけるかばかりを考えています。むむむ、これが世にいう、両親に対する反抗期というやつなのでしょうか?もう少し冷静になって、メリットとデメリットを考えてみましょう。


「おっと、なんか面白いこと話してるな。若いねぇ、青春だねぇ。なんだ、舞ちゃんはもう結婚するのか。式はいつなんだい?」


 そんな会話をしているうちに、マスターが注文したケーキを持って登場しました。


「マスター、話が飛躍しすぎです。まだ許嫁になるかならないかで話し合っているところです。私は結婚なんてまだまだする気もありません。しかも、まだ学生ですし。今は実家の道場で免許皆伝になるのが目標ですから、男ごときにうつつを抜かしている暇はありません」


「へぇ、今のご時世で許嫁なんて珍しいね。舞ちゃんの家って確か……ああ、武神流ぶしんりゅうか。なるほどね、あそこのご両親なら許嫁を決めてもおかしくないか。おっと、ご注文のケーキセットお待ちどう様、ショート1、タルト2、モンブラン1、チーズ1だ。セットの紅茶はティーポットが熱いので気を付けてね」


「ついに来た。わが至福の時。いざゆかん。甘味なる世界へ」


 優がいつも通りわけわからないことを言っています。そして、ケーキが机に並べられた瞬間に優の眼がきゅぴーんと光った気がしたのも、きっと気のせいでしょう。


「そしてこれはサービスなんだが、新作スイーツのサツマイモ餡と柚子ジャムのミルフィーユ風クレープだ。帰りにでも味の感想を聞かせてくれ」


「新作!マスター好き、愛してる。結婚しよう。スイーツラブ」


「はいはい、優ちゃん、冗談は寝ているときに言ってくれな。んじゃ、ごゆっくり」


 新作スイーツを見た瞬間に、またまた優が世迷い事を言い始めました。このやり取り、もう何回目でしょうか。もう慣れっこなので、マスターもあしらい方が適当です。


「さあ、優が待ちきれなさそうなので先に食べてしまいましょう」


 私も久しぶりのケーキなので楽しみです。いつも家では甘味を抑えていますからね。食べれるのはこういう時だけです。

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