5-47 世界の毒を食らいしもの
定期更新が遅れてすいません_(:3 」∠)_
インフルではないものの、風邪でダウンしていました。
皆さま、体調にはお気を付けください(;'∀')
結論をお話する前に、まずは我々のことからお話ししましょう。
我々、星の子は大いなる母より生み出されました。星の子は、古より主を守護する者、大地を覆い尽くす者、天空より豊穣を与える者、永遠を揺蕩う者など、それぞれが違う役割を持ち、母の目的を果たすために存在しています。
ちなみに兎神は12番目ですが、本来であれば生まれる必要がありませんでした。私の役目は、星を救う担い手。星のイレギュラーに対応するために生み出されたのです。我々、兎神の存在については、また今度の機会にでもお話しします。
我々の主たる目的は彼の世界の維持管理でした。当初は彼の世界で行動をしておりましたが、手を尽くせば尽くすほど、我々だけではどうしようもないという事実だけがわかったのです。そして、皆さまは薄々気づいていたかもしれませんが、私は手掛かりを調べるために彼の世界から地球に来訪したわけです。橙花、蒼花は私の補佐として同行しています。
世界を渡ることで地球を訪れ、時間をかけて行動をしてきたことで、地球で活動する地盤が出来上がりました。皮肉にも寿命は永く造られてますので。そして、地球に来て100年ほど経った頃、目的の1つは達成することができました。今は、その他の目的のために活動しているというところです。
もちろん、世界間の移動にはリスクもありました。一番のリスクだったのは、戻れないこと。そして、定期的に彼の世界の魔素を吸収しなければ、生命活動が停止してしまうこと。以前、司様にお見せしたように、私たちは彼の世界へ行くことができません。我々が生きるためには、目的を達成するためには、司様たちに頼るしかないのですよ。
リリ様たちですか?
ええ、本人たちにはお会いしたことはありませんでしたが、知ってはおりました。リリ様が、彼らがどうやって地球に来たのか、どうして彼らには行き来ができるのか、我々のケースとは違いますので確かなことはわかりませんが、理由だけはわかります。
彼らは古より主を守護する者。守護すべき主が近くにいるのですから、ここが彼らの新しい居場所になったのでしょう。リリ様だけは少し変わってらっしゃるので、他にも目的があるのでしょうけどね。
司様には、おわかりになるでしょう? リリ様が司様の元を訪れたことで縁が結ばれ、様々な変化が起きていることを。地下のあそこが良い例ですよ。
話を戻しましょう。
今回の依頼で私が確認したかったことは、あの血で作られた石が何のために存在していたのか、その目的でした。宗司様からお話をお聞きした時に、不思議な泉の正体は魔素の塊であることに気づき、石を近づければきっと何かしらの反応を示すはずだと。そして、予想は外れることなく、導き出された結果は最悪なケースでした。
負の感情を隠すことなくまき散らし、あまつさえ外側にいる他者を取り込もうとし、生者を滅ぼそうとする。これは間違いなく、我々の同胞が、否、かつての同胞だったものが関係しているでしょう。
世界を維持管理するために母から生み出された同胞の中で、唯一の役割を与えられた存在がいます。我々の中で最も過酷な役割と言ってもいいでしょう。その存在が与えられた役割は、彼の世界を覆っている、ある毒を食べ続けること。
リリ様、クーシュ様、毒というものは食べられません。勿論、美味しくもありません。そうですね、お二人はピーマンがお好きですか? リリ様は何でもお食べになられるので偉いですね。クーシュ様は……苦いから食べたくない? 毒というものは、こういってしまったらピーマンに申し訳ありませんが、あの苦みをもっともっともっと苦く、食べられないくらい苦くしたものとお考え下さい。……クーシュ様、ピーマンは毒ではありませんので、食べられるように練習いたしましょう。今日の夕食に出すように橙花に言っておきます。
少し脱線しましたが、気が狂いそうな時間、膨大な量の毒をひたすら食み続けなければならない苦しみ。与えられた役割とは言えど、それは想像を絶する苦痛でしょうね。生み出した母を、毒が溢れる世界を、過酷な役目を、同胞たる我々を、そして、自分が毒を食み続けなければならない理由を齎している、生者の全てを恨んでいてもおかしくはない。
魔獣と言う歪な存在といい、生者を憎む行動といい、溢れる負の感情といい。恐らくは、そう言う事なのです。
今回の依頼で判明したこと、そして、あの世界を滅びに導こうとしているものは、世界の毒を食らいし者、かつて、我々の同胞だったものなのでしょう。いずれは、相対する必要がでてくるのかもしれません。




