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5-31 巫女としての役割②

 その日の夜は、ご飯を食べて、司さんと一緒に寝ました。今はわたしのほうが大きいので、背中で司さんを支えて寝ました。早くお仕事を済ませてお家に帰って、一緒のベッドでぬくぬくと寝たいのです。ふわふわのお布団の中で司さんとくっついて寝るのは幸せです。お父さんとお母さんと一緒に寝るのとはちょっと違う嬉しさがあるのです。では、おやすみなさい。


 一晩を洞窟の中で過ごしたら、外は綺麗に晴れていました。よかったです。それにしても、アレは何だったのでしょうか? 雨が降る前に、少しだけピリッとした感じがしたのが不安です。でも、まずはご飯を食べて、そうしたら登るのを再開しましょう。


 雨が降ったせいで司さんたちは少し歩きにくそうですが、わたしはへっちゃらです。でも、慢心して転んだりしたら格好が悪いので、足元を注意して進みます。ちなみに、クーシュは朝ごはんを食べた後はずっと寝てました。あなた……怠けすぎじゃありませんか?



 お山の上に着きました。


 昨日、雨宿りしたのと同じような洞窟です。宗司さんのお話では、ここが目的地のようです。今日はここで休んで、明日からクーシュのお家を探すことになりました。わたしとしては早くお家に帰ってもらいたいのですが、これから夜になるので放り出すわけにもいきません。もう少しだけ我慢しましょう。



 次の日、クーシュにお家に帰るように伝えたのですが……大事件発生です!


 クーシュが帰りたくないと泣きだしたんです。いやだーいやだー、パパとはなれたくないー、言っている内容はそんな感じですが、今まで以上に司さんをがっちりと掴んで離しません。声も、こんなに大きな声出せたんですね……って思うくらいの大きさです。


 大事件はこれじゃありません。クーシュが泣き始めてから、遠くのほうでピリピリとしたものが急激に大きくなるのを感じます。この感じは……とっても不味いです。宗司さんも気づいたようです。



 ピリピリの原因はすぐに現れました。


 とっても大きな鳥さんでした。なぜか物凄く怒っていて、ピリピリした感じがビリビリに変化しています。宗司さんの声掛けで、一斉に洞窟に逃げようとしましたが、急に強い風が吹いて司さんと舞さんが飛ばされてしまいました。


 早く助けなきゃ!


 わたしは助けようとしましたが、宗司さんに止められました。確かに、自分の身を1番に行動するとお約束しましたけど……自分の非力さに涙が出ます。悔しいです。


 言いつけ通りに洞窟に滑り込んで、そこから救出する隙を狙います。見ると、司さんたちに怪我はなさそうです。鳥さんには、宗司さんが体当たりしようとしていますが、鳥さんの身体を守っている風に弾き飛ばされているようでした。


 宗司さんが何回も挑戦していると、鳥さんの注意がわたしから外れました。今です! わたしは全力で走り出すと、司さんと舞さんとクーシュを咥えて洞窟まで戻ります。すごく急いでいたので手荒になっちゃいましたが、洞窟の中に緊急避難です!


 宗司さんが洞窟に戻ってきました。理由は、鳥さんが赤いビリビリになったからです。あれは、ちょっとまずいかもしれません。とか考えていたら、クーシュが洞窟の外に向かって歩き出して、司さんが追いかけます。わたしの身体も自然に動きました。どこにいても同じ結果が待っているなら、せめて司さんを守りたい。お父さん、お母さん、ごめんなさい。


 赤いビリビリが爆発寸前に聞こえたのは、ママのばかーという声でした。


 はい? ママ? あの鳥さんがですか?


 それからはクーシュのお母さんに乗せてもらってお家へ移動しました。色々ありましたけど、クーシュが無事にお家に帰れてよかったです。お家にはクーシュの姉妹もいました。わたしは一人っ子ですから、ちょっとだけクーシュが羨ましいです。その夜は、寝るときに司さんがずっと頭を撫でてくれました。とっても気持ちが良くて、おかげで朝までぐっすりです。


 宗司さんたちが難しいお話をした結果、竜さんに会いに行くことになりました。竜さんってどんな方なんでしょうか? って、クーシュ、あなたはまたそこを占領するのですか!? 少しは遠慮というものを覚えなさい! 司さんに迷惑がかかるでしょう!? パパ好きーって、わたしだって司さんが大好きです! 負けないもんって、わたしだってあなたなんかに負けませんよ!



 次の日、クーシュのお母さんの案内で、竜さんを探す旅に出発です。


 鳥さんの様に飛ぶのは初めてでしたけど、お空の上は気持ちがいいですね。景色もびゅんびゅん流れて、司さんのお車よりももっともっと速いです。クーシュのお母さんは凄いです。わたしのお母さんだって負けてませんけどね!


 お話では、明日には竜さんにお会いできるそうです。楽しみです。

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