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4-58 青葉リゾートでのひと時、4日目①

 青葉リゾート滞在4日目の朝。


 司とリリはいつも通りに早起きをする。まだ寝ぼけていた親毛玉たちに出かけることを伝えてから、散歩のために部屋を出た。


 別荘の広い敷地内をぐるっと周り、もはや日課となっているボルゾイハウスを訪問する。相変わらずボルゾイ一家に熱烈歓迎され、子犬たちにもみくちゃにされる司とリリ。朝から心ゆくまで遊んだ子犬たちは、あっという間にスヤァと寝てしまう。またか、やれやれと言わんばかりの母犬の顔が印象的だ。


 散歩が終われば、朝食前に汗を流す。もちろんリリも一緒にお風呂へ向かう。司たちとほぼ毎日入っているため、リリは水浴びやお風呂が大好きだ。特に司に身体をゴシゴシしてもらうのがとても気に入っているのである。


 お風呂から上がると、朝食だ。リリは橙花謹製のドッグフードと温野菜のサラダとリンゴをモリモリと食べる。最近のリリはよく食べる。もとの身体の時ほどではないが、子犬とは思えない量を3食ペロリと平らげ、合間におやつもペロリである。成長期なのかもしれない。司は今日も厚切りステーキに苦戦中。朝から肉マシマシはまだまだ慣れないようだ。その横では宗司がニコニコで同じ量を食しているのだが。


 午前中は自由行動になった。


 司とリリは毛玉たちの世話をするようだ。少しは慣れたとはいえ、まだまだ圧倒的アウェイな毛玉たち。今、優先することは彼らの心のケアだと考えている。橙花たちも雑務をこなしながらフォローをするため、この辺は万全な体制だろう。おやつも出る。


 舞、詠美、優、澪は部屋でおしゃべりをするようだ。雑談がメインだが、他にも夜の花火大会運営をどうするか相談するらしい。いつの間に大会になったのか。まぁ、何だかんだ楽しそうだから良しとしよう。


 宗司は部屋で筋力トレーニングをするようだ。彼は暇があれば身体を鍛えることが趣味の男である。いつもの光景だった。



 本日のお昼には先日いけなかったホテルで食べ放題のランチとなる。優と宗司がいるため、澪は事前にホテルに連絡することを忘れない。料理を食べつくして周りから苦情を出すわけにはいかないからだ。


 ちなみに、このレストランは一般エリアの他にペット同伴エリアが存在する。もちろん、衛生管理的に料理の配膳されている場所とは隔絶されているのだが、料理をトレイに取った後はペット同伴エリア移動してもいいという仕様になっている。


「ふはははは、ついに、この時がきた! 血が滾る!」


「あの、優さん? くれぐれも、ほどほどにお願いしますね?」


「はっはっはー、これは全品制覇するしかあるまい!」


「あの、宗司さん? くれぐれも、ほどほどでお願いしますね?」


 特定の人物のテンションが高すぎて、行く前から澪の心労が絶えない。1日お預けされた2人は解き放たれた野獣。まさに己の欲望のままに突き進む獣だ。早速、ビュッフェコーナーに突撃していった。ここからホテル側と飢えた獣2匹との死闘が始まる。


「司さんはリリと一緒にペット同伴エリアに行くんですよね?」


「橙花がリリのご飯も作ってもってきているから、俺たちはそっちで食べるかな」


「それじゃ、私もそちらに行きますよ」


「いやいや、舞は澪ちゃんたちと食べればいいさ。折角、一緒に旅行に来てるんだからな」


 舞が気を効かせようとしていたのを説得して、司たちはペットエリアへ向かう。舞は最後まで何か言いたそうな顔をしていたが、諦めて澪たちのほうへ歩いて行った。


「では、司様はリリちゃんと先に席をキープしていてください。私たちが取ってまいりますので。あ、申し訳ありませんが、リリちゃん用のリュックをお願いします」


「おい、橙花たちに任せると好きなものが食べられないだろう。自分で取りにいきたいんだが……」


「ダメです。私たちが取ってきますので、席をお願いします」


「いや……」


「ダメです」


 ひと悶着あったものの、司の意見はあっさりと黙殺されて、渋々ながらリリと一緒に席を取りに行く。ペット同伴でバカンスにきている人も結構いるため、目いっぱいとは言わないがそこそこ席が埋まっていた。6人掛けのテーブルを1つ確保して、リリと一緒に待つ。


 ほどなくして、橙花と蒼花がトレイを両手に持って司と合流した。2人ともが、両手にである。案の定、トレイの上には山盛りの料理が所狭しと積み上げられていた。その光景を諦めた目で見つめる司。恐らく、これが予想できたために自分で取りに行きたかったのだろう。


「お待たせしました。それでは、私たちの分を取りに行って参りますので、司様は先に召し上がっていてください」


「おい……」


 司が突っ込むのもしょうがないことだろう。橙花たちが持ってきた4つの山盛りトレイは司の分であったのだ。まさかの光景である。朝食に引き続き、司の孤独な闘いが幕を開けたのだった。

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