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魔王軍報告会7

とある駄女神様より毒電波を受信したようで、思わず書いた鉄板ネタ。

一応某マンガとの区別化のため、オソマと味噌は使っておりませんw


※お食事中の方すいません<(_ _)>

「では、ここからは先程の報告で気になったモノの討論会に……」


「魔王陛下、そろそろ食事は、よろしいですか?」


 不意に、メイドの一人がやって来て告げる。こいつはロシータ付きのメイドだな。普通は会議中に食事どうこうは言って来ないはずだが、普通に来たぞ。

 でも、確かに皆食事したい頃ではあるか。


「ふむ。今日の食事は結構多いのか? 少ないならばこちらで皆で取ってしまおうと思うが」


「はい、ハーレッシュ国より頂いた米と香辛料を使い若萌様から教わったレシピで作りました。カレーなるものでございます」


 カレーか。そのくらいならここで食えるな。


「じゃあ全員分運んでくれ。討論前に食べておこう。ギュンター、構わないか?」


「そうだな。丁度夕食時だ。別に構わんだろう」


 俺とギュンターの言葉で食事が決まった。


「カレーとはどういう食物?」


 稀良螺との攻防を抜け去り、食事と聞いて戻って来たチキサニが俺の膝に座り直す。


「なんだ、知らないのか?」


「クアニ初めて。美味しいか?」


「若萌、辛さはどの程度に?」


「中辛を想定してレシピを渡したわ。子供用にリンゴと蜂蜜を加えるようには書いておいたけど、どっちかね」


「なら問題無いな。おそらくチキサニも気に入るだろ」


 ただ、別の問題があるっちゃあるんだけどな。

 特に、こいつが初めてアレを見るってのが、どうにも嫌な予感しかしない。

 そんなチキサニはカレーに思いを馳せ涎を垂らしていらっしゃる。


「カレー。なんか凄く美味しそうな響きだ。カレーッカレーッ、カーレェッカーレェッカーレェッカーレェッ」


 なんか手を叩きだした。よっぽど楽しみにしてるらしい。

 そんな彼女の元へカレーが運ばれて来る。

 その姿を見たチキサニは、だんだんとトーンダウンしていき、昭和のマンガでバケモノ見た小学生並みのリアルな絶叫顔で小さく呟いた。


「カーレェッカーレェッカーレェッカーレェッカーレェカーレ……カ……………………オパタッチェ……」


 愕然とするチキサニの前に置かれるカレー。俺も変身解いて食べたいけど、膝にコイツ乗ってるからなぁ。スーツ越しだからまだ問題無いが生身に戻るとチキサニの体温と身体の感触を直に味わってしまうので具合の悪いことになりかねない。仮にも女の子だからなこいつも。


「すごい。この世界に来てカレー食べられるなんて思いませんでした」


 感激しながら稀良螺がスプーンを使って一口。

 至福な笑みを零した瞬間、チキサニが彼女を指差した。


「オパタチェプルセプ!?」


「ぶふぅっ!?」


 うわっ、本当に噴いた!?

 アレを口に含んで噴きかける者だ!?


「げほ、えほっ。へ、変なこと言わないでくださいっ。それは貴女の幼名でしょうが!」


「オパタチェプルセプ! 本当に居たっ! アヤポー! イペウナラ。オパタッチェは食べ物違うっ」


「チキサニ、これはカレーだ。この色は香辛料に使ってるウコンの色でだな……」


「ソモクイペ」


 とりあえず食べてみ? と掬ってやるが、ぶんぶんと首を振るって否定する。口元に持ってってやるが口をきゅっと閉じて食べる気なしをアピールしている。


「ふふん。無理矢理にでも食べさせてやるわっ」


 稀良螺がやって来て俺の側面からチキサニの顎を掴む。

 涙目のチキサニの口を無理矢理開き、俺がカレーを流し込む。


「ん~~~~~っ……んぐっ。……?」


 折角なのでもう一口。口に流し込んでみると、今度は良く味わって嚥下する。


「……オパタッチェ……おいしい」


「だからそのオパなんとかじゃないんだってば……」


 溜息を吐く稀良螺を放置して、俺からスプーンを奪い取ったチキサニがガツガツとカレーを食べ始める。おい、そっちは俺のカレー……


「ヒンナヒンナ。……? イペコッ!? オパタッチェ クアニイペルスイ」


 どうやらお気に入りになったようでもっとくれとメイドに要求。

 メイドさんも苦笑いしながらお代わりを持って来るため食器を回収して去っていった。

 しかし、凄い変化だな。あんなに居やがってたくせに一口食べただけで口元にカレー付けまくってまで食べまくるとは。


 やって来たおかわりをアホみたいにがっつくチキサニを放置して、俺は周囲を見る。

 皆チキサニのやりとりを見て美味しい食べ物だと分かったらしく少しづつだが食べ始めている。

 というか、やっぱお前も食べてるのかよネンフィアス王。

 視線が合うと、ネンフィアス皇帝はスプーンを上げて告げる。


「うむ。なかなか美味であるな」


 感想聞いたんじゃねェよ!


『ふふ、全員オパタチェプルセプ』


 黙ってろナビゲーター。どうでもいい時ばかり出てくんな。そもそもお前殆ど役に立ってないだろ。仕事しろよ仕事。

 和やかに済んだ食事会の後は討論会。

 基本俺とギュンターと若萌、時折ディアとユクリとラオルゥが話に加わるくらいで、あとはチキサニがオナラやゲップして稀良螺とバトるくらいで問題無く終わった。

 俺はカレーを食い損ねたのだが、後で食べれるだろうか? 今日も飯抜きになりそうだ。

 本日のアイヌ語

ソモクイペ=私は食べません

イペコッ=食物がなくなる

イペルスイ=腹がすいた 食べたい

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