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193話

 今日だけで六件。一件につき数回。それを休みなく。どんな体力のある人だって、精魂尽き果てるだろう。一旦、フェリシタスが休憩も兼ねてホテルを取る。とはいえ、スケジュールを組んでいるのは自分。当然、責任感は感じている。が、本人がやるというのだから、止められはしない。


「いいから。少し寝て。なにも考えず」


 妹に接する時のように。サーシャにも同じように。子守唄、なんて歳ではないし、なくても寝た。その寝顔は天使のようだが、目の下のクマ。しっかりと夜に眠れていないのだろうか。しかし。


 私はなにをやっているのだろう?


 一度諦めたことを、この子供に託している? いや、できっこないし、リディアも回復の見込みはないのだ。だとしたら、なぜこんなことを続けている? 必要とする人々にサーシャを提供したい? もう無理だ、いつまで続ければいいのかわからないマラソンなど、肉体も精神も保たない。


「……一番の悪人は私か……」


 イライラするとタバコが増える。酒の量も。どれもこれも年齢的に法律に違反している。サーシャと同じようにベッドに横になってみる。もしも今、隕石が落ちてきて。なにもかも、ベルリンを吹き飛ばしてしまえば。そんなバカな妄想まで降りてきた。


 年齢無相応のお金を稼いで。それを全て、ただ数回会っただけの人物に、しかも見返りなど一切なくて。どうして。


「……」


 可愛らしさと美しさが同居するサーシャ。我ながら、いい素材を見つけたものだ。このまま続けていけば、どのくらいのお金を生み出すのだろうか。だが、人数が増えすぎてもどこかからバレる可能性も出てくる。体力的なこと。問題は山積みだ。


「……」


 一度、サーシャの瞼にキスをする。目が覚めないように。このまま眠り続けるように。そして。

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