外伝3 クロロ潜む狙う撃つまた狙う
諸事情により遅れましたー! コメンナサーイ!
春休みは休むべきですよね!
スレイヤーからは古代遺跡ウラヌスと呼ばれる201階層からなる巨大地下遺跡。
地下でも地上のように明るい、天井の不思議な光源に照らされながら、"呪怨機巧鎧"は200階層を巡回している。
デュラハン・アーマーは3m程の人形の鎧だ。ただし、首から上の鎧は無く、代わりに胸部の中央に眼の形をした拳だいの赤い宝石が妖しく輝いていた。
デュラハン・アーマーは太古の昔、天空都市ウラヌスで鋳造された人工の魔王だ。
だが、1000年程前に天空都市に乗り込んできたスレイヤーによる不意の一撃で、地上に堕とされてしまったのだ。
それ以来、 天空都市への唯一の道のある201階層に造られた。大型転送装置"天の柱"を護り続けていた。
デュラハン・アーマーの思考回路は単純だ。
命令実行、それに尽きる。
ウラヌスからの最後の命令に従い、都市から落とされた今も動き続けているのだ。
デュラハン・アーマーはいつも通りの規則的な順路で移動を続けていた。
デュラハン・アーマーには心と呼ぶべき機関は存在しない、単純な命令をこなすハードウェアに過ぎないのだ。
だからこそ一切情け容赦なく、楽しむこともせず、作業的に殲滅をこなすデュラハン・アーマーは非常に強力だ。SSランクの中でも破格の実力と言える。
最も、デュラハン・アーマーが破格ならネメシスは異次元の実力になるが。
そしてデュラハン・アーマーはとある行き止まりの一角に入った。
そして、突き当たりまで移動すると、引き返した。
が、不思議な事が起きたのだ。
突然、デュラハン・アーマーの腹からドス黒く渦巻く魔力の波動を放つ鎌が生えたのだ。
更にそれは二本に増え、横に咲かれると、デュラハン・アーマーは上半身と下半身に分断され地面に転がった。
身体を起こしたデュラハン・アーマーが最期に見た光景は、眼に突き刺さる寸前の死神の鎌と、微かな影から覗く赤い双眼だった。
それはデュラハン・アーマーの思考回路が、単純なハードウェアでさえなければ起こりえなかったかもしれない。
ただ一つ確かなことは、もう二度とデュラハン・アーマーが護ることはない。
デュラハン・アーマーの完全停止を確認して死神は、落胆した。
こんなモノか……と。
例え、1対1の戦闘なら彼女を遥かに超える実力を持っていようと、所詮、デュラハン・アーマーは学ぶことを知らない単純なハードウェアだった。
狩猟と暗殺スキルを極めた彼女にとってはさして難しくもなく刈れる相手だったのだ。
彼女がしたことは結果だけいえば簡単だ。
死角からの襲撃、ただそれだけだ。
だが、その手段は彼女足り得るだろう。
彼女は、この階のこの一角の微かな影に2ヶ月間、潜り続けていたのだ。
デュラハン・アーマーが、背を向け、その角度が鎌の直線に入るまでひっそりと息を潜めて。
彼女は半分以上影に入りながら大通りへ、デュラハン・アーマーの身体を移動させた。
小道では彼女身体は大きすぎて通路に収まらないのだ。
移動を終えると、彼女はデュラハン・アーマーの身体を全て食べた。
感想は固くて不味かった。
そして、最後に赤々と光を放つ、魔王核だけが残った。
彼女は野球ボール程の魔王核を器用に、鎌の上でコロコロ転がしていた。
彼女は、こんなことなら早く刈っておくべきだったと思っていた。
そもそも彼女の襲撃も、彼女にとっては腕の一本でも奪えたらいいな。ぐらいに思ってしていた攻撃だ。
それで死んでしまうとは拍子抜けも良いところだ。
彼女の中の魔王のレベルが高過ぎたのだろう。巨乳水晶とか鳥とか。
あのレベルなら間違えなく、直感で避ける。というか巨乳に限ってどんなに強化しても鎌が折れる。
ご主人様の日頃の稽古(ストレス発散)は全く生ぬるくは無いのだ。普通の生物なら何十度死ぬことか。
彼女はデュラハン・アーマーの雑魚さ加減に再度落胆した。
とは言っても上位の魔王。貴重な戦力になるのは違いない。
彼女は鎌を上げて魔王核を口に落とした。
そして、体内に入ると彼女の身体が急激に萎縮した。
徐々に輪郭が整うと、身体が爆発的に発光し、光が晴れると新しい魔王がそこにいた。
180cm程の身長で、胸の大きく扇情的な女性型のボディ。
女神像のような優しげな顔だが、赤い双眼は狂った妖しい光を放っていた。
背中には6枚の虹色に輝く透き通った薄い羽を生やす。
そして、無機質な身体を漆黒で統一した機巧がそこにいた。
彼女は身の丈より大きな、一振りの白銀の腹の鎌を構えると一度振るった。
その速度は今までの比ではなく、それから放たれた衝撃波の斬撃は、直線上の遺跡の数十枚の壁を全て引き裂いた。
彼女はあまりもの豹変ぶりに歓喜すら覚えた。
更にステータスを開いた。
"呪怨式死神機巧"
ランク:SS
身体値:400000
魔力値:70000
スキル:
《魔王》
《超再生能力》
《闇魔法Lv60》
《鎌術Lv99》
《脚術Lv99》
《暗殺術Lv99》
《波動斬》
《次元斬》
《呪怨式光子砲》
《一撃必殺》
《無音移動》
《守護神》
彼女は思った。
なんか、凄い増えた。
そして、機巧種になったことでスティンガー創造が消えた。
魔物は人と違い、ランクアップの時にスキルが追加されるから異様に増えたのだろう。
彼女はこのままご主人様のところに帰ろう考えたが、それは破棄した。
折角、魔王になったが、このままではまだ足りないと彼女は思った。
そもそもまだ人には程遠い、強いていえばロボ娘である。
それにデュラハン・アーマーは喋る機能など付いていなかったので当然喋れない、これではなった意味が半減だ。
それなら更なるSSSを狙うか…。
だが、彼女は行き詰まった。
この国にいるSSSランクの魔王は3体だ。
魔水晶女王。
混沌妖薔薇
幻想王女
上から、憤怒、色欲、強欲の七罪魔王という豪華っプリだ。
特に原初の七罪魔王で、理想郷の超魔法特化型のマモンアリスとの相性は最悪である。
ご主人様とはそもそも戦う気は無い、最も魔法そのものであるご主人様に勝てる見込みなどゼロだが。
クロノスローズは本気なら技量で確実に負ける。例え1000年やりあったとしても一本も取れる気がしない。
八方塞がりだ。
そもそも七罪魔王は合計100万超の奴らだ。
勝てる見込みがあるのはそういないだろう。
だが、只のSSSランクではそこまで強くなることは出来ない。
最強への道は七罪魔王への道なのだ。
だから未だに鳥もSSランクなのだろう。
暫く考えていると彼女は気が付いた。
この遺跡がどこに繋がっているか、ということに。
彼女は笑った。悪寒を覚えるほど狂おしい笑みで。
天空都市ウラヌスへの転送装置へと。
そして極北人造神へと。
古代人が造りし究極の機巧。原初の傲慢の七罪魔王。天空都市の神にして絶対のシステム。そして古代人が滅んだ原因でもある。
彼女は歩き出す。
が………。
脚を引っ掛け盛大に転けた。
「………………」
流石に、彼女もこれは予想してなかったようで鳩が豆鉄砲食らったような顔をしていた。
それもそうだろう。急に四足歩行から二足歩行になったのだから身体の勝手が全く違う。脚の幅すら大分違うのだ。
結局、彼女は暫く四苦八苦した上で、宙を浮き飛んで向かうことにした。
~第6回人外魔境~
『と、言うわけで第6回人外魔境の始まりだ』
『やっふー、でございます』
『いつも通り豆腐メンタルのスドーと、チィちゃんと、私でお送りするわぁ』
『まず最初のお便りだ』
Q:クロロ一日十億のむし殺してるけどそこで頑張らないのかな?Cランク程度なんで足しにならないのでしょうか?魔王化の。強さの差で経験値が激減するオンラインゲームがよくあるけどそんな感じでしょうか?
『ふむ、Cランクの経験値を1とするとSSランクになるのに10000000000000(10兆)ぐらいするんだよな』
『だからSSランクになるのに何千何百年も掛かるんでございますよ。ちなみに私は2000年掛かったでございます』
『私もそんなもんだったわねぇ。オンラインゲームってなにかしらぁ?』
『気にするな、次だな』
Q:人類なんで滅んでないんでしょ・・・魔王強過ぎる。何十人もいるのに。
『それは私が答えるわぁ。そもそも人がいうところのぉ、神々の黄昏にいたのは私だけだしねぇ』
『そんなんあったのか?』
『黄昏決闘の元でございますよ。伝承通りなら魔王対魔王の決戦が、神々の戦のようだったとか』
『うん…あん…うん…よし…そんな生ぬるいモノじゃない。正確には、人を滅ぼさんとする七罪魔王2体、それの武力により集結した魔王389体と。人を護らんとする七罪魔王3体、それに賛同した158体の魔王。300万年前に起こった魔王最大の戦争だ』
『(あ、目と口調と声がマジになったでございます)……そんなにいたのでございますね。魔王』
『そうだ。その戦争のせいで100体未満に落ち込んだがな。最も100年に及ぶ戦争の余波だけで、3つの大陸をほろぼしたが』
『魔王ェ…』
『あん…ああ…うん…でもぉ、その時に七罪魔王の愛羅神楽を仕留めれたからこうなれたんだけどねぇ』
『そうなんだ…』
『極北人造神を仕留め損ねたのが唯一の心残りだわぁ』
『コレぐらいにしておくか、長くなりそうだ』
『その当時から、人に味方する魔王が結構いたって事でございますよ。最近は悠久の時を生きる魔王にとって、人の文明は大切な娯楽でございますからね。好んで人を殲滅するのは少数派でございますし、大概他の魔王に淘汰されるでございます』
『あらぁ? 私は人撲滅陣営だったわよぉ。途中で裏切ったけどねぇ。次にしましょうねぇ』
『………(なんかスゲーその話聞きてぇんだけど)』
Q:スキル「女王道」「金の翼」「神罰」「宿り木」「弟子」 とはどのようなものでしょう。
『女王道は、物事に自分以外の他の魔王が関与していない限り必ず成功するチートスキルだ。女でSSSランクの魔王なら誰でも持っている。男だとスキル名が覇王道になるぞ』
『金の翼は飛ばしたり、包んだりして羽に触れた象の時を完全停止させる能力でございます。羽に触れてる面積が大きいほど効果成功率が上がるのでございます』
『神罰は…奥の手ですから秘密でございますよ。文字通り私の"必殺技"でございますから』
『弟子は師の1%の能力を弟子に補正する加護だな。時期が長ければどんどん補正も上昇する』
『宿り木は対象に私の種を植え付けるスキルねぇ。人を植物人に変えるのよぉ。あと性別もねぇ』
『は?』
『え?』
『だってぇ、天然物の百合乙女ちゅんって中々いないのよぉ。無理矢理ヤるのは何か違うのよねぇ』
『お前…まさか…』
『あの娘たちみーんなぁ…迷宮で捕まえた男の子たちよぉ?』
『殺してやるうぅぅぅぅぅ!!!!!』
『ちょ…スドー様!?』
『(ニヤリ)←手を触手にした』
~決して真似をしてはいけないぞ☆(目を細め、リリウムちゃんを膝に乗せながら風呂に浸っているスドーが写った)~
『……ぁ………ぇ………ぅ…』
『バカねぇ、室内で私に勝てるわけないわよぅ(ツヤツヤ)』
『あんなところまで触手を入れるなんて…鬼でございます…性欲の鬼でございます…』




