混沌妖薔薇
皆さん感想どうもです。
「ふーん、やっぱり足止めにもならなかったわねぇ」
クロノスローズは遊び疲れてテーブルに伏して寝てしまったリリウムを横目にいつの間にか切り株のテーブルに生える小さな花に話しかけ始めた。
「なら次はあなたかしらぁ?うふふ冗談、あなたは戦力にならないものねぇ」
クロノスローズは小さな花を撫でながらゆっくりと立ち上がった。
「そろそろ行こうかしらぁ?勿論あなたもね」
そう言うと花は溶けるようにクロノスローズの手に吸い込まれた。
その時、一瞬白い何かが2度横切った。
「あらぁ?」
前を見るとそこに小さな寝息を立てていたリリウムがいなかった。
「やられたわぁ」
そう言い前を向いた刹那。
轟音と共に視界を白が埋め尽くした。
俺は棘の塔だった場所に丸く空けられた禿山を下に見ながらリリアナちゃんと爆睡中のリリウムちゃんを両脇に抱え空中に浮いていた。
横では魔法を放ち終わったネメシスが浮いている。
俺がリリウムちゃんを救出し、ネメシスが魔法を放った。ただそれだけのことだ。
「Lv80光魔法、天崩でございます」
Lv80光魔法、天崩。
直径数百~数千mの極太のビームを上空から落とし、その通った空間の全てを殲滅する広域魔法だ。
依然として空から流れ落ち続ける光の光景は天が崩れ落ちるように見える。
「いるな…」
だが、依然として天崩の光の中に莫大な魔力の渦を感じる。
すると中から素手で天崩を割り、人影が現れた。
天崩が丁度終わり、鮮明に見えるようになったその人影は蕩けた笑みを浮かべ、地より俺達を見上げるクロノスローズだった。
「ちゃんと来てくれたのねぇ。嬉しいわぁ~」
まるでダメージを受けてないな…。
「これを受けてほぼ無傷とは流石は七大罪祖王の1体なだけはあるのでございますね……」
七大罪?
「なにそれ?」
聞き返したらネメシスは、え?なにコイツあり得ないだろ。とでも言いたげな顔をした。
悪かったな穴だらけの知識で。
「スドー様もその1体の"憤怒"でございませんか…」
「なん…だと……」
なんだか知らんけど………ってそんなこと考えている場合ではない、リリウムちゃんとリリアナちゃんを抱えたままでは戦闘など出来まい、ネメシスは帰るように言うか。
「……とりあえずお前たちは帰…」
横を見ると既にネメシスはいなく、代わりに"ファイトでございます"と魔力で書かれた文字が浮いて、遠くに米粒みたいになった金色の翼が見えた。
あのアマァ…リリウムちゃんの回収が済んだからさっさと帰りやがったな………。
まあ、どうせこの場では戦力にはならんから良いか。
「あらぁ?空気を読んで消えてくれたのねぇ、うふふ、利口な娘は好きよぉ」
「混沌妖薔薇ステータス」
色魔はほっておきステータスを開いた。
混沌妖薔薇
職業:古代武術家
ランク:SSS
身体値:730000
魔力値:300000
スキル:
《混沌妖薔薇》
《自然魔法Lv99》
《火魔法Lv99》
《我流太古武術Lv99》
《魔王》
《女王道》
《植物生命創造》
《迷宮創造》
《魅了の眼》
《生存本能》
《自然再生》
《宿り木》
………身体値は俺より200000上か。
魔王も職業取れるのか、古代武術家ねぇ…百合強姦魔の間違いだろ。
「うふふ、もう逃がさないわよぉ」
その言葉と共に裁きの森や塔だった場所から次々と大樹の幹を遥かに越すような太さの棘が生えてきた。
10本20本どころ話ではない、400…いや500本以上の数kmの長さがある巨大な棘が俺を囲うように生えていた。
「別に逃げねぇよ。どうせ逃げたら地の果てまででも追ってくるだろ?」
「当たり前よぉ。絶対私のモノにしてあげるわ」
変態もここまで来ると清々しいな。
「黙れ、テメェはこの場で殺す」
俺は手を上に上げ翳すと光の粒が集まり、空を覆い隠すほどに巨大な海色の物体が現れた。
数kmはあろうかという剣だ。
振り上げられた状態で空に浮いている。
「あらぁ…本当に良いわぁ…アナタ」
あいかわらずクロノスローズは悪寒のする笑みを浮かべたまま俺を見上げていた。
「死ね」
手を下に下げた。
それと共に質量からはあり得ないスピードで剣は地面に吸い込まれるようにクロノスローズに落ちた。
さながら空が落ちるように見えた。
「良いわぁ…良い」
次の言葉は爆音、地割れ、衝撃波、破壊という破壊によって地表と共にかき消された。
降り下ろされた剣は塔の建っていた丘を削るだけに留まらず高い土煙と土石を巻き上げ、地表に大規模なクレーターを作っていた。
………おかしい…コレほ巨大だが魔水晶製の剣だ。全ての鉱物を凌駕する硬度と万物を超えた切れ味をしている。
それなのにクレーターが出来るというのはおかしい…。
土石が再び地面に落ち、土煙が徐々に晴れるにつれて剣先とクレーターの中心の接触部が見えてきた。
「うふふ、本当に良いわねぇ……」
そこには健在のクロノスローズが笑みを浮かべていた。
「マジかよ………」
俺が驚愕したのはそこではない、元より攻撃が当たるとは思っていない、牽制程度に放った攻撃だ。
だが、剣はかなりの威力があったはずだ。それこそネメシスなら木っ端微塵になるような威力が。
それをクロノスローズはそれを避けることもいなすこともなくクレーターの中心で中指と人差し指の指のたった2本の指で剣を挟み止めていた。
「良いわぁ…そんなにされたらぁ…」
その時のクロノスローズの笑みは捕食者が獲物にするような獰猛で狂喜の孕んだ笑みだった。
「…私もぉ、壊したくなっちゃうわぁ」
~第1回人外魔境~
『さあ、記念すべき第1回目が始まった。進行はお馴染み魔水晶女王こと俺と、ベイオウルフ家の穀潰しこと神罰淑女でお送りするぞ♪』
『前回のことまだ根に持ってるんでございますか!?』
『持たれたくないなら働け。魔王は食わんでも死なんし空腹にもならんのだから飯を…、』
『さあ皆さん!この穀潰しめにどしどしお便り(感想)をお寄せください!』
『よし、まず最初のお便りだ。どれどれ…』
Q:この世界に魔力汚染的なのは在るんだろうか?
『ふむ、魔力汚染か…強いて言えば有るといえば有るのだがないといえば無いな』
『スドー様答えになっておりません』
『ん?そうか。えーと要するにだな、人と魔物は根本的に魔力の意味合いが違げぇ。例えるならししゃもとカペリンぐらい違う』
『…………詳しく説明しますと、人は肉体を中心に魔力を補助に生きております。それと違い全ての魔物は大なり小なり魔力核と言われるものを中心に肉体を形成し生きているのでございます』
『そ、つまり人はその魔力核が存在しねぇんだ。それで魔物にとって魔力核は人にとっての心臓あるいは脳だ』
『ここで問題となる魔力汚染でございますが、魔物にとっては魔力を汚染されることは魔力核を汚染されること、すなわち心臓や脳を犯されるも同じでございます。が、人にとっては肉体が主で魔力はサブ程度でございます』
『例えサブが汚染されても肉体には全く影響が無い。汚染されていても問題なく魔法は使えるし肉体的にも支障をきたさない、どうしてそうなのかと言われれば進化の形としか言いようがないな。まあ要する人は魔力汚染に凄まじく強い耐性のある生き物だということだ』
『ちなみにでございますが、魔水晶森を例にとるとよくわかるのでございます。マスターは森に入ってもいつも通りなのに関わらず私が入ると魔力を粗方搾り取られ墜落するほどでございますからね』
『まあ、魔王の核は魔力核ではなく魔王核といい魔力核とは大分異なるのだがそれはまた別のお話としよう、うん』
『プラスでいうのなら魔王の魔力と普通の魔力はまた別物でございます。もっともやはり人への魔力汚染は無意味でございますけど』
『まあ深みにハマるのでこのお便りはこれぐらいにしておこう。下の方にも質問が書いてあったが他のお便りが答える時間が無くなるので1コーナー1つで頼む。えーと次々っと…ん?お前当てだな』
『え?私でございますか?』
Q:魔王の男女比率と変態、正常、清浄の比率はどれぐらいですか?
教えてエロい人
『エロい人でございますか…それは誉め言葉でございますね!』
『ダメだコイツはやくなんとかしないと』
『男女比は2:6:1ぐらいでございますね。それで…、』
『待て、最後の1はなんだ?』
『両性具有、あるいは性別の無い魔王でございますね』
『そんなのもいるのか魔王は…』
『それから次のは…9:0:1ぐらいでございますね』
『正常0かよ………』
『魔王の時点でまともな思考のは0でございますよ。皆何かしらの分野で(頭が)逝ってるのでございます』
『俺は正常だ!』
『シスコン』
『ぐっ…妹を愛していることの何がいけない!?』
『………無自覚なのが1番危ないのでございますよ…それはそうと清浄でございますがスドー様?』
『なんだ?』
『処女でございますね?』
『ぶふぅー!?』
『あら?カマを掛けたら思った通りの反応でございますね。ほらここにいたでございますよ清浄』
『それは意味が違…、』
『さー、次でございます』
Q:では質問、アマゾネスのレズ比率は如何程?
『………これは私では解りかねますので人外魔境の次の追加メンバーに任すとするのでございます』
『おい、さりげなくネタバレするな。ったく…ん?コレが最後か』
Q:そういえば今一番強い魔王って誰なんでしょうか?
『………………』
『………………』
『(ボキボキ)歯ぁ食い縛れや穀潰し…』
『え?ちょっ…まっ…、』
《非常に暴力的なシーンです♪良い子も悪い子も大きなお友だちもこんな魔王になっちゃダメだぞぅ♪(お花畑を笑顔で走るリリウムちゃんの絵が替わりに出た)》
『…ひゅ ー…ひゅー…ひゅー…』
『と、言うわけで今のところの最強は俺だ。今日はこの辺でさようなら~』




