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薬屋の聖女 ~家族に虐げられていた薬屋の女の子、実は世界一のポーションを作れるそうですよ~  作者: 木嶋隆太


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第53話


 私はひとまず問題なく魔物狩りが出来た。

 ちらと私は、ルーちゃんを見る。

 うずうず。ルーちゃんの毛が震えている。


「次はルーちゃんの番だからね」

「がう!」


 私がその体を撫でると、嬉しそうにルーちゃんが吠えた。

 それから少し森の中を移動してく。ゴブリン一体を発見したところで、バルーズ様がこちらを見てきた。


「それじゃあ、次はルー。やってみるか?」

「がう!!」


 ルーちゃんが元気よく尻尾を振って前に出る。

 その声にゴブリンが反応して、こちらへと迫ってきた。

 わっ、まだ準備ができていない。


 そう思ってルーちゃんへと視線を向けると、すでにルーちゃんは駆け出していた。

 そして、ゴブリンへと迫る。

 は、速い! 私が想像していたよりもずっとルーちゃんは素早い。


 ゴブリンは慌てた様子でルーちゃんに棍棒を振りぬいた。危ない! そう思った次の瞬間、ルーちゃんはすでにそこにはいない。


 消えるようにゴブリンの側面へと回っていた。


「がう!」


 ルーちゃんは声を上げると同時、ゴブリンの肩へと右前足を振りぬいた。

 鋭い一撃がゴブリンの肩を切り裂く。


「ぎゃ!?」


 ゴブリンは痛みを訴えるように声を上げる。怯んだゴブリンへ、ルーちゃんは体当たりする。

 その巨体によってゴブリンは弾かれ、地面に寝そべる。

 

 もう、そこからは一方的だった。

 ルーちゃんが爪で喉をかっさばいた。


「がう!」


 ルーちゃんはとても誇らしげにこちらへと迫ってくる。

 倒した獲物を見せつけるよう、頭を持ってきて――。

 ぎゃあ! ゴブリンの頭持ってこないでよ!


「る、ルーちゃん! 分かったからそれは置いて!」

「……がう!」


 ルーちゃんは少し残念そうにしたが、ぽいっとゴブリンの頭を放り投げた。

 ルーちゃんの口元についていた血を拭きとってから、私は頭を撫でる。


「……ルーはかなり強いな。ゴブリン一体じゃなくても戦えるんじゃないか?」

「がうがう!」


 ルーちゃんは「任せろ!」とばかりにバルーズ様へと声を上げていた。

 ……確かに、さっきのルーちゃんの動きを見るにゴブリンが複数いても問題なさそうにも見えた。


「大丈夫なのルーちゃん?」

「がう!」


 元気よく頷いたルーちゃん。

 それでもちょっと心配。


 バルーズ様が新しくゴブリンを探して歩き始める。

 私たちもその後をついていき……そして発見したのはゴブリン三体だ。


「……さ、三体はさすがに無理じゃないかな?」


 私はルーちゃんの方を見る。しかし、ルーちゃんの目はやる気に溢れていた。


「ガウ!」


 これまでとは違った気合のこもった雄たけびだ。

 うーん、大丈夫かな? そう思っていた私の肩をバルーズ様がとんと叩いた。

  

「何かあったらすぐに助けられるように準備しておく。任せてみたらどうだ?」

「わ、分かりました。それじゃあ、ルーちゃん。無理しないでね!」


 私が言うと、ルーちゃんは一気に駆け出した。

 ゴブリン三体がルーちゃんに気づいたときには、すでにルーちゃんの射程圏内へと入っていた。

 その爪でゴブリンをさくっと切り裂いた。寸分の狂いなく首を切り裂いた一撃に、騎士たちからも感嘆の声が漏れた。


 仲間をやられたからか、ゴブリンたちは怒りのような雄たけびを上げて棍棒を振りぬいた。

 しかし、ルーちゃんはあっさりとかわす。さすがに速度でゴブリンに劣るということはなさそうだった。


「ガウ!」


 残っていた二体のうちの一体を、爪で切り裂く。こちらも喉を捉えての一撃だ。

 ……ルーちゃん。もしかして私が思っていたよりもずっと強い……のかな?

 

 そして、最後の一体は首へと噛みついて仕留める。

 あ、あっさりだった。


「る、ルーのやつ……オレたちよりも強くないか?」

「あ、ああ……そうだな」


 騎士たちが驚いたような声をあげ、ルーちゃんは嬉しそうに駆けよってきてお座りをして尻尾を振っていた。


「ガウ!」

「凄かったねルーちゃん!」


 私はとりあえずその頭を中心に全身を撫でまわす。

 ルーちゃんは嬉しそうに体をこすりつけてくる。


「……これなら、下手な護衛よりもよっぽどルーネを守れるかもな」

「がう!」


 バルーズ様の言葉に、ルーちゃんが雄たけびのような返事を行う。

 バルーズ様は笑みを浮かべ、ルーの頭を軽く撫でた。


「それじゃあ、ルーもルーネも十分に戦えるのが分かったことだ。引き続き、魔物狩りを進めようか」


 バルーズ様に対して、騎士たちが声を張り上げた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] うさぎのポーション煮込み、精が付きそうだw [一言] 53話は前に上がってましたね。 54話は初見です。
[気になる点] 53話と54話、順番が逆に入れ替わってます? 最新話だと思って読んだら前回と同じ53話で、不思議に思って1個前のを読んだら新しい54話でした。
[気になる点] ルーちゃん強くてポーション使う必要がない・・・
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