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薬屋の聖女 ~家族に虐げられていた薬屋の女の子、実は世界一のポーションを作れるそうですよ~  作者: 木嶋隆太


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第45話


 まあ、そもそも私は裏側で少しだけ作業をして、舞踏会の様子を眺めたらアトリエへと帰還する予定だった。

 だから、ある程度仕事をしたので、戻ってきたんだけど……。


 アイリーン……様、だよね?


 改めて受け取っていた似顔絵をじっと見る。

 誰が書いたのか分からないけど、彼女の特徴を示す程度でそこまで上手とは言えない。


 ……えーと、銀色のツインテ―ル……うん合ってるね。

 水色のドレス……も合ってる。身長に関しては140㎝程と書かれている。今は座って壁にもたれかかるように眠っているのではっきりとは断定出来ないけど、たぶん小さい方だと思う。

 

 私も150cmほどで小さいほうだけど、アイリーン様はさらに一回り小さく見えた。

 ちなみにニュナは私より10cmほど高いと思う。身長を聞いたことはないけど。


 つり目がち……というのはちょっと分からない。


 今のアイリーン様は眠っているみたいなので、起こしてみないとそれは分からないと思う。

 アイリーン様はすやすやと眠ってしまっている。

 

 こんなところで不用心な、と思わなくもないけど……まあ屋敷内に入れる人はみんな一定以上の立場を持っている人だしある意味安全なのかな?


 とりあえず起こしてみようかな?

 ただ、似顔絵の横に書かれている「基本、狂暴なので注意」という言葉が気になる

 まるで獣か何かの取り扱いみたいに書かれている。


 これ貴族のご令嬢の説明に付け加えるものじゃない。

 でも、このまま放っておいてアトリエに入るわけにもいかない。

 バルーズ様とも約束しているわけだしね。


 私はアイリーン様の肩をゆすってみた。


「あ、アイリーン様……ですか? あの起きてください」


 私はその小さな肩を掴んで揺らす。もしかしたら、こういうのは失礼に値するのかもしれない。

 でも、正直これ以外の方法は思いつかなかった。


 しばらく揺らすと、アイリーン様はぱちり、と目を開けた。

 ……目が開くと人形みたいに可愛らしい。

 それが目の前で動いている。


「あんたは……えーと、メイドさん? この屋敷の?」


 アイリーン様がこてんと首を傾げる。それに合わせ、ツインテールが揺れた。


「えーと……正確に言うと違います。この屋敷に最近雇っていただいた薬師ですね」


 今はメイド服を着てしまっているので誤解を与えてしまったようだ。

 アイリーン様は眠そうな目をこすり、それから思いきり背筋を伸ばした。


「まあ、なんでもいいわ……ねえちょっと教えてほしいんだけど、舞踏会が終わるまでの間。どこか時間つぶせる場所ない?」


 アイリーン様の言葉に私は驚いていた。舞踏会に参加したくない……?


「……時間潰せる場所ですか? 舞踏会には参加しなくてもいいんですか?」


 そう訊ねると、アイリーン様はひらひらと手を振った。


「面倒なのよ。参加したくない」

「えぇ……」


 なんで来たんだろう? 家の命令とかかな?


「だから、時間を潰せる場所に行きたいんだけど、どこか知ってたら教えてちょうだいよ」

「一応知っていますけど……とりあえず私、一応アイリーン様を見つけたら報告してほしいってバルーズ様に言われているんですけど」

「ああ、そうなの? じゃあ報告していいわよ? 体調不良で参加できないって言っておけばたぶん納得するだろうしね」


 仮病の常套句らしいことをあっけらかんと言ったアイリーン様。

 けど、それでいいならとりあえず報告しよう。

 

「分かりました。私は一度屋敷の方に戻ります。それまで、このアトリエ内で休んでいてください」

「え? ここって前まで倉庫として使われていたわよね? 今はアトリエなのね」

「はい。私の住んでいる場所で、時間を潰せる場所というかまあ隠れ家として使っても問題はない場所になりますね」

「分かったわ! それじゃあ中に入って待っているから、あんたすぐに戻ってきてね。それで、あたしの話し相手になるのよ」

「分かりました。中にはルーちゃんっていうウルフの魔物もいますから」

「……え? ま、魔物……大丈夫なの?」


 不安げにこちらを見てくる。

 普段、ルーちゃんは外の小屋にいる。

 だけど、貴族の人たちがルーちゃんを見て驚いてしまっては大変なので今はアトリエ内に入れている。


「大丈夫ですよ」

 

 でもとりあえず紹介だけはしておいたほうがいいかな?

 ルーちゃんとアイリーン様を引き合わせた後、私は屋敷の方に戻っていった。

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