東北ツーリング④
この物語はフィクションです。
東北大震災は話しが有ります
苦手な方は読み飛ばして下さい。
俺たちは今仙台を出て、石巻から海岸線を走っている震災から随分経つのに未だに、基礎だけ残っている場所がある、海岸沿いも工事がかなり進んでいるが まだまだ先は長そうだ、本当に大変な震災だったんだなと感じる、でも会う人みんな笑顔で迎えてくれる、それがより一層 心にしみる
シオーネにも震災当時の話しをした、俺はまだ幼かったから何も出来なかったが、テレビで見ていただけだったけど、津波の映像は衝撃的だった
シオーネと慰霊碑と何か役に立てないかと仮設店舗等を巡った
南三陸~気仙沼~大船渡~釜石~宮古を巡り、美味しいご当地グルメを頂いた
逆に俺は元気を貰い、その日は
シオーネの希望も有り、盛岡からちょっと先に有る山の上に有る藤七温泉に泊まった
このまま日はやけにシオーネが優しく俺を甘えさせてくれた
何も無いけどね
翌日は八戸に寄ってから青森方面を目指し出発した
途中、昼飯を食べ様とカフェを併設したパン屋さんを見付けて
入る事にした
店内はお昼時なのに客はまばらで、俺は失敗したかと思ったが
パンの焼ける香りに負け、ここに決めた
デニッシュが美味しいし、失礼だけどこんな田舎でこんな美味しいパンが食べられるとは思わなかった
俺達が食べていると、他の客も居なくなり、店の奥から可愛い女の子がやって来て
「いらっちゃいませ、ママのおてちゅだいしてるの」
ヒ「偉いね、何歳」
「みーちゃんはさんちゃい」
指は4だがうまく3に出来ないみたいだ
シオーネが偉い偉いと頭を撫でてあげるとはにかんだ
そんな微笑ましいやりとりをしてると、女性店員がこちらに来ると、みーちゃんが「ママ~」と言って足にしがみついた
「すみません、娘がご迷惑を」
シ「大丈夫ですよ、可愛いお嬢様で」
ヒ「可愛いからほっこりしてました」
「ありがとうございます」
ヒ「デニッシュ凄く美味しかったです、またこっちに来た時には
寄りますね」
「実はここ、今月いっぱいで閉店何です」
ヒ「何でこんなに美味しいのに」
訳を聞くとご主人が癌で亡くなり、店の開店資金と治療費で借金が有り、店の売上だけでは、
家賃も払えないと
俺はまだ世間知らずのガキだけど、今ならできる、失敗しても騙されても良いと思い、
シオーネと話し助ける事にした
最初は信じずに居たが借金額を聞き出し400万円位と言うので、
鞄から出すふりをしながらアイテムボックスから500万円出した
ヒ「これだけ有れば続けられますね」
「勿論お金は受け取れませんし
お金が有っても無理なんです」
さらに訳を聞くと店主さんは
地元では無く、馴染む前にご主人が亡くなり、店を開いても
赤字でやって行けないんですと
俺も考えて、『借金が有り、小さい子供が居て、生活費も稼がなきゃ行けない、しかも地元じゃ無い』
もお積み状態じゃん
ヒ「東京でパン屋さんやりませんか、勿論資金は出します、それにうちの母ちゃん、旅行研究家で店舗プロデュースもしてるんで」
それでも話が進まないので、
母ちゃんに電話して話してもらった
かなり長い間電話してたが、根負けして、東京に店を出す事に成った
『母ちゃんスゲー』
「名前も名乗らず、すみません
私は峰岸由紀恵と申します
娘の美依子です、よろしくお願い致します」
ヒ「俺は千田裕樹です」
シ「シオーネ.リンクスです
すみません、ヒロキが強引に話しを進めて」
ユ「実は私もこれからこの子と、どうしたら良いかと思っていたので、まさかこんな事が起きるとは」
由紀恵さんは涙ぐみ、パパが見守ってくれてたと泣き出すと、
みーちゃんがママ、ママと一緒に泣き出し、俺達もウルっときてしまった
遠慮していたが、実際に動くにはお金が掛かるので、500万円渡した、後は母ちゃんと話し合って貰い
『母ちゃんに丸投げに成っちゃうな』
その後、俺らは青森に向かった
シ「ヒロキは誰かを助けたかたんだね」
ヒ「偽善者だけど、今の俺にはシオーネのおかげで力も金も有る
自分の手の届く範囲しか出来ないけど助けられるなら助けたい
偽善だと解っていても」
シ「私はヒロキの思う事を応援するし、手伝いたいと思ってる」
ヒ「ありがとう、これからも迷惑を掛けると思うけどよろしくな」
シ「大丈夫、ずーーっと一緒だからね」
こうして、偽善者と言われても
誰かを助けて生きて行く事を決めた日でした
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