後日談3 豆を求めていざ市場へ!
私たちは、お祝い料理用の食材を求めてチョコザイナー領内にある市場に来ていた。
フローレンス領は野菜メイン、ユージーン領なら魚がメインという感じで、それぞれの領地の得意な特産物が並ぶ。
チョコザイナー領は麦と香辛料を得意としている。
チョコザイナー家の護衛もついてきてくれて、みんなでめいめい食材を探していく。
ミゲルは早速、当初の目的を忘れて串焼きをほおばっている。
口のまわりは肉の脂でベトベト。
姉ちゃんの結婚を祝うんじゃなかったんかい、ミゲル。
「くーーー! カインも来ればよかったのにな。山クマの香味焼きめちゃくちゃウメェ!」
「カイン王子は先月からグレアス王国で留学中だもの。オーキナの友好国だから親交を深めるためにって。普段ちゃらんぽらんでも、ちゃんと国のこと考えているのね」
「おれには真似出来ないよ。すごいねぇ」
「ミゲルも一応、次代の伯爵でしょう。お父上のあとを継ぐなら、王家に仕えるんでしょ。クロムがすでにそうだし」
クロムはカインの補佐官をしている。
カインはすぐ逃げるから、仕事が後ろ倒しになる。
きちんと仕事をさせようとして、真面目なクロムは毎日胃が痛いと嘆いている。がんばれ弟。
雑談しつつ、露店を見て回る。
海外旅行番組に出てきそうな感じで、木箱に山積みの果物や香辛料たち。
映えなんて意識しない、本当の山積みだ。
薄い板に手書きした値段ボードがさしてある。
私の目は山の中の一つに釘付けだった。
小ぶりで赤みの強い豆。
「この豆、アズキに似ている気がするわ。ねえおじさん。これは普段どう料理しているの?」
「おぅ、この赤マメは俺んちじゃスープに入れとるぞ! あとはサラダ。煮込むと赤い色がスープに出て、柔らかくなるんだ。嬢ちゃんのほっぺたが両方共落ちちまうかもな!」
商人のおじさんは自分の商品に自信大。
カッカと腕組みして大笑いだ。
聞いたところ本当に小豆に似ている。
こんなところも中途半端に日本要素がはいっている。ありがとう、乙女ゲーム開発チーム。
赤飯を作れるなら、あずきバーやらアンミツやら作れるじゃない。
「いいわね。買うわ!」
「毎度アリィ!」
いろんな種類のものを作ることを考えて、背負えるくらいたっぷり買った。
赤飯以外のWASHOKUも作ったらコリンも喜ぶわね。コリンは和菓子大好きだから。
私が買ったところでヨイとコリンも良さげなものをみつくろっていた。
「クリティアー! 見てこれ! 使えそうじゃない?」
「これも良さそうですよ。うちの領地特有のお祝い料理も作ったら喜んでもらえそうです」
コリンは香りのいいハーブのたぐいを買い集めていた。
ヨイも艶のいい野菜をみつくろっている。
「みんな買い終えたようなら、戻ってお祝い料理の試作をしましょう!」
「「おーー!」」
食材を揃えた私たちの後方では、ミゲルがまだ屋台の肉を食べていた。
くいしんぼだな本当に。





