38 悪役令嬢に転生した干物女はたこわさを食べたい。
クリティアです。
前回市場でキッチンカーをしたのを覚えているだろうか。
なんとなんと!
あの日休憩がてら市を見てまわっていたら、見つけてしまったんだ、アレを!
今日は新メニュー開発のため、厨房に立つ。
私がずっと欲しかった食材、ワサビだ!
日本のようなワサビを探していたから間違っていたんだ。
ここは異世界。なんちゃって中世ヨーロッパ風世界だ。
この世界でのワサビは、西洋ワサビ……ホースラディッシュだった。
ヨイのところで買ったタコを茹でて魔法保冷庫に入れていたから、つまり、
たこわさを作れるのよ!!
「ホースラディッシュもWASHOKUに使えるんですか」
「もちろん。醤油、味噌がWASHOKUの必須アイテムだとしたら、ホースラディッシュはこの二つを支える最強のサポーターなの!」
マイキッチンに立ち、デールがメモを片手に待機する。デールに伝授すれば日常食に出してくれるから覚えてもらわねばならぬ。
ワサビを粗切りとすりおろしニ種用意し、醤油に混ぜる。
ぶつ切りした茹でタコ足と和えたら出来上がりぃ!!
「完成、たこわさ!」
「おおおおおっ! シンプル、それでいていい香りでよだれが出てくる!」
ついでに白飯と醤油タレ焼き鳥、ビールを添えて、いただきまーーーーす!!!!
「くぅーーーー! きぅくう!! うめぇ!」
ピリッと舌先にくる辛味、鼻を抜けるこの感覚。
タコの歯ごたえと醤油の香りも最高である。
そんでもってネギマと軟骨焼き鳥もうまい!
白飯も一緒に頬張ってらビールで一気に流し込む。
デールもいつもの試食以上に目が輝いている。辛いもの好きなのかもしれん。
「タコ焼きもいいですが、こちらはよりタコの食感が活きますね! なんて刺激的で美味しいんだ! これはバゲットに合わせてもワインが進みます」
「そうなのよ! 洋食にも合うの!」
異世界転生しておセレブ飯しか出てこないときは絶望のどん底だったけれど、ああ、やっぱり美味しいは作れるのよ。
「新メニューよ! 新メニューだわ! ヨイのところにもうちの領地からワサビを流通させればお互いの食材が売れてWin-Win! ミラとコリンも領地にレストランを開きたいと言っていたから、ワサビ料理を提供しましょう!」
うちの領地から広まり、ジャージのときのように触発された他の商売人たちが店を開けば、野望が達成される。
この世界でも気軽に和食を囲みたいという野望が。
いい感じに酔っ払ってたところで母上が入ってきた。
「クリティア、ちょっと話が……って、飲みすぎるなとあれほど言っておいたのに何をしているのです!」
空きジョッキ三つが見つかってしまった。一杯までという約束を破ったのできつーいお叱りを受けた。くすん。





