33 悪役令嬢に転生した干物女はハンテンを着ておでんを食べたい。 ☆挿絵あり
前回までのあらすじ。
とうもろこしは美味しい!
2024/07/28 21時13分 レシピ追加
はーい、クリティアです。
母上に部屋から出るなと厳命されたので調理場にこもっています。
今日はクロムのお見合いをするんだってさ。
クロムも20才になったから、次期当主としてお嫁さんたち探しを本格化しなければならない。
お見合いを邪魔するつもりはないけれど、初日に相手の家族が勢揃いしたら緊張するものね。
クロムが好きな人と結婚するのが一番。
相手がクロムのことを気に入ってくれたらいいわね。
でもちょっと、クロムはミラのこと好きなんじゃないかなーと思っていたから、お見合い話に発展したのは意外だったわ。
調理場横の小上がりで、ルールーがいれてくれた緑茶を飲む。
最近涼しい日が増えてきたから、我が家の専属仕立て人マダム・ソアラに依頼してハンテンを作ってもらったわ。
毛皮のコートなんてお高いもの、汚すのが怖くて普段着にできないじゃない。
我が領地、海も鉱山もないけれど、土がいいから野菜を始めとした作物がよく育つ。
綿花も多くとれるから、特産品の一つとしてハンテンを売り出してみることにした。
ふかふかの綿が詰まっていて、肌寒い日にはこれがあればあたたかく過ごせる。
ジャージにハンテン、ちゃぶ台と座布団。
実家のような安心感。
ときおり火にかけた鍋のフタをあけて、様子をうかがう。
「うんうん、いい感じに煮込めているわ。いったん火を止めましょう。冷めるときに味がしみていくのよね〜」
鍋の中身はおでんだ。
この世界にはいわゆるポトフがあるけれど、ニンジンと玉ねぎとウインナーで煮たトマトスープだ。
美味しいけど、私が晩酌で食べたいのはおでんだ。
フローレンス領の大根、ニンジン、ゆでたまごに焼き鳥。そしてヨイにもらったタコ足。小魚はすり身にしてカマボコを作ったよ!
ウインナーと鶏つくねも入れたから、大根は出汁が染み込んでいい色になっている。
醤油もいい仕事してる。
そしておでんのお供となるのは、熱燗にしたショチュー。
ミーティア領は腕のいい陶磁器職人が多いというので、お猪口と徳利を作ってもらったのだ。
味の染み具合を確認するために、各具材を少しずつ器にとって、燗したショチューでいただく。
もちろんあぐらをかいて伸び伸び。
母上はクロムとお見合い相手のところにいるだろうから、見てないもんね!
「はー。おいしー!!!! 異世界でおでんを楽しめるなんて幸せ! タコはもう少し煮込みましょう。カマボコはもういい具合ね。大根ももう少し煮込んでー」
「お嬢様、お茶のおかわりですのー」
「ありがとうルールー」
緑茶ハイもまた良し!
「クリティア、ちゃんと大人しくしている?」
「はっ!」
母上が入ってきた。
ジャージonハンテン姿の私を見て、おののいた。
「な、何なの、その田舎くさい格好は」
「あ、ハンテンですか? マダム・ソアラにお願いして作ってもらいました。母上も一着いかがでしょう。とってもあたたかいですよ。ついでにおでんの味見もお願いします。今度のレシピ本に載せる予定なので」
母上に手招きしてドレスの上から試作ハンテンを着せ、おでんを器によそってレンゲを添える。
「あら、本当にあたたかいわ。……このおでんというのも、ポトフみたいだけど味が全然違うわ。魚介の香りがして旨味が……。鶏のミートボールにもなにか入っているのね」
「さすが母上、味覚が鋭いですわ。臭み消しにすりおろしたジンジャーと胡椒、ネギを入れています。シメのうどんもぜひ食べてくださいませ」
やっぱり母上レポーターに向いてるわー。
ついでにお猪口にショチューを注いで渡す。
「ささ、これも一杯どうぞ」
完全にこっちのペースに持ち込んで、お見合いを終えたクロムが様子を見に来たときには母上が出来上がっていた。
「何してるんですか、姉上だけでなく母上まで」
「あらクロム。お見合いは終わったの?」
「ええ。考え方がミゲル様によく似ておいででしたので、丁重にお断りしました」
うん、養ってもらう気しかないヒモは無理だもんな。
「おつかれさま。一杯飲みなさいな」
「あははっ。そうよクロム、どーんと飲みなさーーい! 大根が美味しいからぁ!」
母上、実はすごく笑い上戸らしい。
普段のキリッとした様子はどこへやら。
ケラケラ笑いながらクロムの肩を叩く。
もしかして母上が私に酒を飲むなっていうのは、これが遺伝してないか心配だからですかね。
「姉上。母上にお酒を飲ませるのはオススメしません」
「そのようね」
母上は侍女のみんなに寝室まで連れて行ってもらった。
翌朝何も覚えていなかったから、母上の名誉のためにも酔っている間のことは教えないことにした。
おでんの中で特に好きなのは大根と糸こんである。
辛子をつけて食べたい。
需要があるかわかりませんが、1から練り物をつくるレシピでも。
白身魚 300g
片栗粉 大さじ2
醤油 大さじ1
塩 少々
水 少々
1. 魚を骨と皮を取り除き、包丁で細かく刻みます。
2. 細かく刻んだ魚をすり鉢に入れ、すりこぎでペースト状になるまでよくすります。
3. 魚のペーストに片栗粉、醤油、塩を加えます。必要に応じて少量の水を加え、全体が均一になるように混ぜます。
4. お好みの形に整えます。
5. 沸騰したお湯で成形した練りものを茹でます。
浮いてきたらさらに2〜3分茹でて取り出し、冷水にとります。
という感じで手間がかかるので、日本にいる場合好きなのを使う分だけ買ったほうが早いっすね。





