31 悪役令嬢に転生した干物女はお好み焼き串を食べたい。
前回までのあらすじ。
みんなでクリティアの誕生日祝いのバーベキューパーティーをしたよ。
今日は市場で産業祭を開催している。
日本にもある、農家や地元のレストラン食堂が一斉に集まって収穫物の直売や屋台が並ぶあれを思い浮かべてもらえばわかりやすいかもしれない。
私はフローレンス領の美味しい野菜と肉を広めるために、屋台グルメを売る。
お好み焼き串だ。
屋台で立ち食いしやすいように、広げて焼くお好み焼きではなく、お好み焼き串。
フローレンスの農村で採れたキャベツたっぷり。肉もチーズも村の農家のものだ。
キッチンカーの手伝いとしてクックとジーニャ、ルールーが来てくれた。
「さあデール。がんばるわよ。フローレンスの村が美味しいものたくさんのいいとこだってアピールしなきゃ!」
「もちろんです! うちの村の野菜は天下一品ですから!」
「わたしも販売担当として全力を尽くします!」
「おじょうさま、ルールーも販売がんばりますの!」
ボウルに小麦粉、だし汁、卵を入れてよく混ぜる。
生地に千切りキャベツとブタこま肉、細かく切ったチーズを混ぜて、熱して油を引いた鉄板に細長く伸ばす。
そこに串を入れる。
全体に焼き色がついて中にも火が通ったら、ソースと手製のマヨネーズを塗る。
細かく切ったネギを上に散らして完成だ!
ソースとチーズが焼けるいい香りがあたりに漂う。
くー、自分で食いてぇ。ビールで流し込みたい!
だが調理班だから店じまいまで我慢我慢!
パン屋の屋台や新鮮野菜の店を覗いていた人たちが、匂いにつられてうちの屋台を覗き込む。
クックと分担して、焼いてはソースとマヨを塗りトッピングするのを繰り返す。
アフロン改め変装カインが現れた。
相も変わらず、ジャージ姿でカラフルなアフロを頭にのせている。
「新作を出すって聞いたから来たよ、クリティア! とりあえず20本貰おうか!」
「あなたの胃袋はどうなってるのか心配だわ。味を知らないのに20本も買うって大丈夫? 好みの味でなかった場合を考えないの?」
「これまでクリティアが作ったものにハズレは無かったから、今回も美味しいと思っているんだ」
何でも残さず食べてフードロスを削減できる……いい人だ。この腹ぺこ王子。
一度に20本も持てるはずないから、食べ終わったら次のお好み焼き串を渡す方式でいく。
「うんうん、予想以上にうまい!! キャベツの甘みとソースの甘じょっぱさが合う。酒が欲しくなるな。あ、そこの屋台のおじさん。ビール大ジョッキでちょうだい!」
「あいよ。いい食いっぷりだねアフロンの兄ちゃん!」
店の前のベンチでお好み焼き串を持ってほおばるカイン。口の周りにビールヒゲをつけながら食べていく。
それを見てお客様が呼び寄せられる。
「お嬢ちゃん、これはなんだい?」
「お好み焼きです! フローレンス領の野菜と肉、チーズをふんだんに使った軽食です。1本いかが?」
「うまそうな匂いだな。そうさな、1本もらおうか。あと家族に持って帰るのに2本」
「まいどありー!」
キッチンカーの横では今回のお好み焼きに使ったキャベツを販売している。
今年フローレンスの村に移住した家族が売り子を申し出てくれた。
お好み焼きを食べたお客様が作り方を聞いて、「うちでも作ろう!」と言いながらキャベツを買っていく。
荷車に山積みだったキャベツがどんどんと売れていく。
「あなた達もありがとう。お好み焼きで良かったら休憩がてら食べて」
「いいんですか? ありがとうございますお嬢様!」
クックとジーニャ、ルールーにも交代で休憩してもらう。
「お嬢様もずっと立ちっぱなしでしょう。わたしたちが店を守るので、お嬢様もどうぞお祭を見て回ってください」
「じゃあぼくがクリティアの護衛をしよう。これでも剣術をたしなんでいるから」
護衛というか、うん。
アフロンの見た目が怪しすぎて誰も寄ってこないだろうなと思う。
本人は怪しくないつもりだから突っ込むのは野暮かもしれない。
「それじゃあお願いするわ。ヨイ様も店を出すと言っていたから見てみたかったの」
「たしかユージーン家はたこ焼き屋台だったかな」
「行ってみましょう」
立ちならぶ露店たちを見つつユージーン家の店を覗く。
「クリティア様! 来てくださったのですね。ありがとうございます! 先程はミラ様もいらしていたんです」
「あらー、ミラ様と入れ違いになったのね。またあとで会えるかしら。美味しそうなメニューね!」
たこ焼きだけでなく、変わり種の具もあれこれ試作したらしい。
ナッツ焼き、チーズ焼き、エビ焼き等々日本でもこの商品があったら売れそうだなというものが並んでいる。
「ナッツ焼きをいただこうかしら。これはミラ様が考えたの?」
「はい! クリティア様のお料理を参考にしてあれこれ組み合わせを試作しました!」
自信満々でさし出される。
ナッツ焼き。上にはシロップ。おやつみたいで美味しいわ。
「甘くてふわふわカリカリさくさく、うふふ、これはストレートの紅茶を飲みたくなるわね。すっごくおいしい!」
「嬉しいです。クリティア様ならいくらでもサービスするので、どうぞ召し上がってください」
すごく美味しいけど、食べ過ぎたら太るぜよ。
「ではぼくは全種4皿ずつもらおう、ユージーン嬢」
さっきお好み焼き串を20本食べた後なのに、金に糸目をかけないセレブムーブをかますアフロン。
「え、ええと、貴方様はわたしを知っているのですか? こちらのもふもふ髪の不思議なお方は………………クリティア様のお知り合い、です?」
人当たりがいいヨイが怪訝そうな顔をしている。
あ、そうか。他の人はアフロンを知らないんだ。
「これはカイン王子の変装よ」
「…………………殿下?」
ヨイの周りにいた使用人たちも凍りついている。
うん、まあ。
このやりすぎ変装変態姿の男が王子なんて思わないよねー。ハハハ。
「ちょっと待ったーーーー!!」
なんだかデジャブな展開。
ロブソンが野の花を握りしめて突撃してきた。
「愛しのヨイ嬢の手作りたこ焼きをアーンしてもらうのは僕の特権だ! どこの誰とも知れないアフロは引っ込んでいるんだな!!」
まだヨイにアプローチしてたのか、このお花畑。
「もう近寄らないでくださいと50回は申しましたのに! お客様でない方はお引き取りくださいませ!」
「ぐふぉ! 愛が痛い!」
ヨイの回し蹴りがきまり、地面に倒れ込んだお花畑は使用人につまみ出された。
あ。私もそろそろ休憩が終わるし、店の仕事しなきゃ!
皆さんの好きなお好み焼きは何玉?
私はブタ玉キムチトッピングです。
日С(*>∀<*)プハー
高校生のとき友だち10人でお好み焼きを食べに行って10種類頼み、全部10等分して、全ての味を食べるというのをやっていました。
お家で作るとき
キャベツ(細かく刻む)
ねぎ(みじん切り)
豚バラ肉(細切り)
ピザ用のチーズ お好みで
お好み焼きソース 好きな量
青のりやマヨネーズは好きにしてね。
肉アレルギーな方は肉なしチーズのみでもおk。





