42 撃って殴って砕いて拾え!
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俺達は、夢のギルドホームを購入する為に、金策を開始することになった。
ギルドメンバーの総力を上げての作戦だ。
リリィが提案し、皆が了承した。
滅茶苦茶ノリノリだった。
レンもダイナもダリも、ものすごく張り切りだした。
城みたいな規模のホームも確かに一つだけ存在するそうだが、価格は二十億J。
ネトゲに慣れてる人だと2000M、もしくは2Gとか言ったりするらしい。
リリィがちらっと言ったのを不思議に思って聞いてみたら教えてくれた。
さっき二十万って言ってたのは、アズに気を遣ってたのかもしれない。
根は優しいんだよな。
俺の脳内やべーやつランキングの上位に居座ってる事実は消えないけど。
明らかに買えないそんなのは置いておいて、狙うは五百万Jくらいのギルドホーム。
ギルド資金は十数万と、装備がいくつか。
でもこの装備はメンバーに使ってもらうつもりだから、計算には含めない。
そうなると、全然足りない。
「してリリィ殿、どうやってお金を稼ぐでござるか?」
「いい質問ね。方法はいくつかあるから、どうするか皆で決めましょう」
皆の注目を浴びながらリリィは堂々と説明を始めた。
深く濃い青の髪が、日差しを浴びてさらっと光る。
太もももいつも通りグッド。
アバターとはいえセクシーなこの修道服は、現実では有り得ないよな。
こういうのもゲームの良いところだ。
金策の方法だが、以前鬼コンビとお金を貯めた時と選択肢はほぼ同じだった。
レアアイテムを狙うか、価値のある素材をかき集めて稼ぐか、クエストの報酬で稼ぐか。
アズはそれを、とても真剣に聞いている。
商人系のクラスだし、何か思うところがあるのかもしれない。
「私のおすすめは、素材集めね」
「素材っつったってよぉ、ろくな金額にならねぇんじゃねぇのか?」
「そうですね。僕達が金策をした時には選択肢から外していましたが」
「ふふん、それが今なら狙い目のものがあるのよ」
リリィが言うには、現在、買い取り価格が高騰している素材があるという。
それは、ギルドを作成する為に必要な≪マスタリウム≫を手に入れる為の素材だ。
≪マスタリウム≫は、≪強固な意思≫、≪強靭な闘志≫、≪強剛な有志≫、という三つのアイテムで作成出来る。
この三つは素材を集めることで作れるのだが、その数が各五百個と地味に多い。
プレイヤー達はこぞってギルドを作りたがっているが、素材を集めるのが手間だったり、時間がとれなかったりする。
そういったプレイヤー達は、お金を出して買い取るのだ。
「種類にも寄るけど、高いものだと一つ1k……千Jするものもあるわ」
「へー、そんなに高く売れるんだ」
「一つ千はでかいでござるな」
レンとサンゾウが、感心するように呟いた。
一つ千だとすると、五百個売るとしたら五十万Jにもなる。
これは確かに大きい。
「割が良いから多分、皆が狙いだすわ。数が足りて来ると値段は下がっていくから早めに動いた方がいいわね」
「それじゃあ早速いこう! アズ、頑張って拾うし持つよ!」
「そうね、とにかく数を拾う必要があるから、アズちゃんの存在は大きいわよ。期待してるわね!」
「うん! 頑張る!」
こうして、俺達の金策の方針が決まった。
高く売れる素材をひたすら集めること。
狙ったのは、≪強固な意思≫の素材となる石系モンスターの素材。
これが採れるのは一層ダンジョンの第二エリア。
動きは遅いが攻撃力が高く、防御力も高い≪ストーンゴーレム≫や≪ストーンマン≫というモンスターが数多く出現する。
経験値は低く、素材も重量級武器以外に使い道がなく、レアドロップもしょっぱいことで知られていたらしい。
しかも、二層へ行く為に倒す必要のあるボス部屋へのルートとは完全に別のエリアになっている。
つまりうま味が全く無かった。
そのお陰で素材を持ってる人が全然いなかったし、自分で採りに行くのも面倒くさい。
そんな理由で買い取り価格がどんどん上がっていったそうだ。
「≪エンチャントファイア≫! ≪エンチャントファイア≫!」
「≪ショットガンブラスト≫!」
「いきます!」
「とおっ! でござる!」
属性を付与した二人が前に飛び出す。
それとは別の方向から接近していたストーンゴーレムへと、レンの魔法が炸裂した。
地属性のモンスター相手に火属性の付与がとても相性が良い。
それに、ここのモンスターは物理防御が高い代わりに魔法防御は低いらしい。
うちの自慢のアタッカーの攻撃でどんどんと砕け散っていく。
「大量大量! いくらになるかな~!」
「あっぶね!」
「あ、ダリさんありがとう!」
「おう、あぶねぇから少し下がってな。この辺りのは拾っといてやるからよ!」
「うん、分かった!」
ドロップした素材をアズがご機嫌で拾っていく。
ターゲットが流れそうになったが、ダリが危なげなく攻撃を受け止めた。
「サンゾウさん、右から二体来てます!」
「了解でござる。ダリ殿、こっちは任せるでござる」
「あいよ!」
「ダイナさん、ダリさんが持ってるモンスターを先にお願いします!」
「了解です!」
「ああ、指示を出すお姉様も素敵……!」
「リリィさん、ダイナさんの回復をお願いします! あと支援の更新も!」
「≪ヒール≫! ≪ブレッシング≫≪ブレッシング≫≪ブレッシング≫≪マニピカット≫!」
うん、段々と連携が上手くいってる気がする。
皆が前に立ってくれるお陰で落ち着いて全体を見れるし、指示も出せる。
誰もが一方向に尖ってるから、一人だとほとんど何も出来ない。
だけどこうして皆でいれば、長所を活かして短所を補い合えば、どこまでも強くなれる。
そんな気がした。
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