41 目指せ夢のマイキャッスル! ☆
いつものように昼前にログインした俺は、一人で西の平原に来ていた。
ギルドメンバー略してギルメンが誰もいなかったから、スキルの検証だ。
新しいスキルは効果を把握出来た。
ついでに、ステータスもしっかり確認しておくか。
そういえば昨日の村でレベルが上がってたな。
そう考えると、あのクエストはかなりの経験値をもらってたことになる。
ほぼ何もしていないのに、相変わらず報酬が豪華だ。
名前:カオル
種族:妖狐
クラス:プリンセス
レベル:32
ステータス
筋力:1 体力:1 魔力:1 敏捷:1 器用:1 幸運:1 魅力:391(+995)
種族スキル
≪魅惑≫ ≪美しい毛並≫ ≪蠱惑≫
クラススキル
≪魅力上昇≫ ≪魅了≫ ≪治癒の願い≫ ≪プリンセス・ボックス≫
≪フェイクモーション≫ ≪障壁強化≫ ≪チャーミングショット≫
≪プリンセスフォースⅢ≫ ≪ワンモアボックス≫
≪チャーミングミスト≫ ≪プリンセスフィールド≫
≪エンチャントファイア≫ ≪フェイクスペル≫
称号
≪箱入り娘≫ ≪詐欺師≫ ≪守り手≫ ≪お転婆≫
≪真のプリンセスへ挑む者4≫ ≪収納上手≫
≪可愛さを振りまく者≫ ≪太陽の精霊の御子≫ ≪大詐欺師≫
昨日のクエストで四も上がった。
いつも通り≪魅力≫に突っ込みつつ、種族スキルも一つ習得した。
その名も≪蠱惑≫。
≪魅力≫が一割アップする上、報酬が増加、魅力判定にボーナス、一定の確率で追加報酬を得る効果を持つパッシブスキルだ。
で、魅力の数値がすごいことになってる。
特に補正値がこんなに高いのは、装備のお陰だ。
頭:プリンセスティアラ
上半身:プリンセスドレス
下半身:プリンセスドレス
右手:プリンセスワンド
左手:
靴:プリンセスブーツ
アクセサリー:
アクセサリー:
今の状態はこんなだからな。
プリンセスシリーズが既に四つになっている。
お陰で基本効果である魅力+50が四倍になって、200。
それが四つあるから、800となるわけだ。
やばいな。
やっぱり、今の時点で手に入る装備じゃない気がする。
ティアラは十日記念イベントに向けての準備期間中に、一層≪東の森≫で手に入れた。
いつぞやの女の子にもらった袋には古びた鍵が入っていて、それで開いた封印の中に安置されていた。
効果は、魅力+50に加えて、詠唱時間を-20%。
今の俺のスキルだと詠唱が長いものはないが、かなり有用だろう。
四倍で-80%だからな!
昨日村で手に入れた≪プリンセスブーツ≫は、移動速度を+20%。
おかげで前よりも早く移動出来るようになった。
地味だけど嬉しい効果だ。
プリンセスシリーズを新たに入手したことで、称号も≪真のプリンセスへ挑む者4≫に変化している。
これによって≪プリンセスフォース≫がⅢにパワーアップし、≪プリンセスフィールド≫というスキルも新たに習得した。
≪プリンセスフォースⅢ≫は、パーティーメンバーの物理と魔法、両方の攻撃力が15%アップする。
破格の効果だ。
≪プリンセスフィールド≫は、発動すると自分を中心に半径五メートルの範囲のパーティメンバー、もしくはギルドメンバーの受けるダメージを20%カットする。
これもかなり効果が高い。
エンドコンテンツ的な装備を集めて生えてきたスキルだから、弱いわけがないな。
これで俺の置物力が更に上がっていく。
▽
「お姉様! ギルドホームを購入しませんか!」
夜、まだ全員が揃っていないのでのんびり駄弁っていたところ、リリィがそんなことを言い出した。
「ギルドホームでござるか。確かに、この辺りでどどんと城を建てたいでござるな」
「それいいわね! お姉様によく似合う、白くて素敵なお城にしましょう!」
「おお、白でござるか! 良いでござるな!」
「お城……!」
リリィとサンゾウの言う≪お城≫というのが、多分別のものをイメージしてる気がするんだよなぁ。
俺の頭の中では≪ノイシュヴァンシュタイン城≫と≪姫路城≫が戦っている。
そんな二人の会話を聞いて、アズが瞳を輝かせている。
アズの年頃だとリリィの方に好みが近そうな気がするが、どうだろう。
「ギルドホームは確かに欲しいですね」
「そうですよね!」
俺達が今現在たまり場にしているここは、道端である。
大通りからは外れていて人通りが少ないにしてもゼロではないし、最近よく見られている気もするのだ。
可能なら、室内でのんびり落ち着ける場所が欲しい。
その点でギルドホームは非常にぴったりだ。
「ギルドシステムと同時に実装されてたんでござるな。どうやって買えるでござるか?」
「購入方法なら公式ページに載ってたわ。購入は冒険者組合で出来るし、リストもそこで見られるわ」
「そうなんだ! じゃあ早く行こう!」
「そうでござるな!」
「待ちなさい」
早速駆け出そうとするアズとサンゾウだったが、リリィに腕を掴まれていた。
「ギルドホームは購入するものだから、当然お金が掛かるわ。一度隅から隅まで価格リストを漁ってみたけど、ピンキリとはいえ最低価格は二十万からよ」
「二十万円……」
「確かに大金でござるが、それくらいならすぐにでも集まるでござるよ!」
アズはあまり縁の無い金額なのか呆然としてしまっている。
ゲーム内通貨の≪J≫じゃなくて円と言っている辺りが可愛らしい。
俺も偶に円って言っちゃうわ。
サンゾウは、すぐにでも駆け出したいのか超ハイテンションだ。
確かに、二十万くらいならすぐにでも貯まるだろう。
皆が献上してくれたギルド資金も結構あるし。
しかし、リリィは呆れたような顔をサンゾウに向けていた。
「二十万Jなんて最低値よ。それで建てられるのは一部屋か二部屋の掘立小屋みたいなものなんだけど、そんなところにお姉様を押し込むつもりかしら?」
「なぬっ!? それはいかんでござるな」
「お姫様はやっぱりお城だよね!」
「でござるな!」
「その通りよアズちゃん! だから私達≪最強可愛い姫様のギルド≫の総力を上げて、お金を稼ぐわよ!」
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