37 女神扱いの羞恥プレイ
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素材を狩りに、皆で二層にある洞窟ダンジョンへ突撃した。
魚介類を一方的に蹴散らして、三十分程で目的の数が集まった。
その後は一層のたまり場へ戻って精算タイム。
何故かお金や余った素材を全部もらったので、それらはギルド資金として大事に使わせてもらう予定だ。
その後は、ギルド設立に必要なアイテムの素材となるアイテムを作成しに向かうことになった。
この時点でアズと鬼コンビは離脱した。
明日は朝が早いらしい。
作成方法はとても簡単で、NPCに素材を渡すだけだ。
二層の端の方にいる軍服を着たNPCに素材を渡し、二つのアイテムを獲得した。
≪強靭な闘志≫と≪強剛な有志≫。
この二つにサンゾウがイベント報酬で手に入れた≪強固な意思≫を合わせて、次は冒険者組合へ。
以前はいなかったNPCに話し掛け、三つのアイテムを手渡すことで、≪マスタリウム≫を手に入れた。
≪マスタリウム≫を作成する為の流れはお知らせのページに書いてあったので、迷うことなく進めることが出来た。
道中、同じように話しかけている人達がいたからきっと彼らもギルドを作るんだろう。
各地のNPCを巡るのもゲームの楽しみの一つ、だと思う。
これも良い思い出になる筈だ。
良い時間になったので、この日はここまでで解散となった。
俺も今日は仮眠の時間が早かったこともあって、そのまま眠ることにした。
次の日。
珍しく、はっきりと朝と断言できる時間に起きた。
昨日寝るのが早かったお陰だろうか。
目もすっきり覚めているし、とりあえずは何か食べよう。
「ごちそうさまでした」
腹ごしらえを終えて食器を片づける。
時間はまだ九時だ。
平日の朝っぱらからログインしても、多分誰もいないだろう。
昼くらいからなら、レン、サンゾウ、リリィは来る時がある。
鬼コンビは大体夕方から。
アズは、まだよく分からない。
ま、考えてても仕方がないしログインしちゃおう。
「ダイブスタート」
目の前に広がるのは、板張りの建物の中。
ああ、そういえば冒険者組合でログアウトしたんだった。
目の前にはクールな感じの、美人なNPC。
彼女は冒険者組合に新設された、ギルド管理窓口の受付だ。
三つのアイテムを渡すことで、ギルドの作成に必要な≪マスタリウム≫をくれる。
俺達も昨日お世話になった。
朝だと言うのに、何人かが受付に並んでいる。
皆ギルドを作りたいんだな。
俺達も皆で頑張ったから、気持ちは分かる。
さて、これからどうしようかな。
冒険者組合にいることだし、何かクエストをこなすというのも手だ。
だけど、一人でやるのは面倒感が強い。
ソロは苦手な人種なんだ俺は。
せっかくのオンラインなんだから、誰かしらと駄弁りながらのんびりと消化したい。
となるとあれだな。
街中で突発的に起こる方のクエストをやろう。
あっちなら簡単に終わることがほとんどだし、報酬も多くもらえたりする。
よし、そうしよう。
俺は冒険者組合を飛び出した。
▽
『お姉様、こんな時間からログインしてるんですね! 良ければ一緒にあそびませんか!?』
一層はある程度回ったから、二層へ移動しようとしていた矢先に、リリィからメッセージが入った。
どうやら、予想外に早くログインしたようだ。
この誘いに、俺は快諾した。
俺とリリィのペアだと攻撃力はほぼない為、一緒に突発型クエスト消化に向かうということで決定した。
リリィが火力を出来そうなアンデッドモンスターの巣窟を探しても良かったが、リリィが付いて行きたいと言った為だ。
「お姉様、お待たせしました!」
「全然待ってませんよ」
「ああ、お姉様とこのテンプレなやりとりが出来るなんて、死にそうです……!」
リリィは今日も絶好調だ。
たまり場で合流して、早速二層へと移動した。
「適当に歩いて回るんでしたか?」
「そうですね。まだこの街はあまり見ていないので、観光がてらに回りましょう。そうしたらクエストは勝手に発生します」
「なるほど、さすがお姉様ですね。わかりました!」
クエストが勝手に始まって勝手に終わるのを見たら、リリィはどんな反応をするだろうか。
ちょっと楽しみだ。
大通りを歩いていると、露店を開いているプレイヤーがちらほらいる。
一層のスターレの街に比べるとまだ少ないが、どの人も初心者感が無い。
歴戦の猛者なんだろう。
露店のアイテムを見ながら歩いていると、段差に腰かけて俯いている老人を見つけた。
よく見ると絶望したような表情をしている。
近寄ってみても、気付いていないのか、それとも余裕がないのか、反応は見られない。
「おじいさん、どうかしたんですか?」
「もうダメじゃ、わしらの村はもうお終い……ぬなぁ!?」
「わっ」
「お姉様!」
掠れた声で呟いていた老人は、横目で俺を見た後、がばっと顔を上げた。
びっくりしたー。
リリィなんて、俺を庇うように前に立って、杖を向けている。
完全に臨戦態勢だ。
よくあんな咄嗟に動けるな。
しかし、この老人はどうしたんだろう。
急に話しかけたからびっくりさせたのかもしれない。
「め、女神様……?」
「へ?」
「貴女は、女神様ではないですか……?」
俺が女神?
いやいや、そんなわけない。
俺はただのプリンセスのアバターを被ったおじさんだ。
女神なんて程遠い。
「いえ、私は――」
「そうですね、お姉様はある種女神と言っても差支えの無い存在です」
「――え?」
「女神様じゃあああああああ!! やはり女神様じゃあああああああ!!」
「ええぇ!?」
否定しようとしたら、リリィの自慢げな声に遮られた。
俺が驚いている間に老人の何かにクリティカルヒットしたらしく、突然ヒートアップし出した。
「そうよ! お姉様を崇め奉りなさい!」
「ははぁー!!」
リリィが堂々と宣言し、老人は平伏し始めた。
ちょっと止めて、ここ割と人通り多いんだけど、マジ勘弁してください。
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