34 愉快な仲間を紹介するぜ!
本日四回目の更新です!
臨時広場で揉めていた少女を、これ幸いと設立予定のギルドへ誘った。
強引な感じはあったが、少女は承諾してくれた。
彼女の名前はアズール。アズと呼んで欲しいと、彼女からは言われている。
アズはメンバーにはまだいない生産職なので、これから大活躍してくれることだろう。
一先ずはサンゾウと三人で狩りへ出掛け、一度ログアウトしたところだ。
買い出しや仮眠は前倒してあったから、ストレッチ、お風呂、晩御飯の順で済ませた。
コンビニやレトルトでも美味しいものは沢山あって、一人暮らしには有難い。
諸々を済ませば、ベッドに横になって準備完了だ。
休憩用に飲み物も用意したし、今夜もたっぷり楽しむぞ!
「ダイブスタート」
ログインすると、街の中央から少し外れた道端だった。
この微妙に空いた場所が、俺達がよく駄弁る場所だ。
ゲーム的に言えば≪溜まり場≫というやつだ。
プレイヤー達が勝手に集合場所や駄弁るのに使う場所のことで、特にシステム的に占有しているわけではない。
ギルドが実装されたんだし、ギルドホーム的なのも一緒に実装されてるといいな。
その場所には、既に何人かが座っていた。
サンゾウ、リリィ、レンだ。
今はもう八時過ぎで、大体ログイン数もピークの時間帯である。
全員揃ってると思ったけど、まだだったらしい。
「こんばんはー」
「あ、姫ちゃんだ。こんばんは」
「こんばんは、さっきぶりでござる」
「こんばんはお姉様! 隣が空いてるので、ここへ座ってください!」
挨拶を済ませた後は、適当に駄弁って時間を潰す。
他の人が来るまで時間があるようなら狩りに行ってもいいが、そこまで切羽詰ってるわけでもない。
みんなのんびりしてるし、だらだら過ごすのも楽しいからいいんだ。
話題は一先ず実装されたばかりのギルドのことへ。
改めてお知らせを開きながら会話を聞く。
なるほどなるほど、ギルドホームも実装されたのか。
それは是非とも入手したいところだ。
「お姉様、今日はこの後素材集めですか?」
「そうですね。私も少し集めてみましたけど、まだ全然足りないので皆で集めたいですね」
「僕も出来る限り頑張るよ」
「ほほう、腕が鳴るでござるなぁ」
「お姉様のギルド……ああ、なんて素晴らしいのかしら! 楽しみでしかたがないわね!」
「しかり! 全力で挑むでござる!」
皆がやる気を漲らせている。
しばらく駄弁っていたところで鬼コンビがやってきて、その後すぐにアズもやってきた。
これで全員揃ったので、アズを紹介することに。
「≪鍛冶師≫のアズさんです。設立予定のギルドに勧誘したら快く承諾してくださいました。仲良くしてあげてくださいね」
「≪鍛冶師≫で、名前はアズールだよ。あ、アズって呼んで! お姫様の為にアズも頑張るから! よろしくお願いします!」
「僕はレン。≪破壊者≫っていう魔法職をやってるよ。よろしくね、アズちゃん」
「拙者は≪忍者≫のサンゾウでござる。改めてよろしくでござる」
「あら、可愛い。私は≪アコライト≫のリリィよ、よろしくね。一緒にお姉様の助けになりましょう」
「僕はダイナ。このギルドの≪筋力≫担当です。よろしくお願いします」
「オレぁダリラガンだ。長いから皆もこの際ダリって呼んでくれ! 攻撃を受け止める肉壁はオレに任せとけ! よろしく頼むぜ!」
うーん、中々個性的な面子だ。
ケモミミ美少女な俺が言うことではないのかもしれないが。
何はともあれ、アズは無事に受け入れられた。
雑談ついでに経緯等を話すと、皆アズに同情的だった。
「お金をポンと支払って助けるなんて、お姉様はなんて慈愛に満ち溢れてるのかしら……! 反面、そのパーティーメンバーの浅ましさは非常に腹立たしいわ!」
「ホントに、とんでもないやつらもいたものですね」
「男の風上にもおけねぇな!」
リリィが猛り、ダイナとダリが同調する。
何気にこの三人って仲良いよな。
というか、リリィが鬼コンビを雑に扱ってるようでそうでもないということに気が付いた。
口調が雑になってるだけで、リリィは誰にでも優しいのだ。
「あ゛ー! 興奮するのはいいけど服は脱がないで! 筋肉を見せつけて来るのはマッスルハラスメントよ!」
「あはは、ダイナさんとダリさんおもしろーい!」
「アズちゃん、あれを視界に入れちゃダメよ、筋肉がついちゃうわ!」
「これが僕の! 上腕二頭筋です!」
「お? それならオレぁ僧帽筋だ!」
「寄るな筋肉!」
多分。
アズがすっかり打ち解けたところで、素材集めの狩りに出掛けることにした。
人数も多いので、二手に分かれる。
≪強靭な闘志≫はサンゾウ、俺のペア。
≪強剛な有志≫にダリ、ダイナ、レン、リリィ、アズの五人。
闘志は少しは集まっているから、有志を優先した結果こういう割り振りとなった。
リリィは少し微妙な顔をしていたが、はっきりと反対はしなかったのでスルーした。
「さー、無理しない程度に頑張りましょー!」
「「「「「「おー!」」」」」」
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