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エピローグ


 俺の身体が満足に動けない状態での決勝戦。

 メンバー達の頑張りのお陰で奮闘するも、廃人プレイで得た財力の前に苦境に立たされる。


 そんな中、俺は一つのスキルを思い出した。


 自力では持ち上がらない腕をアズとランコが支え、組んだ両手を包み込んでくれた。

 ≪フェイクモーション≫は、スキル発動に必要なモーションを他のスキルに書き換える。

 俺は、持ちうる全てのスキルのモーションを、≪治癒の願い≫のものに変更。


 ついでに≪フェイクスペル≫も発動する。

 このスキルは、発音したスキル名が別のものに変化する効果を持つ。

 俺が選んだ項目は応援。

 スキルを高速連打する時にスキル名をひたすら連呼するなんて、姫様らしくないだろ?


「頑張れ!負けないで!頑張って!サンゾウ!リリィ!ダリラガン!ダイナ!レン!ランコ!アズール!勝って!」


 こうして俺達は、勝利した。





 そして翌日。

 最強ギルド決定戦に優勝した感動は打ち上げにて存分に分かち合った。

 が、まだ個人戦が残っている。

 

「姫様ー! 頑張れでござるー!」


「うおー! やったれー!」


 一回戦のステージに立った俺を、メンバーの皆が応援してくれている。

 まだ初戦だっていうのにすごい盛り上がりようだ。


「まさか一戦目で当たるとはなー。チーム戦ではやられちまったが、タイマンなら負けねぇぜ」


「私も負けません。最初から全力で行きますよ!」


 対戦相手はモズク兄弟のモズの方。

 廃人と呼ばれるトッププレイヤーの一人だ。


『それじゃあそろそろ第三試合はじめるよー。試合、開始!』


 個人戦のルールは、イベントの最初に改めて説明されている。

 会場内には色々なアイテムが落ちていて、それも含めて会場内のものは自由に使用してもいいらしい。


「先手必勝!」


 合図とともにモズが走り出した。

 距離は二十メートル程しか離れていない。

 何もしなければ数秒で距離を詰められるだろう。


 勿論そんなことを許すつもりはなく、俺は一つのスキルを発動した。


「≪ロイヤリティアームズ≫!」


「出番でござるな!」


「うおおお!! オレはやるぜ!!」


「全て蹴散らしてあげますよ!」


「やっぱり僕ってこの位置なんだね……頑張るけど」


 飛んで来たのはギルドメンバー。

 サンゾウが俺を肩車し、俊足の靴に。

 ダリは俺の左手の前、ダイナは俺の右手の前に浮かび、最強の剣と盾に。

 レンは俺の背中におんぶ状態で、最強の魔法砲台となった。

 勿論皆フル装備である。


「何――だそりゃ!?」


「これが私の全力です!」


 題して、フルアーマー姫様。

 モズの一撃をダリの腹筋で弾き返し、サンゾウのスキルで背後を取る。

 防御スキルをダイナの一撃で崩した後、至近距離からの魔法で吹き飛ばした。


「そんなんありかよ……なぁ、おとうと……じゃ――ガクリ」


『勝負あり! カオルの勝利ー!』


「流石姫様でござる!」


「やったな姫さん!」


「僕達を装備した姫様は最強です!」


「ここじゃなければもっと良かったんだけどなぁ……恥ずかしい……!」


「みんなかっこいー! お姫様も素敵ー!」


「ああ、私もお姉様の装備としてご一緒したかった――!」


「相変わらずえげつないですね姫様! でもそんな容赦のないところも好きです!」


 俺は姫様として、このゲームの世界を楽しむんだ。

 愉快な仲間達と一緒に。



雑になってしまいましたが、今回で完結とします。

応援ありがとうございました。

次回作も読んで頂けると嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 最強武装爆誕の舞() [気になる点] 割とどうでもいいかもしれないんですが、 弟者って おとうとじゃ じゃなくて おとじゃ じゃないですかね??
2021/02/22 05:40 退会済み
管理
[一言] 完結おめでとうございます! お疲れ様でした! >題して、フルアーマー姫様。 む!? いやむしろプラ○狂四郎的思考で言えば、パーフェクト姫様かもしれん。 火力・装甲・機動力・肩(背中)の砲…
[気になる点] 何なのだ、これは! どういうことなのだ?! 個人戦とは一体…。
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