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少年ボディガードと妖精姫   作者: てぃえむ
海外特待生編【地下研究所突撃ミッション後半・Sパート】
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GAME OVER  ― 和久井ダイスケ ―



 非適合化し、強制アクセスによりマザーシステムに意識を支配されたダイスケ。それは体だけダイスケで、まったくの別人になったことを意味した。そして、意識が別人となったダイスケは、シオンに従順だった。


「あとは妖精姫を精霊界に連れて行くだけ……」


 黒い刀を取り出したシオンが、リュウに切っ先を向ける。


「この施設は予備電源が切れると同時に永久閉鎖となります。残った者はここに取り残される……彼女を渡してもらいましょうか?」

「ふざ、けるな……」


 精霊界にキッドと共に連れて行かれたら、そのままアヤカは世界樹のエネルギー核にされてしまう。


 ――時刻は11時50分。

 予備電源の消灯までは、あと10分。そんな短時間でシオンを倒し、出口まで移動するなんて無理に等しかった。どうしたいい? 額に汗を滲ませるリュウ。そこへ、アヤカが彼の横に立った。


「行って、リュウ」

「――!? アヤカ?」


 軽く微笑んだアヤカは、しっかりとリュウの瞳を見つめた。


「私がここにいたら、リュウはナオキの確かめに行けない。だから、私行くね」


 リュウの頬に触れ、彼女のライトブルーの瞳に見つめられる。まるで心の奥底を覗き込まれたような感覚に陥ったリュウは、戸惑うように視線を逸らす。


「奴らの言いなりになるって事か? 駄目だ、そんな事をしたら」

「私、リュウを信じてるから」


 その表情に迷いはない。

 踵を返し、シオンに手を差し伸べたアヤカに、彼は口元だけ笑みを浮かべた。


「良い、心掛けですね」


 その手を取ったシオンが、彼女の手を引き黒い刀を一振りした。

 あたりに夜の精霊が集まった。ひとつ、ふたつと集まり始めた淡い光を放つ精霊たちは、刃の切っ先に集まり始め、しだいに小さな雷を放ちながらパチパチと音を鳴らす。その光が一瞬強い光を放ち、ブラックホールのような時空の歪が現れた。

 それは、果てしない闇へと続く扉のようにも、見えた。影山タケシは小さく舌打ちを漏らし、それを見たリュウは、目の前の時空の歪が「精霊界へ続く道」と把握した。


「行きますよ、妖精姫……キッド」


 アヤカの手を引きその歪に歩いていくシオン。そして、その後ろを非適合化したダイスケが付いていく。

 人の心の色が見える彼女は、時折精霊たちを通じて人の心を読む。アヤカは気付いていたんだとリュウは把握した。この状況の「唯一の打開策」を。


「アヤカ、必ず助ける。俺の命に代えても……だから、待っててほしい」


 シオンに手を引かれていたアヤカがふと、足止めた。少し考え込むように顔を下げた彼女は小さく首を振り、後ろを向いたまま震えるような声で呟いた。


「うん……一緒に、帰ろう! 待ってるね!」


 か細い声がリュウの耳に響き、歪が雷を放つようなスパークを放ち消え去った。

 その場に残された、リュウとユメ、そして影山タケシ。しんと静まり返った人体実験エリアを見回し、リュウは自分がするべき事を考えた。


「アヤカは、俺にチャンスをくれた。アヤカの意思を無駄にしちゃ、いけない」


 最後まで明るい声で、励ます言葉をかけてくれたアヤカ。若干震えていたその声を思い返しながら、リュウはユメの手を取り、人体実験エリアの出口の方へと歩いていく


「影山さん、この施設に非常出口はありますか?」

「ああ、確か制御室と人体実験エリアの前の廊下のどこかにあったはずだ」

「ナオキを連れて、そこから脱出だ」




 ――シオンが破壊した入り口を潜り抜け、大きな研究室に出た。


 人ひとりがすっぽり入る試験管に眠る、100を超える数のクローン達。ついさっき、ダイスケ、そしてナオキと通信した場所だ。ここで影山さんに会った。その後【 新人類 】の情報とイサム博士がアルケミスタ用に用意したUSBを手に入れた。



挿絵(By みてみん)


【 Homo Sylphidus Adaptus ホモ・シルフィドゥス・アダプタス 新人類


本研究では、従来の枠組みから逸脱した個体群、すなわち「非適合者」において、未知の可能性を探求している。この特異な個体群は、細胞のオーバードーズ現象を引き起こすことなく、人間が通常到達不能とされてきた「精霊界」と呼ばれる次元への進入が可能であると予想されている。これらの個体を「新人類」と命名し、現実世界と精霊界の中継者、あるいは仲介者のような役割を担う存在と位置付けている。

しかしながら、この新人類の生成には、膨大な数の試行錯誤と繰り返しのプロセスが必要である。 】



 黒い石を持ち、妖精の力に非適合で且つ、人間の体を維持した存在ーーそれが新人類。




挿絵(By みてみん)



 そして、謎の写真。恐らく左の女性は恐らく和久井シオリ。真ん中にいるのは過去に死んだクローン、アルト。そして、右側の男は何者か、明らかになっていない。


 影山タケシの動向も気になった。彼はこちらの要求に素直に応じているが、怪しい事に変わりはない。彼が……敵ではない、保証はなかった。しかし――


『濃くて深い緑…翡翠の石みたいに心が澄んでいるのに、表面はくすんでる…その中にキラキラしたものが見えるの。まるで、綺麗なものを自分で覆い隠しているみたい』

『リュウは澄んだ透明で、キラキラしてて、その奥にはリュウの本当の姿が隠れてる。あの人も同じで、大切な何かを隠してるんじゃないかな』


 アヤカは彼を怖がらなかった。本当に味方なのだろうか?


「影山さん、教えてほしい事があります」

「なんだ?」


 タケシは相変わらずぶっきらぼうな口調で返す。傭兵という職業で鍛え上げたメンタル故か、あれだけの惨劇を目の当たりにしたというのに、一切同様していないようだ。


「あなたの大切なものは? 何故、アルケミスタと手を組んでいたんですか?」


 リュウの質問が核心をついたのだろう、タケシは一瞬言葉を失うように沈黙した。


「今、必要な情報か?」

「はい」

「……」


「娘がいるんだよ……ちょうど、おまえらと同じくらいの年の子だ」


 娘。その言葉にリュウは一瞬彼の方へ視線を向けると、タケシは今まで見せた事のない、優し気な瞳をしていた。それは彼が唯一の「愛しい存在」向ける顔なのだろう。先程厳重セキュリティエリアでイサムがダイスケに向けていた瞳……それはいつもナオキが自分たちに向けているものに近い


 ――親の、顔だと思った。


「俺は16の頃に、ガキの頃から憧れてた孤児院のシスターと関係を持って、娘が生まれた。けど、その孤児院は経営難で、金が必要だった。俺は軍隊で働き仕送りをしていたが、普通に働いてるんじゃ金が足りねえ……そんな時に芹沢ユウジに裏の仕事を持ちかけられたんだ」

「娘がいて、大金を約束していたのに、どうして裏切った?」

「奴のプランが命がけのものが多すぎてな。さっきも言った通り、俺には娘がいる。死ぬわけにはいかねぇんだ……ここでの仕事は金はいいが、芹沢のプランで命の危険に晒されるのは、もうごめんだ」


 言い分は、納得できるものだった。嘘を言っているようには聞こえない。


 ――しかし、何かひっかかる。


 僅かな違和感――しかし、その理由が、竜にはわからなかった。何か「重要な情報」を隠しているのではないだろうか?

 

「情報は、それで全部ですか?」

「だと、思うけどな? 気になる事は聞いてくれ。俺も何をどう答えたらうまく伝わるかわかんねぇんだ」

「……」


 感じた違和感が、拭いきれなかった。しかし、タケシの言う事はこれ以上追及のしようがない。




 ――人体実験エリアを抜けると、長い廊下。その先にはダイスケと別れた、分かれ道。


『このミッションが終わったらさ、カレンが作った弁当皆で食おうぜ』


 ほんの少し前、ダイスケと会話を交わした場所だ。

 ダイスケはイサム博士と会話をしたかったのだろう、彼は自らイサム博士のいる制御室へ向かっていった。


 ――親子らしい会話は、できたのだろうか?


 デスゲーム中のイサム博士を思い返すと、彼はキッドを溺愛しているようにも見えた。制御室で過ごした僅かな時間は、今まで接することが出来なかった親子の、唯一の会話の時間だったに違いない。

 角を曲がり、厳重セキュリティエリアへ。ここをまっすぐいけば、ナオキがいるはず。デスゲームを回避したナオキは何を思っている? どんな状態なんだ?


 ――そして、目の前に広がる光景にリュウは言葉を失った。


「……え?」


 閉まったままの厳重セキュリティエリアの中では、非適合者達が「何か」に群がっている。

 その足元から見えるのは、女のものと思われる、足。黒い革靴――カレンが履いていたものと、同じだった。


「カレン!!」


 駆け寄ろうとした時――異様な気配がリュウを襲った。

 それは、圧倒的な威圧感。ゆっくりその方向へ視線を向けると、そこには―


「芹沢さん……ナオキ……」


 高級そうな黒いスーツ。片手に木製のステッキ、片方の手は腰の後ろに沿え、灰色の髪に長細い顔をした長身の男――芹沢ユウジ。

 リュウが在籍していた闇組織「影縫い」のトップを務める男だ。


「プランの味は格別でございましたでしょう」


 カレンと同じ緑色の瞳がうっすらと細められ、しわの刻まれた顔に微かな笑みを浮かべる芹沢。満足そうなその顔は、彼が「自身の勝利」を確信した時の顔だ。 その顔を見た瞬間……リュウは、やはり彼の「プラン」に嵌められたのだと理解した。


「カレンが……自分の娘が死んだって言うのに、あなたは何も感じないんですか?」


 厳重セキュリティエリアで、無残な姿となったカレン。左手に青白い光を集め、時の矢を形成すると、芹沢に向け――叫んだ。


「答えろ! 何をした!?」


 時の矢は、人の過去や思考を覗くことが出来る。芹沢の過去を見れば、何をしたのかは明確になろだろう。

 これは一種の賭けだった。芹沢は施設内のカメラで自分たちの様子を確認していたはずだ。時の矢がどんな力を持っているかは、彼も把握しているはずだ。


 ――しかし、眉一つ動かさない芹沢には動揺のかけらも感じられなかった。


「君の持つ時の矢と、妖精の力……あまりにも強大なその力は、我々にとって脅威でございました。そんな君を正面から相手にするより、効率的に事を運ぶことを選んだ……それだけの事でございます。例え今私を殺したとしても、君は友人と妖精姫を失い、敗北した――それは変わりません」


 言い返すことが出来ず、リュウは唇をかんだ。彼の言う通り、自分は敗北した。そして、自分がいつ何を間違えて、どう嵌められていったのか……それが一切理解できなかったからだ。

 そして彼の言う通り、今芹沢を殺したところで目の前の事態が解決する事ない。


「わざわざ嫌味を言う為に、姿を現したのですか?」

「はっはっは、私が君ごときに嫌味を? それは面白い」


 芹沢ユウジは、意味のない行動を取る事はない。恐らくここに現れた事にも意味があるはず。そう思った時――


 ――あたりに大きく衝撃音が響いた。

 続いて、微かな揺れを繰り返し、廊下を照らす蛍光灯が若干光を陰らせた。まるで、地上で大きな地震が発生したかのようだ。


「なんだ?」

「ああ、キッドが世界樹のエネルギーを吸収したのでございましょう。世界を見守る存在である世界樹のエネルギーが不足した事により起きた自然災害の一種でございます。しかし、妖精姫がエネルギー核となりエネルギーの補填を行えば、じきに収まる事です」


 手に持った木製のステッキの先端を、ゆっくりとリュウの方へ向け、宣言するように続けた。


「君の負けだ」


 見下すように小さく笑った芹沢は、ゆったりとした歩調でリュウの横を通り過ぎ、その後ろの影山タケシに少しだけ視線を向けた。2人とも言葉は交わさず、芹沢は人体実験エリアの方へと歩いていく。その後ろを、まるで家来のようにナオキに、リュウは思い立つ様に顔を上げた。

 


 ――ナオキの真意を、確かめないといけない。



「ナオキ、ダイスケは非適合者になったよ。強制アクセスでAIに人格を奪われて……まるで機械みたいに変えられてしまった」


 振り向いたナオキはいつもの微笑を浮かべたまま、リュウの言葉を聞いている。


「ダイスケは、ナオキに生きてほしいって言ってた。その為に、シオンとの賭けに負けたんだ。だから教えてほしい……ダイスケを、どう思ってる? ナオキにとって……」


 ダイスケをどう思ってる? そう聞いた直後ナオキの微笑が凍り付いたかのように静止する。その瞬間の彼は、まるで人の温かみを感じない、機械的な冷たさを感じさせた。しかし、すぐいつもの微笑を浮かべた。

 

「僕にとって、ダイスケ君……キッドは未来を救うクローン。彼は役目を果たしただけです。僕は14年間、彼が使命を全うする日を心待ちにしていました」

「心待ちにしていた? ダイスケがキッドとして覚醒する事を?」

「ええ、その通りです」


 リュウは思い返した。ナオキがダイスケに宛てた手紙に書かれていた事。彼はダイスケへの手紙に、こう記していた。


 【 君の力は君自身で未来をつかみ取る為の力です 】


 イサムとのデスゲーム前にもナオキは「子供達をサポートするのは大人の役目だ」と主張していた。今のナオキの言葉は、ダイスケに役目を強制するものだ。

 

 ――違う。ナオキはこんな事、考えてなかったはずだ。


「ナオキ……覚えてるか? 初めて会った日、ずぶ濡れで震えていた俺を家に招いてくれた事」


 それはナオキに初めて会った日の事。影縫いから逃げ、辿り着いた田んぼのに囲まれた細道のバス停。雨が降り出し、通りかかったナオキが傘をさしてくれた事。彼はリュウを家に招き、食事を与え、そして親代わりとして教育をしてくれた。


「初めて会った時から、ナオキは俺たちの教育に一生懸命だった。感謝してるよ……俺、父さんも母さんも、よく覚えてなかったから親ってこんなかんじなのかなって、ずっと思ってたんだ。それはダイスケも同じだと思う。でも、ナオキは違ったって事か?」


『大切なものを失った、悲しい瞳をしていますね。何が気をそうさせているのですか?』


 孤独と絶望感に支配されていた、あの夜――ナオキはそう、言ってリュウに手を差し伸べた。

 ――いつも彼は、自分たちの親代わりになる為に、一生懸命だった……はずだ。


「ナオキ……?」


 ナオキの体が微かに震えだした。


「……リュウ君……僕は、君たちの……」


 様子がおかしかった。左腕を押さえつけたナオキの体が痙攣し、顔が蒼白になっていく。それは今まで彼が一度も見せた事のない――苦痛に歪んだものだった。


「がはっ――!!」


 突然吐血し倒れたナオキ。芹沢も一瞬驚いたように瞳を開き、蹲ったナオキを見下ろしながら考え込むように頬に手を当てた。それは彼が今まで一度も見せた事のない「困惑」の顔のようにも見えた。


「ナオキ!!」

「…………ッ!!!!」


 近寄るなというような様子で、手を振るナオキ。彼は懐から注射器を取り出すと自身の手首に刺し、内容物を注入した。


 ――デスゲームの時と、同じ……?


「……ご……しゃ……」


 その言葉を最後に、苦しそうに繰り返していたナオキの呼吸が止まった。



 

  ――めきめきと音を立て、ナオキの背中から「何か」が飛び出してくる。

 それは背中から生えた「羽」のような形状に変化し、耳は尖り、体中から目や口と言った人間らしい特徴が消え去っていく。


 しんと静まり返った広い廊下に無機質な羽をはばたかせ、ゆっくりと浮遊するナオキの羽音が響いた。

 非適合者とも、さっきのダイスケの姿とも違う。形だけは「妖精」のような姿をしていたが、所々裂けた服の間から覗く肌は微かに光を放つ銀色。所々内臓が透けて見え、同様に脳が透けて見える頭部は異様に大きくなり、その風貌は無機質なマネキンのように冷たい印象を受けた。


 ――そして、ナオキの左腕には黒い石。非適合者達と同じものだった。




挿絵(By みてみん)



「なんだ、これ……? 芹沢さん、ナオキに何をしたんだ!?」


 芹沢ユウジの方を見ると、彼は興味深そうに目を細め、ナオキの姿をじっと見つめている。返事は、なかった。



 ――待ってるね。



 自らシオンについていくことで、リュウに真実を知るチャンスを与えたアヤカ。しかし、その結果目の当たりにした現実は、あまりにも衝撃的なものだった。


「……まさに、絶望的だ」


 アヤカを失い、ダイスケは非適合化し、カレンは殺され、唯一の手がかりであるナオキも異形の化け物に変貌……結局、真意を聞く事もできなかった。

 しかし、ひとつだけ明らかな事がある。それは、芹沢ユウジの「プラン」が全ての元凶だという事だ。


「ユメ」


 自分の後ろにいる、妹のユメ。ずっと死んだと思っていた、大切な妹。再会出来た時、彼女を今度こそ守りたいと思った。しかし……今のリュウに、それを望む資格はない。


「何? お兄ちゃん」

「俺の大切な人たちを、助けたいんだ。だから……少しだけさよならだ」

「どういう、こと?」

「大丈夫だ、すぐまた会える。絶対に、ここから助けるって約束するから、待っててほしい」


 ユメは一瞬寂しそうに視線を落とし、頷くとリュウの背中に少しだけ額を預けた。


「ユメ、病院にいた時もずっとお兄ちゃんを待ってたよ? お仕事のお休みもらって、絵本を読みに来てくれるお兄ちゃんが大好きだった」

「そうだ……俺はいつも、ユメを待たせてばかりだね。やっと会えたのに……傍にいてやれなくて、ごめん」

「いいの。お兄ちゃんの大切な人、助けてあげて」


 彼女を失ったのは、もう6年も前の事。当時よりずっと成長した姿なのに、少し高めの声も、青い瞳もも、愛らしい笑顔も昔のままだった。せっかく会えたのに、救う事ができなかった事に無力感を感じるリュウの背中を、ユメはぽん、と押した。


「いってらっしゃい、お兄ちゃん」


 勇気づけられるように、時の矢を放つ。ナオキの胸に命中したそれは強い光を放ち――そして、あたりは暗闇に包まれた。


 闇の中に、ソフィの放つ淡い光だけが光を放っていた。

 そして、目の前には、見覚えのある人影。


「久しぶりです、アルトさん」


 リュウが話しかけると、目の前の黒髪の少年は右手を手で隠したまま、少し意地悪そうな笑顔を浮かべた。




まず、更新が遅れてしまい申し訳ございませんでしたm(__)m


謎解き要素の強い回にしたかったので、いろんな伏線を散りばめてみましたが、よく読むと、ヒントや答えは所々に隠されていたりします。よく読まなくても物語進行に支障はありません。

次回からは間章と、もしかしたら番外編も挟むかもしれません。

その後 地下研究所突撃ミッション Rパート を執筆しようと思っています。


もし続きが読みたいと思って頂けましたら、下の☆☆☆☆☆を★★★★★に変えて応援してくださると今後のモチベーションになります。いいねや感想も励みになります。

よろしくお願いします。

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