思春期の3人
キッチンから誘われるような香りがリビングを満たしていく。
「これでお弁当は、完成っと」
アヤカは毎日、リュウ、ダイスケ、ナオキのお弁当を作っている。
最初、男子3人はカフェで何とかすると言っていた。しかし、海外の食事が脂質過多で体に合わないとナオキが指摘し、彼女が料理を引き受けることになったのだ。
おにぎりを動物模様にデコレーションするアヤカの顔には、子供のような無邪気さが浮かんでいた。
幸せを感じると、精霊たちが喜び、祝福するようにあたりを照らす。それは妖精の血を引く彼女特有の現象だった。
アヤカの作るお弁当には、リュウ、ダイスケ、ナオキのそれぞれの好みを反映したおかずが入って、センスが光る。かつての彼女は焦げた玉子焼きや、しょっぱい味噌汁を提供していたが、今では家事はお手の物となっていた。
トレーニングから戻ったダイスケがお弁当の方へ目を向けると、一際豪華なリュウのお弁当が目につき、少しだけ不機嫌そうにアヤカの作るおにぎりを覗き込んだ。
「そのおにぎり、どうにかならねえの?」
「わあっ!!」
アヤカの驚いた様子にダイスケは意地悪そうな笑顔を浮かべた。
「ダイスケ、驚かさないで」
しかし、可愛らしい猫型のおにぎりを目の前に差し出された瞬間ダイスケの笑顔は若干引きつった。
「今日は、猫…なんだなぁ」
「うん、かわいいでしょ」
笑顔を引きつらせたまま片言のような言葉で述べられた感想に対し、アヤカは満面の笑顔で答えた。
「それより、朝飯は?」
「うん、今日はリュウが作るから…ちょっと待っててね」
いつもより早めにお弁当作りを終えたアヤカは、リュウにキッチンを譲る為に最後の後片付けに入った。
今日はリュウにとって特別な日だった。妹のユメの命日だ。一年に一回のこの日に彼は決まって、ある特別なメニューを作る。
「はい、お待たせ」
ユメが大好物だったメニュー・オムライスを食べる前に4人で少しだけ黙祷をした。死んだ妹を慈しみ、思い出す日。アヤカ、ダイスケ、ナオキはリュウの気持ちを大切にし、それを共有した。
「うん、美味しい。毎年腕を上げていますね。」
「そうかな、毎年同じだよ」
ナオキが褒め称える。昔から変わらず謙遜しているリュウだが、たまに腕を振るう彼の作る料理はどれも美味しかった。
「アヤカのより美味いよな」
ダイスケの言葉に、アヤカは少しだけむっとした。
「ダイスケ、明日からお弁当作らないよ」
アヤカが軽く突き飛ばすと、彼はいたずらっぽく微笑んだ。
午前中の講義室。
美術の教室内はカラフルな絵具の匂いで満ちていた。刺激的でありながら、甘美な香りの漂う唯一無二の空間。その教室に立つアヤカは、まるで一際光り輝く星のように、周囲の目を引きつけていた。
彼女の人とは違う独特の雰囲気は一つの芸術作品のようで、見る者の目を引く。
リュウ達の前ではいつもくるくると表情を変える彼女だが、講義を受けている時はとてもクールだ。自身の感情に精霊が反応してしまうのを抑える為、大学内ではなるべく感情を表に出さないように過ごしていたのだ。それが彼女を更にミステリアスに見せ、周囲はいつもアヤカの姿にくぎ付けになっていた。
リュウは静かに彼女を見守りながら、その横で自分の絵画を描き、周りに注意を巡らせていた。
「リュウの絵、あれはなんて模様なの?」
美術の講義が終わり、絵具を片付けながらアヤカが話しかける。リュウの絵は複雑な形状と色彩で覆われており、模様のようにも、独創的な風景にも映った。自分の描く絵画とはまったく違う世界観…それがアヤカは気になって仕方がなかった。
「俺の絵よりアヤカの方が凄いよ」
「そうやって、またはぐらかす!」
ぷうっと口を膨らませ、怒るしぐさを見せるとリュウは困ったように微笑んだ。
アヤカが描く絵は、他の生徒のものとは全く異なる世界観を映し出していた。
妖精の血がそうさせるのか、引き出す色の使い方や、線の引き方によって作り出される表現は、観る者を独特の世界へと誘い込む魅力があり、教授も一目置いている。
「ほら、アヤカ精霊が反応してるよ」
「あっ!」
周りを浮遊する雷の精霊がパチパチと静電気を放っている。それを指摘され、アヤカはゆっくりと深呼吸をして、フウ、と一息ついた。
「最近特に精霊たちの反応が強くなってきたの」
精霊の反応は、3年前リュウが護衛していた時から確認していた。
以前は小さな光が漂ったり、怒った時に静電気のようなものがパチパチと音を立てる程度だった。しかし、アヤカが妖精姫に選ばれたあの日から、怒ると小さな雷が発生し、泣くと雨が降るなど、大気への影響が強くなっていた。
そして皆が最も頭を抱えたのは、アヤカが恥や緊張を感じた時に火の精霊が発生させる炎だ。
忘れもしない、ナオキの研究所で共同生活を始めて間もない頃…3人が11歳の頃の事。
「なあ、アヤカって、リュウが好きなんだろ?告白とかしないの?」
洗濯物を干しているアヤカにダイスケがかけた言葉。アヤカが真っ赤になると、彼女の感情に反応した火の精霊が周りの気温を僅かに上昇させる。当時のダイスケに悪気はない。親友のリュウと、アヤカの事を応援する為の、彼なりの気遣いだった。
「こっ…こ、こ、こくは…」
うろたえるアヤカ。そして、そこへタイミングが良いのかリュウが帰ってきて、アヤカと目が合い彼女の恋心は頂点に達した。
ボッ
「アヤカ!!洗濯物が燃えてる!!!」
火の精霊がアヤカの恋心に呼応し炎を発生させた。焦ったリュウが駆け寄り、素手で炎をはたく。しかしその時既に洗濯物にも火は燃え移り、それを目にした3人は一瞬で血の気が引いた。
「えっ…えええええっ!!!」
「み、み、水だッ!!!」
「何事ですか!3人とも!」
騒ぎを聞き、家から出てきたナオキの声と共に、水を汲んできたダイスケがアヤカに水をかけ鎮火した。
…炎は収まった。しかし…
「いやああああああっ!!!」
火の精霊の炎はアヤカの服までも全焼させ、すっ裸になったアヤカは真っ赤になってその場にうずくまった。
「み、見るなぁっ!!!ダイスケ!!!」
「み、み、見てねぇっ!!!」
「2人とも!紳士はこういう時感情的な制御と社会的認知機能としてですね」
真っ赤になって後ろを向く2人。窘めながらも、動揺を隠せないナオキは論理的口調になりながら自身の羽織っていた白衣を着せた。そして、その後しばらくアヤカは泣きじゃくっていたのだった。
この【アヤカの炎が起こした大事件】以来、精霊の起こす自然現象は、たびたび日常生活に影響を及ぼした。男3人は一時頭を抱えたが、ナオキがアヤカに受けさせた、ある「レッスン」が彼女の感情の安定に役立ち、今に至る。
「ナオキのあれ、今でもやってるの?」
「もちろん。毎日欠かさずやってるよ」
アヤカが呼吸を繰り返し、先程気温を上昇させていた精霊の動きが穏やかになったのを確認したリュウはほっとした表情を見せた。
心の動きは本人でもどうにもならない事だ。その事実に一番心を痛めているのはアヤカ自身である事を、リュウ、そしてダイスケとナオキも理解していた。
3人と暮らすようになって、アヤカが一番最初に感じたのは、リュウ達の生活スタイルが今まで周囲にいた誰よりも過酷なものだったことだ。
毎朝のトレーニングが終わるとリュウとダイスケは2人で朝食を作り、軽く部屋を片付ける。朝食を終え、仕事があれば仕事に向かい、ない時は勉強に励んだ。ナオキは朝食を済ませると、すぐ研究に没頭する。3人の生活には余暇というものがアヤカの知るどの人間より少なかったのだ。
せめて自分の出来る事を精一杯こなしたかった。ナオキのレッスンも、家事も勉強もアヤカなりに頑張ってきた。同い年の2人に置いて行かれたくなかったのだ。
(でも…3年前も、今も、私はリュウ達に守られてばかり)
そう、思いながらアヤカは少しだけ悔しそうに微笑み、リュウの方を見た。
「リュウ、身長伸びたね。今何センチ?」
「え?今…どれくらいだろう」
「昔は同じくらいだったのにね。今は見上げないと顔が見られないよ」
リュウはこの3年間でかなり身長が伸びた。着やせするタイプではあったが筋肉もしっかりついて、男らしい体格になっていた。
「すっかり、男の子ってかんじだね」
「いや…昔から男だけど」
アヤカの言葉にリュウが苦笑しながら時計に目を移すと、時計は12時前をさしていた。
「そろそろダイスケの講義が終わる時間だ、行こう」
3年前から変わらず、リュウは几帳面で、アヤカの身の周りをサポートする事が習慣になっていた。スケジュールの管理とアヤカの護衛、そして授業のサポート。彼の大学生活は、ボディガードとしてプライベートスクールに通っていた頃とほとんど変わらない。
しかしアヤカの事を気に掛ける一方、リュウは自身の事に関しては周りが呆れるほど無頓着だった。
(リュウは着飾ったら結構かっこいいと思うんだけどな)
彼が着ているのは黒いパーカーに、ダークグレーのズボン、黒のスニーカーと上から下まで見事に地味な色で統一されていた。
「たまにはリュウがおしゃれしてるところ見てみたいな…」
アヤカのつぶやきに、リュウは気まずそうに苦笑いを浮かべた。
「俺は、昔からこういう色が性に合ってるんだよ」
「昔」は、”影縫い”という闇組織に所属していた頃の事…当時着ていたタクティカルスーツと同じ黒い服は、彼にとって戦闘服のようなものなのだろう。
「12歳くらいまでは、明るい色の服着てたのに」
「ダイスケのおさがりだったからね」
大学は生徒たちの明るい声で溢れ、それぞれの生活を満喫している。
もちろん遊びに来たわけではない事は理解していたし、任務と勉強で忙しいのにリュウは自分を守ることを最優先に考えてくれている。とても嬉しかった、
しかし、大学の生徒たちの間ではリュウは「勉強が出来るけど、大人しくて暗い子」と認識されていた。
(プライベートスクールの時も、そうだったな)
決して自身の事を主張せず、淡々と任務をこなすリュウ。本当は皆が驚くくらい運動神経が良いし、それなりに顔立ちも整っている。生徒たちのささやきを耳にするたび、アヤカは密かにむくれていたのだった。
正面から語学の授業を終えたダイスケが講義室から出てきた。
一緒に講義を受ける生徒は年上ばかりにも関わらず、彼は人気者で常に友達に囲まれていた。今日も5,6人の友達と楽しそうに会話をしている。
「ダイスケ!」
「よぉ!今行く」
声を掛けられてこちらに気付き、ダイスケは手を振った。
「ダイスケも、大きくなったよねぇ」
アヤカにまじまじと見つめられ、そんな彼女にダイスケは少し戸惑った。
「な、なんだよ急に…」
「リュウと同じくらい?なんだか私だけ置いて行かれてる感じがするね」
リュウよりわずかに身長が高かったが、体格はリュウよりスリムで少し長めの髪。服装に無頓着なリュウに対し、ダイスケは流行のものや、色のついた服を好んだ。
狙撃手である彼は、常に服の中に飛び道具を忍ばせている。それは何かがあった時に瞬時に対応する為の知恵であり、暑い時期でも彼は必ず上着を着用していた。
白に赤のラインが入った上着にストレートのブラックデニム、色の入ったハイカットのスニーカー。その服装はまさにリュウとは対照的であった。
「…アヤカ、何かあったのか?」
「何もないと思うんだけど」
若干戸惑いつつ、リュウとダイスケは揃ってアヤカを見つめた。
アヤカの細い金髪は小学生の頃より短く、朝から忙しく動く彼女の生活スタイルに合わせて編み込みヘアになっている。レモンイエローのシフォン生地のトップスに、彼女の好きな淡いグリーンのショートパンツ。ヒールのない茶色のブーツも活動的な彼女らしかった。
そして、成長したアヤカは女性らしい体形になり、小柄ながらもプロポーションが際立っていた。
「成長したよなぁ、俺たち」
アヤカの胸を眺めながらダイスケが言う。
「そ、そうだね」
リュウも少し戸惑ったように言う。その視線に気付き、一瞬自分の胸の方へ視線を向けたアヤカが声を荒げた。
「ちょっと!何見てるの2人とも!」
「いてて!アヤカ、雷出てるって」
彼女の感情に反応し、雷の精霊の宿ったげんこつは、ダイスケとリュウの頭に電気が流れるような刺激を与えた。
昼時、都市の空を抱く屋上。そこで3人はアヤカの手作りお弁当を囲むのが日課となっていた。ナオキに呼び出されたリュウを待つ間、ダイスケはその日に大学内で得た情報を纏め、少し早くお弁当を広げた。
好物である生姜焼きが入っている事に彼の表情は緩むが、その隣に添えられた可愛らしいおにぎりには苦笑いをした。
「アヤカ、これな、おにぎりさ…」
ダイスケの指先には、ふわりと猫型のおにぎりが揺れている。
「何とかなんない?」
アヤカの料理は口に入れるものすべてが美味しい。だけれど、友達と一緒にいる時、この形のおにぎりは少しだけ恥ずかしかった。微妙な表情で猫型のおにぎりを眺めるダイスケを見て、アヤカは少し考え込んだ。
「ダイスケ、猫が嫌いなの?」
「いや、その…そういう問題じゃ…」
そこへ、屋上の扉が開く音が響き、2人が視線を向けるとリュウが入ってくる。悩むように俯いた彼の顔を見て、ダイスケとアヤカは一瞬で悟った。
((難しい事考えてるなー))
考え事…特に難しい事を考える時のリュウは、眉間に深くしわを寄せ、思い悩むように俯く癖があった。非常にわかりやすいその顔を、大学の入試の為に勉強に励んでいた頃、頻繁に目にしていた。
無言で座り込んだリュウはふう、と息を吐き、そして2人の視線が注がれている事にようやく気付き、焦ったように苦笑いを浮かべた。
「…待たせてごめん」
授業の合間に大学内の調査をするのも大事な任務の一つだ。アヤカの作ったお弁当を食べながら、午前中の調査結果を報告し合うのも彼らの日課だった。
アヤカは2人にお茶を注ぎ、リュウが猫型のおにぎりを食べながらダイスケの話を聞いていると、彼がじっと、自分の方を見ている事に気付き首をかしげた。
「ダイスケ、おにぎり食べ足りないのか?」
「いや、そうじゃなくてさ…お前、そのおにぎり何とも思わねえの?」
リュウは自身が食べていたおにぎりを見つめた。アヤカが作った猫型のおにぎりは、細かな装飾がされ、花や動物、可愛らしいものが好きな彼女らしいものだった。
「アヤカらしくていいんじゃないかな」
ダイスケは、がっくりと頭を下げた。
周囲への観察力に優れたリュウだが、周りから注がれる視線に対しては酷く鈍感だ。この乙女心全開のおにぎりでさえも、彼の少年心を動かすには力不足のようだ。
対するダイスケは、年相応に恥じらいや照れくささを感じる少年だった。プライドの高い一面がそうさせるのか、自分とは対照的で大人びて映るリュウを見て、彼は少しだけ不機嫌そうにした。
「そうだ、今日の研究所の調査は、俺1人で行ってもいいかな」
その言葉に一瞬沈黙が流れ、2人の話を黙って聞いていたアヤカはリュウとダイスケの顔を交互に見た。
(珍しいな、リュウが単独行動したいだなんて)
アヤカの護衛を最優先するリュウは、2人と出来る限り行動を共にするようにしていた。単独行動をする、それはつまり、その間アヤカの事を頼みたいという事だ。
ダイスケの方を見ると、何かを言いかけ、頭を掻き、考え込んだ様子をしている。
「なんで?」
普段言われたことに素直に従うリュウが自己主張するのは珍しい。それを理解しているダイスケは少し心配そうにしながら視線を泳がせた。
「いつシオンがアヤカを狙ってくるかわからない…次戦う事があれば、時の矢の対策をしてくるはずだ。その為に、試したい事があるんだ」
強く意思を込めて言われ、やがてダイスケは再び頭を掻き、ため息をついた。
「気をつけろよ」
何か言いたげにした後、頭を掻くのはダイスケが相手の事を想う時よくする動作だ。そんな彼なりの気遣いは、昔から変わらず心地が良かった。
若干ピリついていた2人の会話を黙って見守っていたアヤカは、話し合いが穏便に纏まったのを確認し、ほっと胸を撫でおろした。
3人の大学生活は、他の生徒とは少し違った。
怪しまれない為の最低限の成績の確保と、特待生らしい立ち居振る舞い。合間を縫っての大学内の調査。そして、夜は定期的に地下研究所の調査に向かう。
一方で教授たちの間では、リュウとダイスケは「将来が楽しみな生徒」と噂されていた。たまに「天才だ」と言う大人も見る。
しかしアヤカは知っていた。2人が送ってきた日々は、想像以上に過酷であった事。その為の努力を惜しまない事。
アヤカはそんな2人を誇らしく思う一方、置いて行かれないように自身も勉強や2人のサポートに務めた。
お弁当を食べた後、アヤカはいつものように精霊たちに語り掛け、彼らが吹かせた風に髪をなびかせていた。その様子をリュウとダイスケは静かに見守る。
リュウの瞳は、いつものように空を見上げながら風に髪をなびかせているアヤカに向けられた。
(アヤカはあの頃から全く変わらない。変わらず近いようで、遠いような、不思議な存在だ)
「お前さ。アヤカにあとで礼のひとつでも言えよ」
「礼?」
ダイスケの急な言葉に、何かあったのだろうかと考え込んだリュウに。その様子にダイスケはあからさまに不機嫌そうな顔をした。
「美味かっただろ!今日の弁当!」
指をさされ少し強めに言われたリュウは、空になった弁当箱を見ながら今日のおかずを思い返す。好物のハンバーグに、エビフライや卵焼き。少し甘く煮付けられた煮物やおひたし…自分の好みのものがいつも以上に詰め込まれていた事を思い出す。
(ユメの命日だから、気を遣ってくれたのかな)
「うん、美味しかった」
アヤカの優しさと、ダイスケの気遣いに感謝しながら、リュウは微笑んだ。
「ありがとう。ダイスケ」
ハーモニア大学の屋上には精霊と対話をするアヤカの吹かせた優しい風が心地よく吹いて快晴の空に舞い上がっていく。
やがて次の講義の時間を知らせる音が鳴ると共に、3人は屋上を後にした。




