【番外編】リュウとダイスケ 幼い暗殺者と狙撃手の少年の出会い ・後編
リュウがダイスケ・ナオキと暮らし始めた時の話の後編です
「お兄ちゃんの、うそつき!」
妹の言葉がリュウの心に突き刺さった。
「もう、危ない事はしないって、約束したのに」
ふと、後ろから足音が聞こえた。
影の世界を生きる者たちが、冷徹なまなざしで、しかし獰猛な速さで彼の後を追っていた。その足音が徐々に近づき、進む道を塞がれ、リュウの心臓は緊張で激しく鼓動し、息を乱しながら進む。
「リュウ、君の才能は非凡だ。これからも我が組織のために尽力しなさい」
組織の重鎮の男の声が重く響く。その深く、そして力強い声に、彼の全身が固まる感覚に取り憑かれた。
*
朝の柔らかな光の中で、突然のうめき声が部屋を切り裂いた。
その声に目を覚まし、隣を見やると、ソファの上で眠るリュウが夢うつつの中で何かを呟いていた。
(嫌な夢でも見たのか…?)
ダイスケは時計を見た。6時を指し示すその針は、いつもの起床時間よりも少し早い。
起き上がり、リュウの方へ歩いていくと額には冷や汗が浮かび、息は早くなっていた。その様子はまるで何かから逃げようとしているようだった。
(そ―いや、俺も昔はよく嫌な夢見たっけ)
そう思いながらあくびをすると、リビングに歩いていく。テーブルの上にあるパンをひとつ手に取りかじりながら冷蔵庫から冷たい炭酸水を取り出すと部屋へと戻り、リュウの頬にそれを当てた。
「ひっ…!?」
突然の冷たさに、リュウは驚きの色を宿して目を開けた。目の前にはパンを片手に自分を見下ろすダイスケの姿。
「……なに?」
「とりあえず、飲め」
起きるなり渡された炭酸水を呆然と眺める。体の隅々に滲む汗を感じ、一口飲むと、心地よい冷たさが頭を冴えわたらせていく。
「お前、朝飯は?」
「朝は、あんまり」
ダイスケは手に持っていたパンを口の中に押し込みながら話を続けた。
「ちょっと、外出ないか?」
昨日までの雨の名残はなく、外はすっかり晴れ渡り、朝日が穏やかに照らしていた。
「お前、強いんだろ?昨日のあれ、もう一度やってくれよ」
構えながら、ダイスケはリュウに言う。
「昨日、僕に勝ったじゃないか」
「まーな。昨日は昨日、今日は今日だろ」
リュウの瞳には深い静寂が宿り、しばらくダイスケを凝視していたが、やがて諦めたように戦闘態勢をとった。
ダイスケが一歩を踏み出す。その動きと同時に脇腹を狙い飛んできた右足にリュウが左手を上げ軽く足に当てた。
その瞬間、ダイスケの体のバランスが乱れた。一瞬の重心の崩れを感じ取った彼が急いで立て直そうとしたところで、リュウの拳がダイスケの視界を埋め尽くしてきた。
咄嗟に体を逸らし、よける。ダイスケの髪をかすめるようにリュウの一撃は風を切った。すかさず追撃の右手からのアッパーが繰り出され、その一撃を防ぐガードを構えーーー
ドスッ
ダイスケの脇腹を激痛が走り、下を見るとリュウの膝が自身の脇腹を捕らえている。よろめきながら後退し、口元だけ笑いながら脇腹をおさえた。
「やるな」
「君もね」
対してリュウは無表情のまま。お互い鋭い眼光を交わしたまま、再度構えた。
「お前さ、手加減してるだろ」
黙ったままのリュウの独特な戦闘態勢の足音だけが響く。
「何とか言えよ」
「君、近接戦闘はあまり得意じゃないみたいだ」
その言葉にダイスケのこめかみがひきつり、彼は足元の石を拾い上げると鋭い眼光でリュウを睨みつけた。
「やめだやめだ。本気でいくからな!」
石を手のひらの上でひとはねさせると、ダイスケの腕が降り上がり、小石が勢いよくリュウの方へ飛んでいく。石が風を切る音と共に前に出たリュウがダイスケに向かう。続いて投げられた石のうち一つを素手で掴むと、そのままダイスケの方へ投げ返した。
「どこ狙ってるんだ、へたくそ!」
体を外した石を見て、ダイスケが得意げに言うと、リュウは彼に再び接近しようと足に力を込めた。
ナオキは、外から響く賑やかな声に、深い眠りから引きずり上げられた。
「賑やかですねえ」
起き上がり、外に出るとダイスケとリュウが取っ組み合いのケンカをしている。
「あひゃひゃひゃ、お前変な顔だな、ふぉんきだふきになったか?」
ダイスケがリュウの頬を左右に伸ばしてからかい、リュウもまた、同じようにダイスケの頬を引っ張った。
「だから、ひょれはもう少し鍛錬をしてからって言っへるらろ!」
終わりの見えない言い合いをする2人を見ながらしばらく呆気にとられていたナオキは、研究室に戻ると自身の為のコーヒーを淹れ始めた。
「ケンカは減点。2人ともマイナス1、と」
そんな事をつぶやきながらノートを閉じると、一筋の微笑みを浮かべた。
体中傷だらけになったダイスケとリュウは、朝食を食べながらお互いに視線を交わしては睨み合いをしていた。そんな2人の様子を見ながらナオキはある提案をした。
「リュウ君、君に仕事を与えます」
「仕事?」
「ダイスケ君に近接戦闘を教えてあげてください」
「「は!!??」」
ナオキの言葉に2人揃って声を上げた。
「働かざるもの食うべからず、です。ダイスケ君、君も仕事だと思ってしっかり励んでくださいね」
その日からリュウによるダイスケへの近接戦闘の指南が始まった。
「君は遠距離の攻撃が主になると思うんだけど」
「ダイスケ」
言葉を制するように言われ、リュウは説明をやめて無表情のままダイスケの方を見た。
「俺の名前。君じゃねーから」
「…ダイスケ。じゃあ、基礎からやるよ」
リュウは腰を落とし、足を力強く振り上げると、その蹴りが風を切り、ダイスケの髪をかすかに揺らした。
その流れるような動きに一瞬息を飲み、ダイスケはしばしその姿に釘付けになっていた。
「やってみて」
その言葉に我に返る。少しだけむっとしたダイスケはリュウの蹴りを頭の中で思い浮かべた。
(確か、こんなかんじで)
重心・足の角度・振り上げる速度。頭の中で繰り返しイメージしながら見よう見まねで左足を振り上げた。
風を切る音が鳴り、微かな風がリュウの前髪を揺らす。
「どうだ、近かったんじゃないか?」
ダイスケの蹴りに一瞬驚いた様子のリュウは、少し考えた様子を見せた後頷いた。
「うん。かなりよかった」
夕食後。
食器を洗ってるリュウにナオキが話しかけた。
「リュウ君。ダイスケ君はどうですか?」
「教えた事をすぐにものにしていく、あんな奴見たのは初めてだ」
表情を変えず語るリュウだが、そこにはわずかな感情が宿っているようだった。
「彼は興味を持ったことに関しては抜群のセンスを発揮するんですよ。それだけ君に興味を持ったという事でしょう」
ダイスケが興味を持っている事を伝え、どんな反応を示すかと様子を伺っていたナオキだが、リュウは表情を変えず黙々と洗った食器を拭き上げていた。
「あいつ、何者?」
「それは君の正体を明かしてから聞くべきでは?」
ナオキの言葉にリュウは押し黙り、キッチンを軽くふき取るとお米を研ぎ始めた。
「朝食用ですか?」
「ダイスケが、朝は米が食べたいって言ってたから」
そう言って慣れた手つきでお米を研ぐ。
「随分手慣れていますね」
「妹に、たまに料理作ってたから」
その言葉にナオキは一つの疑問が解決した。
リュウのような戦闘訓練を受けた子供は、もっと冷徹で感情を失っている事が予想されるが、彼は僅かながら人の心が残っているようだった。妹の存在が関係しているのかと考えながら彼の様子を観察する。
「何?」
指摘され、研究者としての探求心が表に出ていた事に気付く。
「すみません、科学者という役職柄ついつい目の前の事を深く考察する癖が染み付いているんですよ」
キッチンの蛍光灯が静かに部屋を照らし、時計の針が9時を示す。ナオキは白衣の袖をそろえながらリュウに視線を向けた。
「さて、夜9時ですよ。子供は寝る時間です」
リュウの動きが一瞬止まった。目を見開き、ちらりと時計を見ると意表を突かれたように瞬きをした。
「子供の体には十分な休息が必要です。君の将来にも影響しますからね」
それを聞きリュウは頷いて炊飯器のスイッチを入れる。
「おやすみなさい」
静かな足音で部屋へと戻るリュウの後姿を目で追いながら、ナオキは深く考え込む。あの少年は、以前の環境では恐らくろくに睡眠をとっていなかったのだろう。ここに来てからの2日間、彼はナオキのアドバイスを素直に受け入れている。
しかし、ナオキが気にかけていたのは、リュウの反抗の気配が感じられないことだった。
「命令通りに動く、まるで機械のようだね…」
とはいえ、ダイスケとの交流を通じて、リュウには変化の兆しが見えていた。僅かながら見せる彼の変化を感じながら、ナオキは炊飯器をぼんやりと見つめた。
ナオキには思惑があった。
(リュウ君の戦闘能力は、ダイスケ君の大きな力となるでしょう。その為には……)
夜の暗がりが徐々に明るい朝へと変わり始める中、テーブルの上に整然と並べられたおにぎりがダイスケの目に飛び込んできた。
(リュウが作ってくれたのか…?)
眠気を擦り飛ばしながら、ひとつのおにぎりを手にとって口に運んだ。
外へ出ると、朝日を背に田舎道を走ってくるリュウの姿が目に入った。
「何やってんだよ、こんな早くから」
ダイスケが訊ねると、リュウは短く息を切らせながら答えた。
「早朝のランニング」
「は?毎日やってるのか?」
「そうだけど」
ダイスケは深く息を吸って感心したような顔をした。
「いや、お前真面目だな。ただ走るだけって、飽きないの?」
リュウはその質問に少し考え込んだ。
「…考えたことなかった。毎日やるのが、当たり前だったし」
その答えに、ダイスケはしばしリュウを真剣に見つめた。
「何?」
「お前、自分で何かを決めたことあるのか?自分の意志で」
「自分の…意志?」
「うーん、そうだな」
頭を掻きながら手に持ったおにぎりを口の中に放り込むと
「よし、おにぎりのお礼だ!付いて来いよ」
そう言って、リュウを連れて歩き始めた。
清々しい朝の空気に心地よさを感じながら、2人で細道を歩いていく。
「ツネさん、いるかな?」
畑の中央で、朝の仕事に忙しくなっている年輩の女性が、ダイスケの声に耳を傾けると温かな笑顔でこちらに手を振った。
「おや、ダイスケ君おはよう」
畑の中央で農作業に励む老婆、ツネさんがダイスケの声に応え、温かな笑顔で手を振ってきた。
「何か手伝うことある?」
「いつも悪いねえ、その子は友達かい?」
「ああ!リュウっていうんだ」
友達。そう言われてリュウが固まっていると、ダイスケにバケツを手渡される。
「ほら、お前も手伝えよ。ツネさんこの畑一人でやってるんだ、大変だろ」
リュウは無言のまま渡されたバケツを眺めた。
ツネの畑は多彩な野菜で彩られていた。キュウリ、大根、そしてニンジン。その他の根菜も地面から頭を出して、太陽に照らされて輝いている。木々の間から吹く風が野菜の葉を揺らし、その美しい風景の中で2人は彼女の手伝いをしていた。
リュウの目線の先には、ナオキに似た柔らかな雰囲気のツネさんが映る。彼女の背中はどこか小さく、そして何とも言えず穏やかに感じられた。
「……畑」
キュウリを収穫しながら小さく呟いたリュウに気付き、ツネさんは作業を続けながら彼の言葉を待った。
「………」
「この畑、亡くなった夫と私、若い頃から一緒に育ててきたの。ここには、私たちのたくさんの思い出が詰まっているわ。だから放っておけないのよね」
「寂しくないですか?」
リュウが小さく声を震わせて尋ねると、ツネさんは優しく彼の頭を撫でた。
「そりゃあね。でも、この畑を見ると彼がどれだけ楽しみながら手入れしていたかを思い出して、きっと彼も喜んでくれてると思うの」
朝の陽ざしが強くなってきたところで、ツネは2人に麦茶とおにぎりを差し出した。
「ありがとうねぇ」
そう言ってしわくちゃの顔に笑顔を浮かべる。
その笑顔を見た時に、リュウは一瞬自分の心の奥底から温かな気持ちが湧き上がってきたようだった。
「どーいたしまして。また手伝いに来るからな」
帰宅の足取り。ツネから渡された野菜を二人の手に握りしめ、風が心地よく吹く田舎道をリュウとダイスケは静かに歩いていた。
「どうだった?」
いつもの子供らしい顔で、ダイスケがリュウに笑いかけた。
「誰かに、ありがとうなんて言われたの…初めてだ」
手に持った野菜を見ながらリュウの口元が一瞬微笑んだのを見つけ、ダイスケは少しだけ満足そうに彼を見る。
「誰かの役に立つって、いいだろ。でもその野菜はお前が食えよ。俺野菜嫌いだからさ」
2人が進む先には、小さなバス停が姿を現した。ここはリュウ雨に打たれていた時にナオキが彼を見つけた場所。
(聞いてもいいのか…?)
その場所を見つめるリュウをダイスケが横目で盗み見ると、彼はそれに気づいたかのように話し始めた。
「妹が死んだんだ」
リュウの瞳はバス停の看板を固く見つめている。
「妹は…ユメは持病が発覚して、僕はユメを守りたくて仕事をしてた。でも…」
田舎道のどこかで風が木々を揺らす音。その音と共にリュウの言葉が空気を震わせ、彼の表情が徐々に強張っていく。
(そっか、こいつ守りたかった妹が死んで、それで逃げて来たのか)
どんな気持ちだっただろう。ダイスケは考えた。生まれた時から親がいなかった自分が、昔寂しく感じていた時の事を少しだけ思い返す。
「思い出してやれよ」
「え?」
「ツネさんも言ってただろ。俺は、赤ん坊の頃に親が死んだから顔も覚えてないけどさ、たまに考えるぞ。どんな人だったのかなって」
そう言いながら、ダイスケはリュウの胸を軽く拳で突いた。
「俺のここに、2人はずっといるぞ!ってな」
笑顔を向けられ、明るく響くその声がリュウの胸に染み渡る。胸に手を当ててダイスケの方を見ると、少しだけ微笑んで頷いた。
研究所に着くと、ナオキが2人を探していた。
「2人とも、どこへ行っていたんですか?心配しましたよ」
ダイスケは小さな笑顔を浮かべながら言った。
「ツネさんの畑で、ちょっと手伝ってきたんだ。」
彼の手から、新鮮な野菜がナオキに渡されると、ダイスケは家の中へと続く扉を開けた。
「リュウ君、君もですか?」
「うん」
ナオキは腰を下ろし、リュウと目線を合わせた。
「どうでした?」
穏やかな表情でそう聞かれ、リュウは少し考えた。
「……このあったかい感じ、胸のところがむずがゆくて、へんなかんじだ」
「率直な感想ですね。それは嬉しいと言うんですよ」
リュウは目を開いたまま硬直した。
「嬉しい…」
自身の胸に手を当て、少しだけ考える。その様子にナオキは小さく笑うとまっすぐ彼の瞳を見た。
「君は今まで過酷な訓練を受けてきた。それは君の力だ。でも、これからはそれを人を守る為に使ってみたらどうですか?」
「人を、守る?」
「ありがとうと言われるのは、悪くないでしょう」
リュウは考えた。しわくちゃな笑顔でありがとうと言ったツネの顔が思い浮かぶ。
「……うん」
少しだけ微笑んだリュウの顔を見て、ナオキは書類を取り出した。
「ボディガードという仕事があります。試してみませんか?」
書類を手に取り、リュウは考えた。
「僕に誰かを、守ることができるのかな」
「君だから…いや、君でなければ守れない人がたくさんいます」
リュウの日々はその日を境に慌ただしく変わった。
朝6時。
隣でまだ夢の中の友人の動きを気にしながら静かに布団を抜け出し、喉の渇きを潤す一杯の水を飲み干す。その後、朝の軽食の準備に取り掛かった。
外で夜が退き、朝の光が少しずつ世界を染め上げる。リュウは早朝のランニングを終えると、ダイスケの近接戦闘の指南。そして、ナオキが目を覚ます前に、朝食の準備に戻る。
妹に時々作っていた料理がこんなところで役に立つとは思わなかったが、リュウは自分の役目が与えられた事、ダイスケとナオキが美味しそうに食べる事に喜びを感じるようになっていった。
ナオキの指南の下でボディガードとしての必須知識、法律や外国語を学ぶ。使命感、プロとしての誇り、そしてどんな状況下でも冷静な判断を下すメンタルの鍛錬。リュウはこれらを真摯に受け入れ、日々精進していた。その姿勢は、ナオキをも感嘆させるほどだった。
気がつけば、そんな日々は2年の歳月を経ていた。
同い年の女の子の護衛
ナオキの事務所に一通の依頼が届き、その内容に一瞬の迷いが彼の瞳に浮かんだ。
「さて、どっちを派遣するべきか」
11歳は思春期手前の子供。ボディガードとして行動を共にするという事は、より繊細な心のケアも求められるだろう。ただでさえ微妙な年頃。2人を派遣するという選択肢も頭をよぎるが、依頼主からの条件は1人。
沈黙を破るのは、ゆっくりとした扉のノックの音。
「どうぞ」
ドアが開くと、温かい野菜スープを盛ったお盆を持ったリュウが姿を現す。時計の音がやや大きく響く中、ナオキは自分の食事時間をすっかり忘れていたことに気付く。
「いつもありがとうございます。ダイスケ君は?」
「狙撃銃のメンテナンスしてる」
スープを前にして、窓の外の大粒の雨が打ち付ける音が響く。
「あの日も雨が降ってましたね」
「あの日?」
「君が初めてここに来た日ですよ」
ナオキの目は遠く、雨に濡れて震えていたリュウの姿を思い出していた。あの頃の彼は、感情を開放することを恐れる少年だった。しかし今のリュウは、その恐れを乗り越えた穏やかな心の持ち主に成長していた。
しかし、ナオキには心配事があった。
「リュウ君はもう少し子供らしく、笑ったり、怒ったり、時には涙を流す経験をしても良いと思うんですよ」
返す言葉が見つからないように硬直しているリュウに、一枚の書類を差し出した。
「この依頼、受けてみますか?」
少年は書類を見て少し考えたが、首を縦に振った。
「やるよ」
その返事に微笑むと、ナオキは依頼主に電話をかけた。
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