72 文化交流会2日目~夜空の星~
お読みいただきありがとうございます(*'▽')
♪こちらのお話は、読了時間:約5分です♪
(Wordcount2220)
“不思議?”だけど……。
どうしても、その『不思議』を確かめたくて……夜空に輝くお星さまの、気持ちを知りたくって……私は、“そっ”と瞳を閉じた。そして、心を集中させる。
『星空に、呼びかけてみよう』
すると、心の中にお星さまたちの温かい【声】(意識)が、光となりゆっくりと流れ込んできた。
――今日は、いつもよりも強い力を感じる。
私の、心だけではなく頭から指先、足までも、温かくなってきていた。
「……んっ? 月、どうしたの?」
私が【力】(能力)を使っているのに気が付いたのか? 彼は“ニコッ”と、笑顔で聞いてきた。
「あ……いえ、ぃぇ~」
彼の声で、ハッ! とした。お空やお星さまと“会話が出来る”なんて。普通の人では有り得ない事なのです。なので、そんなお話は……!!
『とてもじゃないけれど、言えないよぉ』
私は、彼から目を逸らし、少し焦ってしまい声は小さくなった。それから、夜空と繋がっていた能力を抑え、両手のひらで自分の顔を隠すように、目の前に広げて「気にしないでぇー」と、左右に“ブンブン”と振った。
『私が急に、力を使ったから。どうしたの? って、聞くのは当然だと思う』
「何か困り事……嫌な事でも、あったかな?」
ハッキリと答えず口籠っている私に、星様は少しだけ心配そうな表情に変わり、下を向いてしまった。
「ちが……星様ぁ! 違うのですよぉ!!」
お話の流れから今! この状況で。自分の行動が、大変な誤解を生んでしまったのではないか? と、慌てて訂正に入った。
(はぅーそうだよね? 勘違いされてしまうよね。……きちんと、お話しないと)。
私は少し、言いにくい感じで、星様にお願いする。「これからお話しする事で、どうか変な人って思わないで下さいね!」と。
「勿論だよ。月に対して、そんな事は絶対にない」
すると、優しい星様は、そう言って下さったのです。それで私は、勇気を出して「実は……」と、話し始めました。
「私は、子供の頃から精霊や、自然界の植物、動物と、そして……えっとですね。あのぉ、お空とも、気持ちが通じる事が出来まして……。それで夜空のお星さまとお話を。あっ! もちろん“言葉”で通じている訳ではありませんが」
私の幼い頃からの能力。【特異能力】と言えば聞こえは良いが、【異質な能力】を持つ子供、と言えば、そうだろうなぁと改めて思う。
この力を見たり聞いたりした人たちからは、珍しがって寄ってくる人もいたし、ただ単純に能力を評価してくれて、良く言ってくれる人もいた。
でも……。
『変な子供だって言われる事も、多くあった』
なので、この学園に入ってからは、そのような事を言われたり、驚き騒がれたりしないように、私はこの能力を隠し続けてきた。
――でも、星様だったら。
そう思って、お話した。すると彼は……。
「すごいね月! それはとても素晴らしい事だよ」
その言葉を聞いて、私は少しだけ驚き、それ以上に心から安心した。
星様の反応が、思ったより好感触だった事もあって、これは、色よい返事が期待できそうだなぁと、私はエヘッと、笑いながら続きをお話した。
『今の私が使える能力量で、集中して感じた事を』
「夜空で“キラキラ”と輝くお星さまたちは皆、星様が見守って下さっている事を、とても喜んでいるようです。あと、これは私の推測ですが、お星さま自身が持つ【力】によって、輝きは星様に伝わっていて、“モノクロ”の世界でも……光を感じられているのではないかと、思うのです」
「あはは、月の表現は、本当に可愛い」
――いつもの星様だ。
サラッと言葉を返してくれて。
でも……。
「違うのです。星様、私は本当にそう思って」
「僕には、色を持つ事は出来ない」
――“ズキッ”
その言葉は、何故か? 私の心に突き刺さった。出逢ってから今までの間、彼と過ごした時間の中で、初めて受けた感情。
それは【諦め】とも取れる言葉。
「星様。私は決して、夢見心地な気分でお話した訳ではありません……」
伝わっていないのであれば、私の考えを、きちんと伝えないといけない。
だって、星様は。
夜空の星を見つめる時の、細めて潤んだ瞳。その優しい眼差しに答えるように、夜空のお星さまたちは、輝きを増し“キラキラ”と光っていて。
――夜空を、星を。大切に想っているはず。
「三日月……君という人は」
ひと言、星様が私の名前を呼ぶと、少しの間また、私たちの間には沈黙の時間が流れた。そして彼は、一度眼鏡を外すと、“モノクロ”の世界へ戻った。
その表情はとても落ち着いて見え、感じていた通りの優しい眼差しで、彼は星空を見つめて、語りかけるように、何かを呟く。
『…………』
いつも階段で逢う時の星様は、何かを背負っているような雰囲気を持っていた。しかし、皆の前で見る彼は、それを感じさせない冷静沈着さと、キリッとした表情、堂々とした立ち振舞いで、とても心が……芯の強い人だという印象しかない。
けれど今……この瞬間。
初めて、と言って良いくらい彼の表情は、『ふわぁっ』とした、温かな雰囲気と共に、私たちの周りの空気は和らいでいた。そしてなぜか、自由を手に入れたかのような、“ホッ”とした表情で星様は、嬉しそうに微笑んでいた。
『まるで、天使のようなお顔……』
――ありがとう。
「君はやっぱり。僕の“希望の光”なんだ」
((ピューー…………パァーーン!!!))
午後八時半。
夜空にまた、数千の光の花が舞い散った。
いよいよ、文化交流会のメインイベント。
【夜会(舞踏会)】が、始まろうとしていた。
不定期更新にも関わらず、ずっとお読みくださっている読者様には、
ホントに感謝です(/ω\)
今後ともよろしくお願い致します♪
次話もおたのしみにぃ~♡




